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就学相談・通級指導について

就学相談員が作成する報告書とは

Section titled “就学相談員が作成する報告書とは”

就学相談の進め方とスケジュールについては、次のサイトに資料があります。

就学相談員が、就学支援委員会に相談内容を報告する際、報告書を作成します。その報告書の様式は東京都教育委員会が定めており、次のサイトに資料があります。

特別支援教室申し込みに医師診察記録が必須とされている理由

Section titled “特別支援教室申し込みに医師診察記録が必須とされている理由”

東京都教育委員会が定めた「就学相談の手引き」に、必要な資料のひとつとして医師診察記録が記載されています。

また、「令和3年度 就学・転学相談手続及び留意点について」というスライド資料(P18)には、次のように記載されています。

就学支援ファイル作成の留意点

様式3 医師診察記録の提出について

総合的な判断の一つである専門家(医師)からの意見を確認するための書類であるため必ず提出すること。

検査結果、行動観察記録等では代用はできない。

愛の手帳など障害の有無が分かる書類の写しがある場合は、受理のみ。

様式3の提出後、都の相談と手続きを開始する。様式3は、就学相談のために取得した最新のものを提出。

様式3は、上記サイトに掲載されているこちらの様式集にあります。

なぜ医師診察記録が必要とされているのか、それ以上の理由が書かれているところは見つかりません。客観性を確保するために必要としている可能性があります。

小平市は、この手引きにしたがって、学校施行令(?要確認)を作成しているそうです。

通級による指導が不適当とされる理由

Section titled “通級による指導が不適当とされる理由”

通級による指導に関しては、たとえば次のサイトにまとめられています。

通級による指導が不適当(不可)という判断が出る理由を、私がこれらの資料を読み、また担当課に聞いた範囲で解釈すると、次の6点になります。

  1. 知的障害の場合
  2. 障害の状態・状況が変わり、通常の学級での指導が適切と判断された場合
  3. その他環境が変化し、通常の学級での指導が適切と判断された場合
  4. 今後1年間の具体的な指導方針や指導計画が明確にならない場合
  5. 今後1年間、通級に通っても指導目標が達成できないと判断された場合
  6. 不登校になった場合

それぞれについて解説します。


次のように「知的障害者は通級指導の対象ではない」とされています。

なお、知的障害者については、知的障害者に対する学習上又は生活上の困難の改善・克服に必要な指導は、生活に結びつく実際的・具体的な内容を継続して指導することが必要であることから、一定の時間のみ取り出して行うことにはなじまないことを踏まえ、現在、通級による指導の対象とはなっていません。

文部科学省:3 通級による指導の制度的位置付け

そのため、知的障害があると判断された場合、通級での指導は不適当となるようです。その後、知的の固定級に通うかどうかは、本人や保護者の意向が最も重視されます。知的の固定級に通わない場合、通常の学級に通うことになります。

2. 障害の状態・状況が変わり、通常の学級での指導が適切と判断された場合

Section titled “2. 障害の状態・状況が変わり、通常の学級での指導が適切と判断された場合”

次のように、「通常の学級で指導が受けられる状態になった」と判断された場合も、通級による指導が終了となります。

次に、通級による指導を受けている場合に、その児童生徒の障害の状態等を適切に把握し、その変化等に応じて、柔軟に教育措置の変更を行うことができるように配慮することが必要です。つまり、仮に言語障害者の場合であれば、その障害の状態が改善され、通常の学級でほぼ支障なく授業を受けることができるようになった場合には、通級による指導を終了して、通常の学級ですべての授業を受けるようにするということです。

文部科学省:3 通級による指導の制度的位置付け

なお、この理由により通級指導が終了する(退室する)児童・生徒の割合は、自治体によって0%から20%の範囲だそうです。小平市の割合がどれくらいなのかは分かりませんので、今後確認します。

特別支援教室は、学校での学習上又は生活上の困難さを改善・克服し、通常の学級のみで学校生活を送れるようにすること(退室すること)を目的としているが、目標を達成して退室する児童・生徒の割合は、おおむね0%から20%まで、区市町村によって大きな差がある。

東京都教育委員会:特別支援教室の運営ガイドライン参考資料・特別支援教室の入退室等検討委員会報告書(令和2年12月)

3. その他環境が変化し、通常の学級での指導が適切と判断された場合

Section titled “3. その他環境が変化し、通常の学級での指導が適切と判断された場合”

また、資料には次のようにも記されています。

なお、通級による指導の対象とすることが適当な児童生徒の判断に当たっては、障害のある児童生徒に対する教育の経験のある教師等による観察・検査、専門医による診断等に基づき教育学、医学、心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うことが必要です。

文部科学省:3 通級による指導の制度的位置付け

「観察・検査・診断等により」という部分は、さまざまなケースがあると思われます。聞くところによると、たとえば多動性障害のように見えても、発達障害ではなく、その子を取り巻く環境が原因になっている場合もあるそうです。そういう場合、環境が変わって落ち着く可能性が考えられるようだと、通級による指導が適当ではないと判断されることもあるようです。

4. 今後1年間の具体的な指導方針や指導計画が明確にならない場合

Section titled “4. 今後1年間の具体的な指導方針や指導計画が明確にならない場合”

5. 今後1年間、通級に通っても指導目標が達成できないと判断された場合

Section titled “5. 今後1年間、通級に通っても指導目標が達成できないと判断された場合”

この4と5は、かなり重要なポイントだと思います。通級での指導には「原則1年間」という縛りがあります。1年を超え、延長して通級に通うためには、次の要件をすべて満たさなければなりません。

  1. 当年度の指導目標が未達成であり、同様の指導目標で指導を継続する必要がある。
  2. 指導期間延長後の具体的な指導方針や指導計画等が明確である。
  3. 延長後1年以内で指導目標が達成できる見込みである。

特別支援教室の入退室等検討委員会報告書(令和2年12月)

つまり、何らかの理由により、「延長後の具体的な指導方針や指導計画が明確にならない」場合や、「指導目標が達成できないと判断された」場合は、その1年間で通級による指導は終了し、通常の学級へ移行することになります。

しかし、この条件に当てはまらず、退室となった子どもたちの行き場については、資料にはなにも記載されていません。どういうことでしょうか…。

不登校児について、次のように記されています。

不登校である児童・生徒の特別支援教室の利用について、文部科学省は、特別支援教室の対象となるのは「通常の学級の授業におおむね参加しており、障害により一部特別な指導を必要とする場合である」という見解を示しており、また、「不登校の解消を主たる目的に置く場合は、別室登校等の『通級による指導』以外の枠組みによる登校支援を行うことが適当」との見解を示している。

不登校に対する支援のニーズが生じた時、それを特別支援教室の専門性で対応するというよりは、在籍する学校の登校支援等に関して、専門性を有する機関につなげたり学校全体として対応したりするなどの取組が求められる。特別支援教室の制度や事業趣旨をしっかり押さえたうえで、不登校の児童・生徒に対してはどのような支援が用意できるのか、各区市町村の不登校対応の部署等と連携を図って適切に対応する必要がある。

特別支援教室の入退室等検討委員会報告書(令和2年12月)

つまり、不登校児については、各市区町村の対応によるものの、文部科学省の見解としては「通級による指導は適当ではない」としているため、多くの自治体では通級での指導は不適当としていると思います。


以上の6点が、私がいまのところ把握している、通級での指導が不可と判断される理由です。これ以外にもあるかもしれません。

それ以外に、通級での指導が終了する場合

Section titled “それ以外に、通級での指導が終了する場合”

また、本人や保護者が通級での指導を受けたくないと判断した場合も、通級での指導は行わないことになります。

本人と保護者がその理由を理解・納得できるように

Section titled “本人と保護者がその理由を理解・納得できるように”

通級での指導が不適当(不可)と判断した際には、次のことが非常に重要です。

  • その判断に至った情報を可能な限り保護者に開示すること
  • 本人と保護者がしっかり理由を理解・納得できるまで説明を行うこと

時間をかけて説明しても、本人と保護者が理解・納得できないような場合は、制度自体に問題があるのではないでしょうか。

次の資料(再掲)には、さまざまな課題も示されています。

次に引用するとおり、文部科学省は平成24年の時点で、自治体が設置している「就学指導委員会」の名称を「教育支援委員会」に変更することを推奨しています。

現在、多くの市町村教育委員会に設置されている「就学指導委員会」については、早期からの教育相談・支援や就学先決定時のみならず、その後の一貫した支援についても助言を行うという観点から、「教育支援委員会」(仮称)といった名称とすることが適当である。「教育支援委員会」(仮称)については、機能を拡充し、一貫した支援を目指す上で重要な役割を果たすことが期待される。

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)

小平市ももともと「就学指導委員会」だったものが、平成23年あたりから「就学支援委員会」という名称に変更されたようです。

聞くところによると、「指導」のときは、どちらかというと本人や保護者の意向ではなく指導上の観点から就学先が決められるというイメージでした。それが「支援」になってからは、本人や保護者の意向が重視されるようになっているとのことです。