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二次障害
ディスレクシアやADHDのような発達障害(これを一次障害ということもあるようです)をもつ人が、自分自身や周囲から誤解を受けることにより、強い劣等感や反抗心が生まれる場合もあります。
たとえば、読み書きに困難さを抱えている子どもが通常の教材(紙に印刷されたもの)を使う場合、どんなに頑張ってもなかなか思うように学習が進まないこともあります。学校の授業中、自分一人だけ筆が進まなかったり、自分一人だけ教科書をうまく読めないという状況です。これは本当につらいことだと思います。本人は「頑張っても勉強ができない」と悩んだり、同級生や先生からも、できない子として見られたり、そう思われているだろうと感じてしまいます。家に帰れば、親からは怠けていると叱責される場合もあります。そうして徐々に自信を失い、学ぶことに意欲がもてなくなります。ときにはそれが不登校につながり、鬱になることもあります。
また、IDAによるディスレクシアの定義に次のように記載されているように、適切な学習環境が与えられないために、語彙や背景知識における成長が阻害される可能性もあります。
二次的な結果として、読解力に問題が生じたり、読む機会が減るなどし、語彙や背景知識における成長を阻害することがある。
こういった、本来の障害とは関係のないところで障害が発生することを「二次障害」と呼びます。
なお、二次障害は医学的な用語ではなく、調べた限り明確な定義は見つかりませんでした。しかし、明らかに存在する障害です。
二次障害が起きないよう、本来の障害を早期発見することに加え、自分自身と周囲の人々の、障害に対する十分な理解が必要となります。