GIGAスクール構想が前倒しになりました(令和2年10月)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、GIGAスクール構想が全国的規模で急遽進むこととなりました。国の補助金により、令和2年度末までに小平市立小・中学校の児童・生徒全員へ、1人1台のタブレット端末が整備されることになります。ディスレクシアや読み書きに困難さを抱える子どもの学習環境が大幅に改善される可能性があります。

詳細はこれから

小平市の場合、タブレット端末にインストールされるソフトウェアや教材についてはまだ何も決まっていません(令和2年10月末時点)。ディスレクシアやその他学習障害を抱える子ども達、不登校の子ども達が活用できるような整備を進めるべきで、今後慎重に検討を進める必要があります。

私は6月の一般質問でこのことを取り上げました。

安竹洋平・令和2年度6月一般質問「不登校やディスレクシアの子どもたちも活用できるGIGAスクール構想を」

GIGAスクール構想の背景

GIGAスクール構想進捗の背景について簡単に説明します。

まず、文部科学省による「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」というものがあります。これは2022年度に学校の3クラスに1クラス分の端末を整備したり、先生に一人一台PCや端末を整備したりする、という計画でした。(前身に総務省のフューチャースクール推進事業(平成22年度~25年度)があります)。

上記計画と並行してGIGAスクール構想ができました。令和元年12月の閣議決定をもとに「令和時代のスタンダードな学校像として、全国一律のICT環境整備が急務」ということから「1人1台端末および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備」することを主な目的として、国の令和元年度補正予算が令和2年1月末に成立。総額2,318億円でした。この時点では、令和5年度までに端末を1人1台整備することを目指していました。

その後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、「前代未聞の非常時・緊急時」であることから「児童・生徒1人1台端末の整備スケジュールの加速、学校現場へのICT技術者の配置の支援、在宅・オンライン学習に必要な通信環境の整備を図るとともに、在宅でのPC等を用いた問題演習による学習・評価が可能なプラットフォームの実現を目指す」ということで、4月頭に閣議決定し、4月末に令和2年度補正予算2,292億円が成立しました。

小平市も、この補正予算により急遽GIGAスクール構想を進めることに決定。5月の臨時会の補正予算で、1人1台の端末購入分が計上されました。これが背景です。

誰一人見過ごさないGIGAスクール構想を

タブレット端末が配られたからといって、すべての問題が解決するというようなことは、けっしてあり得ません。デジタル教科書やデイジー教科書を使う必要があるのではないか、どのような学習法が適しているのか、そういったことを調べるためにも、まずアセスメント等の統一的かつ網羅的な方法により、該当の子どもを発見する必要があります。困難さを抱えていることが判明していないと、デイジー教科書を試しに使うこともできないのです。