(3)改定されたいじめ防止基本方針の問題点について
令和7年2月28日に行った4件の一般質問のうちの3件目です。
小平市いじめ防止基本方針が改定され、請願に沿った改善があった一方で、重要な追加記載について説明がなされなかった問題を追及しました。被害側に対する別室学習・オンライン授業の記載があるのに加害側の別室指導や出席停止への言及がない偏り、不登校重大事態の判断主体が明示されていないこと、所見を一律非公表とする方針の不適切さ、パブリックコメントを実施していない問題などを指摘。市は「被害者を排除する認識はない」「慎重に検討した」と答弁しましたが、当事者の声を反映する機会がないことへの根本的な問題提起となりました。
| 質問 | 答弁概要(クリックで詳細) |
|---|---|
| ① 委員の選定方法の具体的内容は。 | 4月1日改選に向け、ガイドラインに沿い職能団体からの推薦等により任命予定。 |
| ② 報告書作成を委員が担当する方向か。 | 今後は事務局の補佐を行わないこととした。 |
| ③ 条例等で明文化するか。 | 条例等に規定する予定はない。 |
| ④ 被害側だけ別室学習・オンラインの偏り。 | 被害者を守り通す決意で記載。被害者を排除する認識はない。 |
| ⑤ 4の方針は誰の発案でどう決まったか。 | 担当部署が検討し、対策委員会に諮問し答申を受けて決定。 |
| ⑥ 1号・2号重大事態の判断主体は。 | 学校が発生報告時に判断し報告書に記載。調査主体は教育委員会が判断。 |
| ⑦ 学校調査の場合の第三者性明記は。 | ガイドラインに基づき第三者性は確保。方針への記載の必要なし。 |
| ⑧ 提言の具体化と初回報告は。 | 校内研修を年3回以上実施。初回報告は2月の教育委員会定例会で実施済み。 |
| ⑨ 所見を一律非公表とする方針の決定過程。 | 教育委員会で検討し対策委員会に諮問し答申を受けて決定。 |
| ⑩ 一律非公表は不適切では。 | 二次的被害のおそれ。国のガイドラインも所見までの公表を求めていない。削除予定なし。 |
| ⑪ なぜ生活文教委員会で説明しなかったか。 | 主にガイドライン改訂等を受けた追記内容の説明であり、所見非公表は説明対象外。 |
| ⑫ 請願第13号の内容を基本方針に含めるべきでは。 | 公文書管理条例に基づく記録は、いじめに限定されることではないため記載していない。 |
| ⑬ パブリックコメントを実施しない理由は。 | 基本方針はパブコメ対象となる計画や条例ではないため。 |
質問する理由
Section titled “質問する理由”改定方針の問題点
Section titled “改定方針の問題点”小平市いじめ防止基本方針が改定され、全会一致で採択された請願に沿い報告書の提言等を汎用性の高い施策として具体化し、取組状況を半年ごとに教育委員会定例会で報告することが決まった。対策委員会の委員選定方法の改善や委員交代の予定、報告書作成を委員が担うこと等も報告され、迅速な対応に感謝する。
しかし、今回の事務報告では説明がなされなかった重要な追加記載がある。これらの記載があることで、いじめ対応の抜本的改善がおろそかになり、いじめを許さないに反する内容ともなっているため、早急に修正いただきたい。また、そもそもこうした方針の策定に当事者の声を反映する機会がないことも問題である。
① 委員の選定方法
Section titled “① 委員の選定方法”今年度末に対策委員会の委員が交代する予定と聞いたが、その選定方法も含めた具体的内容は。
委員の任期は2年となっており、本年4月1日の改選に向け、国のいじめの重大事態の調査に関するガイドラインに沿い、職能団体からの推薦等により任命する予定である。
② 報告書作成の担当
Section titled “② 報告書作成の担当”報告書の作成は当初から対策委員会の委員が担当する方向と聞いたが、決定したのか。
これまでは教育委員会事務局が原案の作成の補佐を行っていたが、今後は補佐を行わないこととした。
③ 条例等による明文化
Section titled “③ 条例等による明文化”1や2に関し、条例等で明文化する予定か。
条例等に規定する予定はない。
④ 被害側別室学習・オンラインの偏り
Section titled “④ 被害側別室学習・オンラインの偏り”改定版の基本方針に、いじめを受けたことにより授業に参加できない児童・生徒に対して、別室による学習支援やオンライン授業等を実施するとある。一方で、加害側の別室指導や出席停止については一切言及がない。なぜ被害側が別室学習やオンライン授業を受けなければならないのか。加害者ではなく被害者を排除する内容となっているが、その偏りは理解しているか。
学校がいじめを受けた対象児童・生徒を徹底して守り通すという決意で、対象児童・生徒に対する心のケアや必要な支援を記載したものである。関係児童・生徒への指導及び支援についても継続的に取り組むことが必要であると捉えており、被害者を排除する内容であるとの認識はない。
⑤ 方針の決定過程
Section titled “⑤ 方針の決定過程”法や国のガイドライン等には該当の記載がない一方、改定版に記載のない加害側の別室指導や出席停止は法律に記載がある。この4の方針は誰の発案で、どこでどう議論され決まったか。
担当部署が中心となり検討を進め、関係課とも連携を図りながら組織的に作業を進めてきた。その後、改定案について対策委員会に諮問し、その答申を受けて決定した。
⑥ 1号・2号重大事態の判断主体
Section titled “⑥ 1号・2号重大事態の判断主体”改定版に「不登校重大事態については、原則として学校主体で調査を行う」とあるが、第1号と第2号の区別は誰がどのタイミングで判断するのか。特に申立てによる重大事態で判断主体が明示されていない。判断が曖昧な事案について調査組織の構成をどう決めるのか説明を求める。
いじめ防止対策推進法第28条の規定により、学校が重大事態発生の報告を教育委員会に行う際に、事案の内容や対象児童・生徒の状況等を踏まえ判断し発生報告書に記載している。調査主体の決定については、国のガイドラインに基づき教育委員会が判断している。
⑦ 学校調査の場合の第三者性明記
Section titled “⑦ 学校調査の場合の第三者性明記”学校が調査する場合の組織構成について説明がない。この記載では第三者を入れた調査は必要ないと考える学校が出てくる可能性がある。国のガイドラインに従い調査組織の第三者性について明記を求めるが、市の見解は。
国のガイドラインでは、第三者とは当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない者とされている。現在、本市の調査においてはガイドラインに基づき第三者性が確保されているため、基本方針への記載の必要はないと認識している。
⑧ 提言の具体化と報告
Section titled “⑧ 提言の具体化と報告”これまで報告された報告書の提言は具体化するのか(したのか)。半年に1回報告する初回はいつか。
提言のあった内容については真摯に受け止め、教職員を対象に年間3回以上の校内研修を実施し、いじめをしない、させない学校風土の醸成を図る等の施策として実施している。初回報告は、今月20日の教育委員会定例会において報告した。
⑨ 所見の一律非公表の方針
Section titled “⑨ 所見の一律非公表の方針”改定版に「対象児童・生徒及び保護者による調査結果に係る所見をまとめた文書については公表しない」とある。国のガイドラインでは公表の可否を示していない。この方針は誰の発案でどこでどう議論され決まったのか。
教育委員会において検討し、基本方針改定案として対策委員会に諮問し、その答申を受けて決定している。
⑩ 一律非公表の不適切性
Section titled “⑩ 一律非公表の不適切性”所見をまとめた文書は内容に応じて公表の可否を判断すべきであり、基本方針で一律に公表しないとするのは不適切ではないか。この方針部分は削除すべきと考えるが、市の見解は。
所見を公表することで、加害者側への誹謗中傷など二次的な被害が及ぶおそれがあるなどの課題がある。また、国のガイドラインにおいても、公表を求められているのは対策委員会の責任で作成された調査報告書であり、被害者側の所見についてまで公表を求めているものではない。これらのことから、被害者側の所見を公表しないとした記述について削除する予定はない。
⑪ 委員会での説明欠如
Section titled “⑪ 委員会での説明欠如”報告書作成中の保護者から所見公表の要望があり、請願事項としても当初議論され重要な論点だった。なぜ1月の生活文教委員会事務報告で主要な追加点として説明しなかったのか。
今回の報告は、主に国のガイドラインの改訂及び請願第7号が採択されたことを受けて追記した内容を説明したものであるため、調査結果に係る所見をまとめた文書を公表しないことについては説明しなかった。
⑫ 請願第13号の内容反映
Section titled “⑫ 請願第13号の内容反映”全会一致で採択された請願第13号の文書で記録に残すことも基本方針に含めるべきと考える。なじまないとの説明だったが理由は何か。全会一致で採択された請願の内容は基本方針に最大限反映すべきでは。
全会一致で採択された請願の内容は大変重く受け止めているが、小平市公文書等の管理に関する条例に基づいて文書で記録を残すことについては、いじめに係る事項に限定されることではないため記載していない。
⑬ パブリックコメント未実施
Section titled “⑬ パブリックコメント未実施”基本方針も感染症予防ガイドラインもそうだったが、不利益を被る立場の市民の声はきちんと反映すべきだ。他市ではこうした方針についてもパブリックコメントを実施しているが、小平市が行わない理由も含めて市の見解は。
小平市いじめ防止基本方針は、パブリックコメントの対象となる小平市自治基本条例第10条第1項に掲げる計画や条例などではないことから、パブリックコメントは実施していない。