議員提出議案第22号 新型コロナウイルス感染者の詳細な情報の提供を求める意見書提出について

厚生委員会付託

ポイント

✔ 保健所のある自治体に新型コロナ感染者の詳細情報を提供するよう都に求めるもの

✔ 必要な情報は自治体がしっかり把握するという、情報公開条例の精神に基づくもの

⭕️ 私(安竹洋平)の判断:賛成

⭕️ 以下の問題はあるものの、市内の情報を市が持つことは当然と考えるため賛成

⚠️ 小平市内のすべての感染者について即応性のある情報が得られない可能性がある

⚠️ コロナ禍に対する過剰な対応が、さらに過剰になってしまう可能性がある

概要

当「一人会派の会」の橋本久雄議員が筆頭提出者となり、政和会の鈴木洋一議員とともに、以下の内容で意見書を提出しました。審議は厚生委員会で行われました。

新型コロナウイルス感染者の詳細な情報の提供を求める意見書

小平市内の新型コロナウイルス感染者が増え続けています。しかし、感染者がどのような経過で感染したのか、在宅で療養しているのか、入院しているのか、年齢構成など、新型コロナウイルス対策に必要な情報を東京都は八王子市と町田市を除く多摩地域及び島しょ地域の自治体に提供していません。提供されれば小平市独自の対策も考えられます。
また、こうした情報を市民に公表することができます。

市民がこうした情報にアクセスできることは小平市情報公開条例でうたわれている公正で民主的な行政を確保するための基本です。
単独で保健所のある自治体は感染者の詳細な情報を市民に提供しています。23区及び八王子市と町田市です。

世田谷区の場合、以下の情報を区民に提供しています。
① 感染者の累計数、②感染者数の推移、③男女別の感染状況、④年代別の感染状況、⑤ 地域別の感染状況、⑥重症等の患者の状況、⑦死亡者の状況、⑧感染源の状況、⑨ 濃厚接触者の状況

小平市には、新型コロナウイルス感染者の詳しい情報を知りたいなどの問合せが寄せられているとのことです。小平市としても東京都に情報の提供を要請しているとのことです。

東京都市議会議長会は東京都に対し、新型コロナウイルス対策に関する意見書を提出し、以下のことを求めました。
1 各市に対して陽性患者数と検査対象者数について、早期に詳細な情報提供を行うこと。
2 各市のPCR検査等の体制に応じた財政支援の拡充を図ること。

よって小平市議会は、東京都に対し、以下のことを求めます。
l 小平市など、東京都が管轄している保健所に所属している自治体に新型コロナウイルス感染者の詳細な情報を提供すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

東京都知事 宛て

解説

意見書に書いてある通り、東京都が把握している小平市内の新型コロナウイルス感染者に関する情報を、小平市も把握しているのは当然のことと思います。他の議員が質問しているような、個人情報保護の問題や感染者が特定される可能性といった問題は情報管理上の問題であり、意見書の趣旨からすると、論点がずれています。

また、他の懸念もあります。一つは、たとえ全ての情報が得られても「有効な対策を取るために必要十分な情報が、必要なタイミングで手に入らない」可能性があることです。これでは情報が得られても有効に活用できません。

また、もう一つとして、そもそも私はコロナ禍に対する現状の様々な対応が過剰だと考えており、小平市が独自のPCR検査センター設置に補助金を出すことも反対でした。その立場からすると、有効な情報を得たとしても「過剰な対応を増やす」だけになるかもしれないという危惧があります。

しかし、そういった懸念より優先されるべき事項として、小平市内で起きていることに関する情報は、市が責任を持って積極的に把握すべきであると考えています。これはコロナ禍だけに限らない話で、市のスタンスに関することです。そういった理由から賛成しました。

主な質疑(発言順)

【注】 以下は要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。分かりやすくするため、実際の質問内容に修正を加えたところもあります。簡略化のため、敬語表現を省いている場合があります。実際はほぼすべての答弁において、敬語表現で回答がなされています。

厚生委員会の委員から、提出議員への質問

世田谷区の9つの情報開示があるが、小平市においてはどこまで開示すべきと考えているか。(他会派の委員)

個人的には、少なくとも世田谷区が開示している9項目と、静岡市が出しているような経緯・行動歴や、明石市が出しているような職業別一覧は入れてもらいたいと思っているが、それは小平市が決めることであり、全部通らないとダメだとは考えていない。今は東京都からの情報を基にしているので、東京都にもっと生の情報を開示してもらいたいということ。絶対に入れなくてはならない項目はない。(橋本 久雄 議員)


意見書の最初に「情報が提供されれば小平市独自の対策も考えられる」という一文があるが、独自の対策というのはどのようなものが考えられるのか。(他会派の委員)

例えば明石市の職業別グラフを見ると、高齢者と思われる無職が一番多い。無職は119人、会社員が96人、そういったデータになっている。例えば会社員であれば、職場で感染したのか、近くの居酒屋で会食をして感染したのかといった推計ができる。そこをめがけて適切な対策を打てる。(橋本 久雄 議員)


情報が提供された場合、それを何に使うのか。ホームページに公開するだけか、それを使って何か対策をする具体的な考えがあるか。(他会派の委員)

先ほど述べたようなことに使う。ホームページで公開すれば市民も色々な意見が言える。こういうところをもっと強化してほしいとか、市内の飲食店で感染した場合も対策を打つ幅が広がると考える。学生が多ければ、大学に対してそういう情報提供をして気を付けて欲しいとか、感染者が出たエリアをめがけてスポット的にアナウンスも恐らくできる。(橋本 久雄 議員)


世田谷モデルの9項目は必ず入っていなければ、今言ったような対策は打てないと思うが、この部分は必ず入っていて欲しいという考えの意見書か。(他会派の委員)

先ほど話したように、私は9項目と職業別や感染経路は入れて欲しいと思っているが、その点は小平市が決めることなので、そこまでこの意見書で拘束するものではない。その点はあくまで私の願望や要望であり、それがいいとか悪いとかについては、この場で意見交換する必要はないと考えている。(橋本 久雄 議員)


今、小平市では地域に関して公表していないが、ここで出たなどのうわさや風評は耳に届いている。公表しなくともそういう風評が出ていることについてどう考えているか。(他会派の委員)

たとえば学園西町とかそういう特定の仕方をすると感染者が分かってしまう危険性がある。個人的には、地域包括支援センターなどの5ブロックや7ブロックに分ける、東部地域や西部地域といった分け方がいいと思っている。(橋本 久雄 議員)


東京都から入手した情報を公開することについて、個人情報保護条例との兼ね合いは。(他会派の委員)

情報公開条例の精神を押さえた上で、自治体としてどう情報提供していくかがこの意見書では問われている。これは小平市に対する問題提起であり、あくまでも東京都に対する情報提供の意見書。(橋本 久雄 議員)


もし市で出した情報が感染者の特定につながった場合に、その責任はどのような形でどこがとると考えているか。(他会派の委員)

特定された場合は市が責任を問われると考えている。そのため市は市民への情報提供を抑制的にならざるを得ないことは十分理解している。世田谷区は地域別の感染状況を出すが、小平市は出さないという判断になることも当然あると思っている。(橋本 久雄 議員)


東京都に対する情報公開の内容として受け止めたが、その割には、文面の中身が詳細にわたっているという印象を受けた。例えば世田谷区の事例で項目を挙げているとか、詳細を羅列しているので、小平市としてこういう活用をするのではという懸念を持った。この部分は削除することを容認できるか。(厚生委員会委員長)

具体的にどこを修正して欲しいという意見があれば検討は可能。(橋本 久雄 議員)


「可能な限り」詳細なといった記載を加えたいと思うが、どうか。(厚生委員会委員長)

その点についてはお断りする。「可能な」という点については東京都が判断することになる。持っている情報は全て公開するというのが情報公開条例の精神。公開する側が公開内容を判断してはいけないというのが情報公開条例の精神なので、そういう書き方はできない。(橋本 久雄 議員)

😤「可能な限り」なんて文言をつけたら、意見書を出す意味がなくなりますね。

厚生委員会の委員から、理事者(市役所)側への質問

小平市は東京都に情報提供の要請をしているか。(他会派の委員)

コロナウイルスの感染拡大が始まってから、事あるごとに、小平市だけではなく各市町村が、もう少し詳細な情報が欲しいと電話やメールで東京都に伝えている。その中の一つとして、週報という形で詳細の情報が東京都から来るようになった。その前段として東京都から各市町村に情報提供の問い合わせがあった。小平市としては、入院、宿泊、自宅療養の内訳、退院、療養終了、死亡の内訳等について、終端に出何月何日現在と言う形で公表できるような情報をもらえないかと要望を東京都に出している。今回それに基づき、年代、性別、接触歴、海外渡航歴、療養状況等の情報が週単位で来るようになり、我々が要望した情報については東京都から届いていると認識している。(櫻井 健康推進課長)


情報を持つということは大きなパワーを持つということ。市としてPCR検査センターに予算をつけている状況で、小平市で起きていることなのに、東京都にしかない情報がある状況は問題。本来市長が答えるべき質問だが、市として、東京都の方に必要な情報を持たせた状態で良いのか。

自治体として、自分たちのことは自分たちでしっかりやっていこうという前提があるなら、その前提となる一番重要な情報というところをしっかり全て把握してなければならない。市のスタンスはどこにあるか。(安竹 洋平)

なかなか難しいところがある。感染者情報は、小平市の感染者が必ず小平市の保健所圏域、北多摩北部圏域、ここで全部発生しているか、情報が来ているかというと、そうでもない部分がある。例えば都内の方で勤めていて、都内の会社の方の近くの病院で検査をする、そうするとその圏域内の保健所が管理するようだ。そういう状況があるため、過去の感染者の入り繰りが、市町村、小平市民なのに別の市町村にカウントされている状況も出ている。そういう中で、本当に詳細な情報がその都度感染者が出るたびに小平市に詳細情報が入ってくるかということも、正直疑問なところがある。市として全体の詳細な情報をタイムリーに把握するというのが難しいのではないかというところが、実際の状況。タイムリーな詳細な情報を逐一把握するのは東京都でもなかなか難しいところ、小平市としてもそれが本当に正しい方向なのかというのは難しいところと考えている。(櫻井)

🤔 櫻井課長が言っていることも理解できます。小平市の保健所が把握するすべての情報が入ってきたとしても、それは不完全な情報です。他の圏域にある保健所の情報がまとまるまでの間に、感染は広がるかもしれませんし、逆に落ち着くかもしれません。しかしそれでも、市の保健所に入ってくる情報をリアルタイムに把握することは、市が市内の情報を把握しているという意味において意味があります。


小平市として、東京都から得ている情報は十分なものと考えているのか。(安竹 洋平)

情報は現在市のホームページ等々を通じて公表している。クラスター等があれば情報が入ってくるが、今のところはない中で現在公表できる部分の都からの情報提供は現在の情報で十分と考えている。(櫻井)


クラスターが発生したときに、都から回ってくる情報がこれでは足りないとなったら、その時点でまた都に要望を出すことにならないのか。(安竹 洋平)

クラスターが発生した場合は、感染経路、地域、場所、何人くらい、どういう形で、濃厚接触者がいるか、といった詳細情報が来ることになっているため問題ないと考えている。(櫻井)


橋本久雄議員が述べているように、保健所から情報をそのままもらえばいいのではないか。(安竹 洋平)

都のほうも小平市民が、どこの医療機関なり保健所圏域で検査をしたか、陽性が起きたかはタイムリーに把握できない状況がある。数日間遅れがあったり、随分前にカウントされたものが実は小平市民だったとか情報が錯そうする部分がある。東京都の情報を生でそのままもらうのは簡単にはそうだねということは難しい。(櫻井)


小平市として、情報を主体的に持っていたいのか、それとも東京都がくれるものを待っていればいいというスタンスなのか。(安竹 洋平)

現状は東京都から9月から週単位で情報が来ることになり、現在のところは今の情報で充足していると考えている。(櫻井)


現在のところはということは、将来的には情報が不足する可能性もある、そのときにはまた東京都に要望をして情報をもらうという方針と理解してよいか。(安竹 洋平)

この後の状況がどうなるかは誰にも想像できないので、その時の状況によって必要な情報をもっとくれということになれば要望をする可能性はある。(櫻井)


都からもらっているデータのうち、現状小平市で公表していない項目は。(他会派の委員)

海外渡航履歴と性別。今の状況で海外渡航履歴は個人の特定につながる可能性が高いため。性別は八王子市も出していないことから。(櫻井)

取り扱いについて

  • 生活者ネットから継続の意見:🔄継続

    • 担当課として、現在は十分な情報が得られている
    • 意見書にある入院・在宅療養のところは市で情報を得ているとのことで修正について慎重に内容を考えたい
  • 一人会派の会(安竹)からの意見:🙋‍♂️採決

    • コロナ禍に対応ということで緊急性が高いため、早く決めるべきこと
    • 毎回そうだが、意見書についての修正はその時々に提案して欲しい
    • 市の方で情報が足りていると判断するなら、採決で反対して欲しい
会派継続への賛否
一人会派の会❌ 反対
政和会❌ 反対
公明党⭕ 賛成
フォーラム小平❌ 反対
共産党⭕ 賛成
生活者ネット⭕ 賛成

可否同数で、委員長(公明党会派)判断により継続審査になりました。

😤 この意見書は9月8日には提出されているものなので、この委員会(9月16日)の時点で判断が出ないというのは準備不足ではないでしょうか。事前にいくらでも担当課に確認することはできますし、議員の姿勢としてどうなのかと思います。