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本人や保護者の声

ディスレクシアのことを知るうえで最も大切なのが、本人や保護者の生の声です。ここでは書籍や報道から、印象的な言葉を引用して紹介します。

何を言っているのかピンとこないものを自分に理解できるように言いかえるというのはずっと難しかった。本当にわかるまで同じ文を二、三度読み返すことはよくあった。語の配置をあれこれ変えて音読し、やっと意味がわかり始める。

— 『私のディスレクシア(フィリップ・シュルツ)』 📖 私のディスレクシア(東京書籍)

ひらたく言うと、書かれた文字を見て脳が認識して言葉として理解するのに、すごく時間がかかるんです。ひとつの言葉を認識するのに、3秒くらいかかることもあります。疲れていたり、ストレスがかかった状態だと、さらに文字の認識が難しくなります。ひらがなやカタカナが並んでいると、魔法の呪文でも見ているみたい。

— 『僕が手に入れた発達障害という止まり木(柳家 花緑)』 📖 僕が手に入れた発達障害という止まり木(幻冬舎)

これがノーマルなんだろうなと思っていた。何でみんなこんなにきれいな字が書けるのかなと。書くのが遅いし、汚いし、それでいじめられることもあった。みんながいつも言うのは「どうしてできないの」。お母さんとお父さん以外。

— 「文字がゆがむ…消える」読み書き障害 ディスレクシア 少年の学び(NHK)

僕の場合、疲れたりストレスがかかると、普段よりなおさら読み書きが難しくなります。それだけではありません。脳の疲労が肉体的な疲労につながり、ときには倒れてしまいます。

— 『僕が手に入れた発達障害という止まり木(柳家 花緑)』

字と「音」や「意味」を結び付けることはかなり苦手だけど、字そのものを書くのはけっこう好きなんですね。たぶんこのあたりの感覚は、同じ「識字障害」と診断された人でも、個人個人で違いがあるのでしょう。

— 『僕が手に入れた発達障害という止まり木(柳家 花緑)』

高学年になると読むことの苦手意識が強く、意欲につなげにくかった。

— 小平市の保護者の声

親子で国語教科書の音読が苦痛以外のなにものでもありませんでした。今まで私がどれほど私のペースで音読を強要して進めていたかとハッとさせられた。

— 小平市の保護者の声

誰かに読んでもらって勉強しなくてはいけなかったので、勉強時間も限られてしまうし、読んでくれるようにお願いしないといけなくて、辛そうだった。

— 小平市の保護者の声

学校での音読は、うまく読めないとダメだという雰囲気があるようで、そうなると気持ちが荒れ、とても内容の理解までは難しい。読めなくはないけど、頑張らないと、少し、しんどい。

— 小平市の保護者の声

何か支援のことで相談すると、必ず校長先生、副校長先生、養護の先生と、四者面談のような形になる。疲れてしまう。毎回担任が変わる際に引継ぎがない。

— 小平市の保護者の声

電子辞書、学校の教育は私たちのころと何も変わっていません。辞書も紙で引きなさいと、宿題も漢字の熟語も、必ず辞書でひきなさいと。それは大変なことです。一方、塾では辞書をひくなと言われます。

— 小平市の保護者の声

もっと楽に、楽しく勉強できる方法はいくらでもあります。いまの子どもは、家に帰ればスマホも、タブレットもあって、でも学校に行くと…。結局電子辞書、iPadなどお金がどんどんかかります。

— 小平市の保護者の声

デイジー教科書とタブレットの力

Section titled “デイジー教科書とタブレットの力”

iPadでスピーチ機能を使い、kindleアプリで読み上げようとしましたが、ロシア語や中国語で読み上げたりします。読み間違えは小学生には厳しいです。デイジー教科書はオーディブルと違って、音と文字が一致していくため、音読の練習になります。2から3回読むと、後はスラスラ読めます。

— 小平市の保護者の声

毎週図書の授業があり、司書の先生がつきます。でも、本人は読むことが困難なため楽しくない。そこで本人に次の選択をしてもらいました。①授業を受けない ②司書の先生にお勧めの本を見繕ってもらい、持ち帰って母に読んでもらう ③タブレットを持ち込み、デイジー図書など音声で読めるものを持ち込む——3がよいとなりました。

— 小平市の保護者の声

本人は一生懸命やってもできない、自信をなくしていく、転落していきそうなところをなんとか頑張っているのに、学校にタブレットの持ち込みやデイジー教科書を使うことがダメだといわれてしまうと…。

— 小平市の保護者の声

障害の中でも特殊と感じる。診断された時点で医師の手を離れてしまい、アスペルガーや情緒障害のように薬を飲むこともなく、療養的なこともない。学習障害は、医療か、教育か。なんとなくわかったのは、脳の検査として診断は医療。勉強の困りごとは教育。学校の現場ではディスレクシアのことを知らない、ほとんど分かっていない。まず教科書に困りました。

— 小平市の保護者の声

小学校のころは努力してもそれが水の泡で戻ってこない。(タブレット端末を使うことで)今は努力した分だけ戻ってくるので頑張れるかな。

— 同上

受け入れたとたん、ものすごく大きな変化が起きました。それまで「自分はダメだ」「できないんだ」と思っていたのが、そうではない。識字障害のせいだとわかったときの安堵感。精神的にものすごくラクになりました。

— 『僕が手に入れた発達障害という止まり木(柳家 花緑)』

私はわざと困らせたり、忘れたり、遅れたり、黙りこんだり、バカなふりをしたことは今まで一度もない。しかし、私のLDの結果としてそういうことがよく起こった。

— 『私のディスレクシア(フィリップ・シュルツ)』

タブレット・デジタル支援の力

Section titled “タブレット・デジタル支援の力”

(タブレットが)なかったらほとんど持っている力を出しきれない。同じスタートラインに立てない。

— 「文字がゆがむ…消える」読み書き障害 ディスレクシア 少年の学び

「読める」というものがあると、読むことに対するモチベーションがこんなにも変わる。

— 保護者の声より


本を読むのは好きなのに、ほかのことは問題なくできるのに、なぜ字が書けないの? 小学校に入学して漢字の練習が始まると、とたんにつまずき、宿題にものすごく時間がかかるようになりました。

— 「40人に3人は、字が書けないの? 発達性読み書き障害の息子を漫画にした母の思い」

法律で決まっていることが、現場で実行されていないことはどうすればよいか。文科省に伺うと「指導権限がない」。都に伺うと「市に対する指導権限はない」。文科省は法律を整えるけれど、それがどうなったかについては現場任せ。やっていなくても権限がないということが分かった。

— 小平市の保護者の声

合理的配慮というのを勉強して分かりましたが、何かを使いたいといった「手段」を訴えるのではなく、あくまでも「目的」を伝えることが重要なのだなと。教科書を使った授業に参加したいのです、と。

— 小平市の保護者の声

結局電子辞書、iPadなどお金がどんどんかかります。経済的な格差、障害があることによって格差が広がってしまいます。誰もが等しく教育を受けられると思っていましたが、そうではないと分かりました。

— 小平市の保護者の声

子どもの一年はあっという間です。「一年審議します」は、子どもにとっては大ダメージとなります。もっとスピーディーにご対応いただけないかと思います。

— 小平市の保護者の声

『彼らはたいてい、苦手なことを一生懸命練習しています。読み書きなどが苦手でも、人一倍練習をすれば力は伸びていきます。家族や学校の先生はその姿をみて「成長している」と感じます。しかし本人は、ほかの子に比べて自分の学習速度が遅いため「こんなに努力しても追いつけない」と感じてしまいます。そして家族や先生が安心するいっぽうで、本人は徐々に自信を失い、学ぶことに意欲をもてなくなっていくのです。それがときには不登校につながることもあります。そうなる前に、その子に合った学び方を考えましょう。』

— 『発達障害の子を育てる本 スマホ・タブレット活用編』(保護者による引用) 📖 発達障害の子を育てる本 スマホ・タブレット活用編(講談社)

子どもには、障害が分かったときにすべてを説明しました。誰が悪いわけではない。障害を理由に、なにひとつあきらめることはなく、やりたいことをやればよいと。それでも、ときどきくじけそうになるときがあるので、知的には問題ない、読めないだけ。いまはいくらでもそういう機会がある、社会に出ればどうにでもなる。しかし、初等教育で心が折れて力が尽きてしまうと…。

— 小平市の保護者の声


これらの声が示しているのは、 「適切な支援と環境さえあれば、子どもたちは伸びられる」という事実 です。同時に、支援が届かなければ取り返しのつかないダメージを受けるという警鐘でもあります。