(2)緊急事態を前に、市のビジョンは

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まとめ

コロナ禍により、市の財政は大きく傾きます。私の予想では、市税収入は2~3割減少し、大幅な歳出削減を余儀なくされます。公共施設の縮小が早まる可能性も高いです。市長を始め、全体的に危機感が感じられないことはたびたび訴えてきました。今回は残時間がなかったことから、再質問では一点だけ「市長のプレゼンス(存在の意義)」を問いました。

  • 歳入歳出への影響想定は → 推計困難、大幅な財源不足、緊急対策事業費の増大
  • 大幅な歳出削減が必要、改革は → 事業見直しの検討に着手中
  • 市長の存在意義を感じず、小平市の舵取りは → 市独自に対策する権限、財源なし

今回は珍しく市長が答えました。下記のとおり、残念な答弁でした。緊急事態こそ、市のことを分かっている市長が率先し、内外に危機感を示して、試験的にでも何らかの対応を進めていく必要があると私は考えます。国や都では、自治体ごとのきめ細かな対応はできません。スピードも遅いです。財源は、臨時交付金、財政調整基金、一般財源で十分です。また、効果が上がりそうなことを試験的にでも行っている自治体には、国や都からも交付金が出ます。そういう方法でほかの自治体に貢献できます。危機感、やる気、発想が感じられない、残念なことです。

初回質問・初回答弁

 新型コロナウイルス感染症による世界的な経済状況の変化に関し、小平市に以下質問する。

Q1. 現状で市の歳入と歳出はどれだけ影響を受けると想定しているか。

A. 市長(小林 正則) 市の歳入と歳出が受ける影響額を現時点で推計することは困難だが、歳出においては、市内の事業活動や市民生活を守るための緊急対策に要する事業費が増大することが想定される。 一方、歳入においては、市税の大幅な減少のほか、施設使用料の減少など、さまざまな分野における収入の減少が想定されることから、大幅な財源不足に陥る可能性がある。

Q2. 経済状況が回復しない場合や緊急事態宣言が引き続いて実施されるなどの場合、市が財政上、有効に機能するためには、パラダイムシフトを伴う大幅な歳出の削減が必要になると考えられる。抜本的な改革策は用意しているか。

A. 市長(小林 正則) 市の財政においては、歳入に見合った歳出を基本としていることから、歳入の大幅な減少を見据え、現在、市が行っている事業の見直しが必要と考え、検討に着手している。 見直しにあたっては、事業の必要性や緊急性などを考慮しながら、今後の方向性等について決定する。

再質問・答弁

時間がないので(一点のみ再質問を)、Q2について、昨日の伊藤議員の一般質問において、企画政策部長は「コロナ禍でも長期総合計画の前提は変わっていない」という趣旨の答弁をした(が、それはあり得ない)。しかし、企画政策部長の立場として、答弁はそうなってしまうものだと思う。

なぜなら、職員の方々は、たとえば、小平市を船だと考えると、その船を操縦し、沈まないよう、国の複雑な法律を解釈し、予算内で、船を沈まないよう動かしていくことが仕事。船に乗っている市民が海に落ちてしまったりしないよう、ちゃんと見ていかなければいけない。それはすごく重要な仕事で、それはよいと思う。

問題は、その船の方向を決める人は市長であること。市長の存在意義を、今回の場面で(疑問に)感じるところがあり、基本的には、国や東京都から言われていることをそのままちゃんと全うしているという印象だが、その船の方向を定める市長の存在意義、プレゼンスが感じられない。船の方向をどう決めていくか、イニシアチブをどうやって取っていくかを、市長に伺いたい。

A. 市長(小林 正則) 今回、私に対し、国や東京都の意向に沿う形で、あまり独自性が見えないということだが、もともと、こういう大きな自然災害、あるいは感染症の問題というのは、市が独自で何かやるというものではなく、またその権限もない、もちろんそれを裏づける財源もない、我々の仕事は、やはり国が示し、東京都が示したことをしっかりと市民の皆さんに伝え、国が目指している方向性を、みんながその方向に向かって、誰一人、その方向性に取り残されることなく、それぞれのサービスを受ける、それが今回の新型コロナウイルス感染症に対する私のスタンス。
😨 市長の存在意義がない

大きな自然災害や感染症の問題であっても、国や都の指示を待つだけの姿勢は明らかにおかしいです。緊急事態こそ、市のことをよく分かっている市長が、危機感を持って、率先して迅速に対策を打っていくことが必要です。試験的に施策を行うことでもよいです。それにより救われる市民は数多くいます。市の未来も変わります。臨時交付金、財政調整基金、財源はあります。率先して有効な対策を打つ自治体には、国も支援を行います。市長の危機感のなさ、やる気のなさが伺われる答弁で、非常に残念です。

以上