読書バリアフリー法

通称読書バリアフリー法は、視覚障害等の有無にかかわらず、すべての国民が読書しやすいように環境を整えるための法律です(全文はこちら)。

通称正式名称
読書バリアフリー法視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律

法の主な内容

第1条(目的)には、この法律の目的が書かれています。視覚障害等の有無にかかわらず、すべての国民が読書しやすいよう環境を整えるための法律である旨です。

第2条(定義)には、用語の定義が書かれています。ディスレクシアは「視覚障害者等」に含まれると考えられます。

第3条(基本理念)には、基本理念として、次のようなことが定められています。

  1. 電子書籍の普及を図るとともに、これまでの書籍も引き続き提供が必要
  2. 書籍や電子書籍の、量だけではなく質の向上もおろそかにしてはならない
  3. 障害の種類と程度に応じた配慮が必要

第4条以降は、国(政府)および小平市のような地方公共団体のするべきことが定められています。主なものを表1にまとめました。

小平市は、令和2年3月に策定した第4次小平市子ども読書活動推進計画において、「視覚障がい等のある子どもが市立図書館を利用しやすくなるよう施策のあり方を研究します」としています。

しかし、表1を見ると、小平市としてなすべきことや、できることが、もっとたくさんあるように思います。法に「必要な施策を講ずるものとする」と定められていることを、小平市はどこまで行っているのか、確認が必要です。

表1:第4条以降の主なもの(視覚障害者等に関して)
(大分類)  項目  条・項地方公共団体
読書環境の整備読書環境整備の推進に関する施策第4条
第5条
策定・実施の責務がある
読書環境整備の推進に関する計画第7条
第8条
基本計画を
定めなければならない
計画を定めるよう
努めなければならない
図書館の利用体制整備利用しやすい書籍等の充実と円滑利用の支援充実第9条必要な施策を講ずるものとする
↑の取組促進第9条第2項必要な施策を講ずるものとする
インターネットサービス体制強化利用しやすい電子書籍等と書籍等の情報をインターネット提供する運営の支援第10条必要な施策を講ずるものとする
↑に関する各機関の連携強化第10条第2項必要な施策を講ずるものとする
書籍・電子書籍等の拡充支援特定書籍等と特定電子書籍等の製作支援第11条必要な施策を講ずるものとする
↑に関する環境整備の支援第11条第2項必要な施策を講ずるものとする
利用しやすい電子書籍等の販売促進第12条必要な施策を
講ずるものとする
なし
↑に関する環境整備の支援第12条第2項必要な施策を
講ずるものとする
なし
利用しやすい電子書籍等を外国から入手する環境整備第13条必要な施策を
講ずるものとする
なし
端末等の入手支援利用しやすい電子書籍等を利用するための端末機器等と、これに関する情報の入手支援第14条必要な施策を講ずるものとする
情報通信技術の習得支援利用しやすい電子書籍等を利用するための、情報通信技術の習得支援第15条必要な施策を講ずるものとする
研究開発の推進利用しやすい電子書籍等と、それを利用するための端末機器等の、研究開発推進と成果の普及第16条必要な施策を講ずるものとするなし
人材育成特定書籍及び特定電子書籍等の製作と、利用しやすい書籍等の円滑な利用支援に係る人材の育成等第16条必要な施策を講ずるものとする
関係者・関係機関の連携強化関係者・関係機関の連携強化第16条必要な施策を講ずるものとする
  • 特定書籍等=著作権法の規定により製作される、視覚障害者等が利用しやすい書籍等
  • 特定電子書籍等=著作権法の規定により製作される、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等