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(1)公文書改ざん疑いに関する新事実と、様々な問題について

令和8年6月4日に行った4件の一般質問のうちの1件目です。

学校いじめ対策委員会の協議録について、令和5年6月の開示分と令和8年5月の公開分を比較したところ、同じ電子データ版(以下、電子版と表記)であるはずの記録に1行削除されているという差異があることが判明しました。また、紙媒体版(以下、紙版と表記)と電子版の記録の間にも大きな差異があり、いじめ認定に関する記述の有無など、調査の方向性や裁判結果を左右し得る重大な違いが存在します。公文書管理のずさんさと改ざん疑いについて追及しました。

答弁では、電子版と紙版の差異は「生活指導担当者が会議資料にメモを加えていたもの」と「管理職が後から整えた資料」の違いによるもので、改ざんではないとされました。しかし、当初の記録に手を加え、いじめ認定に関する重要な記述が欠落したのであれば、改ざんと言わざるを得ないのではないでしょうか。いじめ認定の有無によって、いじめ重大事態の調査対象となる行為が変わり得ますし、電子版が裁判資料として提出されている以上、裁判結果にも影響を与えた可能性があります。しかも学校はこれまで被害側保護者に対し「まだ誰が加害なのか判明していない」と説明してきたとのことですから、紙版にあった加害側児童の名前や「いじめを認定する方向で進める」という記述が電子版から消えていた事実は極めて重いと言えます。

さらに驚くべきことに、いじめ重大事態の調査に当たった小平市教育委員会いじめ問題対策委員会は、学校いじめ対策委員会の協議録を一切参照していませんでした。ガイドラインに明記がないとの答弁でしたが、学校いじめ対策委員会の記録は重大事態調査のベースとなるべき情報であり、これを参照しないのは職務怠慢と言わざるを得ません。これまでも指摘してきたことに加え、調査が尽くされていないことは明らかで、被害者や保護者が望めば再調査が必須の状況だと考えます。また過去に市で行われたすべてのいじめ重大事態調査についても同様の調査不備が起きていることになります。

質問 答弁概要(クリックで詳細)
① 電子版の差異も調査した? 市保管資料では差異を確認できず。
 ↳ 資料を渡すので再調査を 請求者の意向があれば対応。
② 電子版の保管状況は? 管理職用端末内に、編集履歴が残らない形で保管。
③ 編集履歴なしの公文書保管は許される? 条例に記載なく、各課で必要性考え保管法を判断。
 ↳ バージョン管理導入の課題は? Word校閲機能をガイドライン等作成時のみ使用。
 ↳ 現状では公文書編集を防げない? 起案前は編集可、起案後は条例第4条に従う。
④ なぜ第4回協議録が開示されない? 電子版なし。紙版は本年4月末に交付済み。(実際は第4回分の交付なし)
⑤ いじめ重大事態調査委は電子版と紙版どちらの記録を参照? いずれも参照せず、校長報告書等のみ。
 ↳ 基本的な記録なのに参照してない? ガイドラインに明記なし。関連資料を提出。
⑥ 「いじめ認定」が電子版にはないが? 紙版は担当者メモ、電子版は管理職が整えた資料。改ざんではない。
 ↳ 調査委はいじめ認定の事実を把握していた? 紙版には「いじめ認定の方向で進める」と記載あり。
 ↳ 委員は知っていた? 個別に把握していない。
 ↳ 調査委の職務怠慢では? いじめ問題対策委員会の判断に委ねている。
 ↳ 市は調査委の判断材料を調べられない? 議事録で確認可能。必要なら委員長にも確認。
⑦ なぜ重大事態要望の記載が紙版にない? 差異の理由・経緯は不明。把握も困難。
⑧ 表現差の背景調査はした? 体裁を丁寧にした理由は確認できず。電子版は会議後に整えたもの。

学校いじめ対策委員会の記録を求めた開示請求と公開請求に対し、それぞれ異なる文書が開示・公開され、改ざん疑いが出ている。本年5月の請願第18号審査でも問題の一端が示され、資料の比較で新事実も判明。改ざん存否は警察判断としているため聞かないが、それ以外の問題について問う。


① 電子版の記録にも差異がある理由を調査したか

Section titled “① 電子版の記録にも差異がある理由を調査したか”

学校いじめ対策委員会協議録の改ざん疑いに対し、市教委は電子版と紙版の2つの記録の差異によるものとした。しかし同じ電子版の記録でも、令和5年6月の開示分と令和8年5月の公開分に明確な差異がある。つまり電子版の記録は1回以上編集されていたことになる。

この事実を調査したかを含め、市教育委員会の見解を伺う。

市で保管されている令和5年6月の開示決定資料と先月の一部公開決定資料を見比べたところ、お示しされたような差異は確認できなかった。

改ざん疑いの新旧比較

学校いじめ対策委員会の協議録は、ほぼ全校で作られていなかったり残っていなかった。これは数少ない残存していた記録のひとつだが、左側が令和5年開示、右側が令和8年公開の同一文書。どちらも電子版記録とされるもの。左側は箇条書きが2行で1段だが、右側ではこの1行がない。明らかに編集されている。

明らかな差異だが、どうか。

市で保管している公文書を確認した限りでは差異は確認できなかった。開示文書は保有個人情報の開示請求に関するものなので、請求者から意向が示された場合には個別に対応する。

電子版で保存されていても編集されていたことになる。資料を渡すので調査してもらいたいが、どうか。

開示請求された請求者から意向が示された場合には個別に必要な対応をする。

② 電子版の具体的な保管状況は

Section titled “② 電子版の具体的な保管状況は”

電子版の記録の具体的な保管状況はどうだったか。たとえばWord文書が担当者のPCに保存され、長期の編集履歴は残らない形で保管されていたのか。

本年1月から2月にかけて、関係者への聞き取り調査及び対象となる学校への現地確認をしたところ、当該の電子版は、管理職用の端末内に、編集履歴が残らない形で保管されていたことを確認している。


③ 編集履歴を追えない形での公文書保管についての統一見解は

Section titled “③ 編集履歴を追えない形での公文書保管についての統一見解は”

編集履歴を追えない形で公文書を保管することについて、市及び市教育委員会としての統一見解はあるか。

小平市公文書等の管理に関する条例などには、「当該実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該実施機関の事務及び事業の実績を合理的に跡づけまたは検証できるよう、文書を作成しなければならない」ことは定められている。しかし編集履歴に係る公文書の保管についての記載はない。各課において、その必要性を考慮し、保管方法を判断している。

バージョン管理システムを導入して重要な公文書が勝手に編集されないようにするとした場合の主な課題は。

文書の更新履歴を残す方法としてワード文書における校閲機能の使用が想定されており、ガイドラインや計画等の作成時など複数人での確認・修正を繰り返す場合のみ使用している。それ以外の文書作成では現在は使用していない。

現実的に対応できないという認識か

Section titled “現実的に対応できないという認識か”

重要な公文書はたくさんある。現状では誰かが担当者のPCの中で公文書を編集してしまう状況は発生し得る。今の状況では現実的に対応できない(仕方ない)という認識でよいか。

電子版は一定程度編集できる状態。起案前の文書である場合には編集も可だが、起案後の編集については条例第4条にしたがって対応することとなる。

バージョン管理システムの導入も検討する必要がある。

④ 第4回協議録は請求者へ開示されていないが存在するか

Section titled “④ 第4回協議録は請求者へ開示されていないが存在するか”

令和4年11月8日開催の第4回学校いじめ対策委員会協議録は請求者へ開示されていない。この電子版の記録は存在するのか。存在しない場合、代わりに紙版の文書を開示しなかった理由も含め、調査結果を伺う。

当該委員会に係る電子版の記録は作成されていないため開示していない。なお、当該委員会に係る紙版の記録については、昨年10月に公開決定を行った手続の中で初めて把握したものであり、すでに電子版を交付していた令和5年6月に保有個人情報開示決定を行った方に対しても、本年4月末に改めて紙版の資料を含めた形で交付している。

本当に公開(開示)されているのか。この1件だけが電子データ化されていないことも非常に気になる。


⑤ いじめ重大事態調査委は電子版と紙版どちらの記録を参照したか

Section titled “⑤ いじめ重大事態調査委は電子版と紙版どちらの記録を参照したか”

当該改ざん疑いの公文書は、いじめ重大事態の調査に係る重要な記録だった。小平市教育委員会いじめ問題対策委員会は、調査に際し、電子版と紙版のどちらの記録を参照したのか。紙版の記録を参照したのであれば、開示文書と内容が異なることに誰も気付かなかったのか。

重大事態の調査を開始した際の会議資料を確認したところ、電子版、紙版の記録については、いずれも含まれておらず、校長から提出された報告書、保護者等からの報告・相談等の記録及び保護者から提出された資料などの関連資料を用いていた。

学校いじめ対策委員会の話は、いじめ重大事態の対処のときにベースとなるような情報だ。それが参照されていないというのは驚きだ。

重大事態の調査を進める際、参照資料のリストを必ず作成するはずだ。学校いじめ対策委員会の記録は、基本的に参照する資料に含まれていないのか。「こういう基本的な資料は必ず用意すること」といったこと(決まり)はないのか。

ガイドラインの中に、必ず学校いじめ対策委員会の記録を入れなければいけないという表示はない。今回の場合には、関連資料の中に、いじめ防止対策推進法の規定による重大事態の発生についてという報告でまとめて提出されている。

どちらも参照していないのは驚き

Section titled “どちらも参照していないのは驚き”

いじめ重大事態の調査に対する姿勢があまりにも低いと言わざるを得ない。普通、誰でも、学校いじめ対策委員会のいじめのことが書いてあるんだから、それを取り寄せて調査のベース資料とするはずだ。驚いた。これは再調査をしなければならない。想定していなかった答弁なのでびっくりした。

⑥ 電子版には、いじめ認定という重要情報が欠落しているが

Section titled “⑥ 電子版には、いじめ認定という重要情報が欠落しているが”

被害児童の保護者がいじめ行為と認識して指摘していたにもかかわらず、教諭が加害児童を特定できず、最終的に調査対象とならなかった行為がある。保護者へ開示された電子版にはこの行為の記載がないが、改めて開示された紙版には、いじめを認定する方向で進めていくと明記されている。参照資料によって調査対象の判断が変わり得る重大な差異があるが、この状況に対する見解を伺う。

当該学校関係者への聞き取りによると、紙版は当時の生活指導担当者が会議資料にメモ書き等を加えファイリングしたもの、電子版は管理職が紙版の会議資料や会議でのやり取りを併せて整えた資料であるとのことから、改ざんではないと確認している。今後は複数の記録が併存しないよう指導する。差異の理由や経緯は不明で把握も困難。

学校いじめ対策委員会協議録の新旧比較一例

これは再び学校いじめ対策委員会の別の回の協議録。左側が電子版、右側が紙版で記録されていたとするもの。モザイクは私のほうで入れた。なお、左側の電子版は裁判資料として提出されている。

同じ対策委員会の記録なのに両者には大きな差異がある。

  • 紙版はタイトル部にいじめ対策委員会の回数が記載されているが、電子版にはない
  • 協議案件の欄、紙版は「○○の訴えについて」なのに電子版は「○○の訴えについての事実確認と今後の対応」
  • 参加者欄の「協議後、スクールカウンセラーに連絡し情報共有」は、電子版にしかない
  • 説明欄、電子版のほうが詳細に記載されている。

など。これは一例で11月2日に開催された第2回学校いじめ対策委員会の協議録。第3回から第7回までの協議録もすべて紙版と電子版で、今示したような差異がある。4回目の協議録は開示されていないが。

特に重要な差異として、紙版には「体調を崩す等苦痛を感じているのなら、いじめに当たることになる」とある。一方で裁判資料として提出された電子版では「体調を崩す等苦痛を感じている」で終わり、いじめ認定の記述が省かれている。被害側保護者に開示された電子版には「いじめを認知した」という情報が一切書かれていない。

被害側保護者によると、学校からは加害が誰だったのか、いまだに何の説明もないそうだ。当時の校長は「まだ誰が加害なのか判明していない」と説明をしていたという。真相究明のため被害児童が最もこだわり、何度も当時の校長、副校長と話し、調査依頼も書面で何度も出してこられた。それでも結局「加害が誰なのか分からない」として重大事態の調査対象にもならなかったそうだ。

しかし、後から出された紙版には、加害側児童の名前と思われる記述もあり、「いじめを認定する方向で進める」と明記されている。これは非常に重要な差異だ。

これだけの内容の差異と、保護者からのお話を併せて考えると「いじめ加害者の名前と、いじめ認定の方向で動いていたという事実を、被害側の保護者から隠蔽するために改ざんしたのではないか」とも思えてくる。

調査委はいじめ認定の事実を把握していたか

Section titled “調査委はいじめ認定の事実を把握していたか”

紙版にのみ記載されていた「いじめを認定する方向で今後進めていく」という記述を、市教育委員会いじめ問題対策委員会は知っていたのか。知らなかったのか。明確に答弁してほしい。

委員の方々がその文章のものを個別に知っていたかどうかまでは把握していない。

学校いじめ対策委員会の協議録を一切見ていないのだから、知らなかったのだと思う。明らかに調査の不備だ。なぜこの重要な紙版の記録を参照しなかったのか。職務怠慢と言える。調査が必要だ。調査しなければ、いじめ重大事態の調査自体がまったく信用できないものになる。

調査の結果については小平市教育委員会いじめ問題対策委員会が判断しているものであり、判断は同委員会に委ねている。

市は調査委の判断材料を調べられないのか

Section titled “市は調査委の判断材料を調べられないのか”

いじめ問題対策委員会が何を判断材料としていたかは小平市は調べられないのか。

重大事態の調査方針に関わり、使用した関連資料の一覧はあるので、確認できる。

知っていたか知らなかったかについては小平市は調査できないのか。

提出されている関連資料は多数あり、関連資料でどのように判断したのかは小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の判断に委ねている。

どのように判断したかではなく、知っていたか知っていなかったかだ。確認できるはずだ。

議事録等は残っているので、そういったところでの確認は可能かと思われる。

議事録以外では確認できないのか。委員長に確認できないのか。

まず議事録で確認させていただくことは可能。議事録で確認できなかったときには、そのときの判断で確認させていただく。

そのときの判断とは何を判断材料にするのか。議事録で確認できなかったという判断材料しかないはずだが。

議事録とともに、議事録で明確に分からないときには、提出された関連資料を確認させていただく。

これ確認しない限り本当に調査がしっかりできていないことになる。なぜ確認をかたくなに拒むのか。いじめの調査をきちんと終わらせ、二度と再発しないようにするのが目的だ。組織の都合が優先しているように見える。再調査をきちんとしなければいけない。

⑦ 保護者の重大事態対応要望の記載が紙版にない件

Section titled “⑦ 保護者の重大事態対応要望の記載が紙版にない件”

令和4年11月2日開催の協議録について、電子版の記録には保護者から重大事態として扱ってほしいと要望を受けた旨の記載がある。しかし紙版の記録にはいじめ重大事態に関する記述が一切ない。保護者から要望があれば原則としていじめ重大事態の扱いを始めなければならないにもかかわらず、この重要な記録が正本とされる公文書に存在しないことについて見解を伺う。

第6点目で答弁したとおり、一つ一つの項目における差異が生じた理由や経緯は不明であり、今後把握することも困難と考えている。小平市いじめ防止基本方針において、児童・生徒や保護者からいじめ重大事態についての申立てがあった際は重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たるとしている。

⑧ 電子版と紙版の差異について背景調査をしたか

Section titled “⑧ 電子版と紙版の差異について背景調査をしたか”

これらの差異は、裁判で不利になるから書き加えた可能性のほか、よかれと思って追記した可能性もある。いずれにせよ公文書管理上許されない行為ではあるが。

全体的に紙版では矢印記号が多用され、主語が不足し、ざっくりした記述が目立つ。一方、電子版では矢印記号がなく主語も明確で詳細。電子版は裁判資料としても使用されたため、開示した保護者への印象をよくするため、もしくは裁判を有利に進めるために改ざんしたと捉えられても仕方がない。これら背景調査をしたかも含め見解を伺う。

本年1月から2月にかけて当該学校関係者への聞き取り調査及び当該学校への現地確認をしたところ、紙版は当時の生活指導担当者が会議資料にメモ書き等を加え紙版でファイリングをしていたもの。電子版は紙版の会議資料や会議でのやり取りを併せて当時の管理職が整えた資料であることを確認した。そのため電子版は会議終了後に整えられたものだが、体裁や表現を分かりやすく丁寧にした理由については聞き取り調査からは確認できない。 体裁や表現を分かりやすく丁寧にした理由については聞き取り調査からは確認できない。