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(3)第4次小平市子どもの読書活動推進計画に関するパブリックコメントの把握漏れについて

まとめ

令和5年6月9日に行った3件の一般質問のうちの3件目です。

👷‍♂️まとめ作成中です🚧

質問答弁概要(クリックで詳細)
① 「子どもの読書活動はディスレクシア当事者の声を聞いて」というご意見については?毎年ハンディキャップサービス交流会で意見を伺っている。幅広く意見をもらうよう努める。
② デイジー図書閲覧に適した機器貸出しを求めるご意見については?デイジー図書の音声専用再生機を貸出している。マルチメディアデイジーに適した機材やICTの活用は研究中。
サピエ図書館と連携すればさまざまなことができることを認識していたか?認識していなかった。可能性について検討していく。
今回の指摘を図書館協議会でも報告してもらえるか?協議、意見交換していきたい。
③ 学校での読書週間で、読むことが困難な子への配慮は?可能な範囲でICT機器の活用や市図書館との連携を図り、配慮して取り組む。

通告書

主な質疑

以下の質疑は要約です

正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。また、分かりやすくするために、ここではすべて一問一答に見えるよう順番を並べ替えています。実際は、初回質疑は一括質問・一括答弁方式です。

質問する理由

パブコメ把握漏れの中に貴重なご提案が

令和元年11月22日から約1か月間行われた『第4次小平市子どもの読書活動推進計画』に対するパブリックコメントへ市ホームページのコメント機能で寄せられたご意見、ご提案に1件把握漏れがあったと先日判明した。

把握漏れのご意見、ご提案は、次のような内容であった。

  1. ディスレクシア当事者の声を聞いてほしい
  2. デイジー図書を利用する際の機器を、現状の古くて画面が小さいタブレットではなく、デイジー図書閲覧に適したものへ変えてほしい
  3. 学校での読書週間などの取組では、読むことが困難な子も、つらい思いをせず参加できるような配慮をお願いしたい

貴重なご提案も把握漏れのまま進む計画

当該計画は確定しており、これらのご意見、ご提案についてはすべて「今後の参考意見にする」という扱いにされ、次に示す市の考えが付された。

(計画)のP16「(13)特別な支援を必要とする子どもへの支援」にあるように、ディスレクシアの子どもに向けた読書支援に努めてまいります。 デイジー図書の貸出しの際には、デイジー図書音声再生専用機の貸出しも行っていますが、今後ICTを活用した資料の提供も研究してまいります。

この市の考えは、個別具体に挙げられた課題を抽象的にまとめてしまっている。さらにP16(13)に言及があるが、それはパブリックコメント用として事前に提供されていた計画案にも記載されていたものだ(パブコメを寄せた方はこれを十分に分かったうえで投稿している)。

総じて、上記1から3の提案を真摯に検討したようには感じられない。

貴重なご意見、ご提案が漏れたまま計画は確定し進んでしまっているが、そのことに問題意識を持っているのか疑問を感じる。

図書館協議会の提言内容はとても残念

なお、令和5年3月に小平市図書館協議会から提言「デジタル化時代の公共図書館を考える 」が出されている。

私は、デジタル化で最も恩恵を受けたり被害を被ったりするのは特別な支援を必要とする方だと考えている。デジタル化を考える際は、そういった方々のことを真っ先に考えて計画を立てるべきだと考えている。

しかし、この提言の中で、特別な支援を必要とする方への具体的な言及があるのは「障害者サービス」としてサピエ図書館の紹介程度だ。上記1から3の視点がまったく欠如している。

もしパブリックコメントで1から3についての把握漏れがなく、計画の中で言及をしてもらえていれば、こういった提言の中にもひとつの重要な観点として取り入れられたのではないかと考えると、とても残念だ。

そこで、すでにパブリックコメントから3年半が経過しているが、これらのご意見、ご提案に光を当てるべく質問する。

① 「子どもの読書活動はディスレクシア当事者の声を聞いて」というご意見については?

子どもの読書活動に関して、視覚障害者やディスレクシア当事者の声を聞いてほしいという要望についてどう考えているか。

図書館では毎年ハンディキャップサービス交流会を開催し、図書館の利用について、障害のある方などから直接御意見を伺い事業を進めていくうえでの参考としている。

また令和元年に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律が施行されていることから、小平市子どもの読書活動推進計画の次期計画の策定においても、図書館の利用に障害のある方などから幅広くご意見をいただくよう努めていく。

② デイジー図書閲覧に適した機器貸出しを求めるご意見については?

デイジー図書閲覧に適した機器の貸出しについてどう考えているか。

図書館では平成24年度からデイジー図書の音声専用再生機の貸出しを行っている。

マルチメディアデイジー図書の閲覧に適した機材の貸出しについては、利用者のニーズや費用面、セキュリティの観点も含め、研究している。

また、近年普及している電子書籍などにおいては、音声読み上げ機能など、障害のある方も利用しやすい機能が付加されていることからICTを活用した資料の提供についても引き続き研究していく。

このご意見をお寄せくださった方が、サピエ図書館に次のような趣旨で問い合わせをされた。

  • ディスレクシアの児童・生徒の読書活動に、サピエ図書館のデイジー図書を活用したい
  • 小平市立図書館ではサピエ図書館からダウンロードしたデータをCDにして貸出しているが、CDだとタブレット端末で使えない
  • 小平市立図書館で貸出しているデイジーの再生専用機は、視覚障害者向けだったりとか、可搬性の点で使い勝手がよいとは言えない

サピエ図書館のデータを入れた端末を貸すこともできる

サピエ図書館が回答したところによると、たとえばダウンロードしたデイジー図書のデータを小平市立図書館所有の(新しい)タブレット端末に入れて、端末とともに貸出すことも利用規約上可能とのこと。

ただサピエ図書館の利用資格の確認は必要と。

サピエ図書館の利用資格をハンディキャップサービス利用者登録とひもづけも可能

このサピエ図書館の利用資格の確認を、小平市立図書館のハンディキャップサービスの利用者登録とひもづけられないかと尋ねられたところ、そういった運用の実績は実際にありますと。

メールでの貸出も可能

ほかにも、サピエ図書館と小平市立図書館を連携して活用できる方法はあるかを尋ねられた。

すると、マルチメディアデイジーなどデータ量が大きいものは難しいが、小平市立図書館がサピエ図書館からダウンロードしたデータをメールなどで利用者へ貸出すことも、利用規約上は可能とのこと。

ただ、本人以外の利用を禁じる、たとえばメールに注意書きをするなどの策を講じる必要があるとのこと。

さらに、小平市立図書館と市内の学校図書館の連携をすれば、たとえば次のようなこともできる。

学校図書の司書や協力員の方を通じて、児童・生徒が希望するデイジー図書をサピエ図書館からダウンロードし、GIGAスクール端末で利用すること。

なお、端末としては、iPadのほうが、Android端末より使い勝手がよいらしい。

サピエ図書館と連携すればさまざまなことができることを認識していたか?

こういったことは少し質問すれば分かること。

今述べたような、サピエ図書館のデータが小平市立図書館と一緒に活用できる仕組みとなっていることを認識していたか。

私自身、サピエ図書館について調べたが、こういう細かいところの確認はしていなかった。

図書館の現場では、ある程度の運用については確認をしている部分はあろうかと思うが、今話を伺い、できることはまだいろいろあるんだなと感じた。

運用の課題もあると思うので、可能性についてこれから検討していく。

サピエ図書館は中央図書館など介さず、自分でサピエ図書館にアクセスして個人利用できる。

ただ条件があり、個人利用できるのは1Mbps以上のインターネット接続速度の環境がある方のみ。また任意の寄附を求められるところもある。

1Mbps以上のインターネット接続は、今の時代、みんなできると思ってしまうが、そうではない人もたくさんいる。すべての人が使える環境ではない。タブレット端末もないとできない。

(だからこそ図書館でできるところをやってもらいたい)。

時間的には数か月もかからないスパンで対応できることと思う。ぜひ真剣に検討していただきたい。

今回の指摘を図書館協議会でも報告してもらえるか?

もうひとつ問題がある。図書館協議会で、今述べたようなことを指摘してもらいたい。

なぜなら、今回「デジタル化時代の公共図書館を考える」というテーマで提言されているのに、サピエ図書館のことが調べられてない。

私も議員として本当は調べなくてはならなかったと思うが、市のほうが詳しいと考えて自分でなかなか調べなかったところもある。

もしかすると図書館協議会の方々も自分たちで調べられなかったと思うが、少し調べれば出てくるようなことを調べていないというのは、やはり問題ではないか。

2か月後か3か月後にある図書館協議会でも、この一般質問で指摘したようなことをちゃんと報告してもらいたいがどうか。

図書館協議会の提言については、さほど詳細な言及がされていないところがある。しかし、図書館協議会でもアクセシビリティに対応した電子サービスの必要性とは十分認識されていると考えている。

今回の件があり、図書館長と協議会の会長とも話をしたり、今後、ディスレクシアの方に対応したサービスの重要性については十分認識を持たれているということもあるので今後に生かしていきたい。

次回の図書館協議会においても、今回の把握漏れの件についても含め、そういうディスレクシアの方を含めた取組についても、協議、意見交換していきたい。

パブコメの把握漏れだけではなく、情報の把握漏れにも気配りを

パブリックコメントの把握漏れだけではなく、こういったサピエ図書館の情報の把握漏れもある。しっかりやってほしい。

③ 学校での読書週間で、読むことが困難な子への配慮は?

市は、学校での読書週間において、読むことが困難な子への配慮はどのように行っているか。

学校図書館では、発達の段階に応じて、児童・生徒の多様な興味や学習のニーズに応じて、幅広いジャンルやテーマの本をそろえている。

また、可能な範囲で、ICT機器の活用や市立図書館との連携を図ることで、読むことの困難な児童・生徒が自分のペースで読書ができるよう配慮して取り組んでいく。

以上