東京サレジオ学園北側開発問題の軌跡
東京サレジオ学園(児童養護施設)の北側に位置する土地約9,200㎡がトヨタホーム株式会社に売却され、最低限の敷地面積で宅地が並び、市や都の整備基準では原則設けないこととされている行き止まり道路(袋路状道路)が全長約250mも続く開発計画が示されました。周辺住民は開発ガイドブックに則って事業者との自主的な話し合いの機会を求めましたが、事業者から断られ続けました。安竹は令和4年度に一般質問で事業者の姿勢や市の対応を問いただしました。
タイムライン
Section titled “タイムライン”| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 令和4年9月 | 東京サレジオ学園北側の土地約9,200㎡がトヨタホーム㈱に売却され、土地利用構想が示される。袋路状道路が全長約250mも続く案に周辺住民から懸念の声。事業者は自主的協議を拒否し続ける |
| 令和4年12月 | 事業者が態度を軟化させ、周辺住民との自主的説明会が開始。周辺住民の意向を取り入れた新計画案が提示される。一方、市の条例の不備や運用でカバーしきれていない状況は変わらず、改善のための提案を行う。市職員は自主的説明会への傍聴参加すら拒否 |
開発計画の問題点
Section titled “開発計画の問題点”袋路状道路(行き止まり道路)の計画
Section titled “袋路状道路(行き止まり道路)の計画”開発区域の外周に沿って、全長約250mにも及ぶ行き止まり道路が計画されました。市や東京都の整備基準ではこのような袋路状道路は原則設けないこととされています。安竹は市長に対し「市長が袋路状道路を認めるのはどんな場合か」と質しましたが、明確な基準は示されませんでした。
事業者による自主的協議の拒否
Section titled “事業者による自主的協議の拒否”小平市の開発ガイドブックには、事業者が周辺住民と自主的に話し合いを行うことが明示されています。また、条例には事業主の責務として「市民とともにまちづくりを行う」と規定されています。しかしトヨタホームは、周辺住民や市から再三の要求があってもなお、自主的協議に一切応じませんでした。
周辺住民は過剰な要求をしたわけではなく、まちづくりに不可欠な話し合いの場を求めたに過ぎません。この状況に対し、市の条例には事業者に協議を強制する実効的な手段が欠如していることが明らかになりました。
開発条例の不備
Section titled “開発条例の不備”一連の問題の根本には、小平市開発事業における手続及び基準等に関する条例(以下、開発条例)の不備があります。
- 大規模開発の定義逃れ: 事業者が土地を分割して売買・開発することで、5,000㎡以上の大規模開発事業としてのプロセス(土地利用審議会での審査、市長の助言、調整会など)を回避できる
- 「市民とともにまちづくり」の空洞化: 条例に事業主の責務として明記されているにもかかわらず、具体的な手続きや強制力がなく形骸化
- 消防水利施設の未設置: 3,000㎡未満の開発では防火水槽の設置が「協議」にとどまり、設置義務がない
- 東京都任せの姿勢: 市は東京都の区域判断に依存し、小平市独自のまちづくり判断を放棄している実態
議会での追及
Section titled “議会での追及”一般質問(令和4年9月)
Section titled “一般質問(令和4年9月)”約9,200㎡の土地のトヨタホームへの売却を受け、袋路状道路を含む開発計画の問題点を追及。事業者が周辺住民との自主的協議を拒否し続ける状況下で、市の関与の在り方を問うた。
- 袋路状道路の全長約250mは市内最長級、基準違反の可能性
- 条例の「紛争の予防に努める」とは具体的に何を意味するのか
- 市は事業者にどんな関与をしているのか
- これまでの調整会の実績(大規模1回、中規模1回のみ)
一般質問(令和4年12月)
Section titled “一般質問(令和4年12月)”事業者が態度を軟化させ自主的説明会が始まったことを受け、今後のために条例や運用の不備を改善する提案を行った。
- 条例に「周辺住民と自主的協議すること」を事業主の責務として明記すべき
- 自主的協議のタイミングを条例に明記すべき
- 調整会中に事業主から新案が提示され混乱を招いた問題
- 市職員が自主的説明会への傍聴参加すら拒否している姿勢を批判
- 「義を見てせざるは勇無きなり」と職員・市長の消極的姿勢を糾弾
| 成果 | 時期 |
|---|---|
| 事業者(トヨタホーム)が自主的協議に応じるよう状況を好転させた | 令和4年12月 |
| 周辺住民の意向を取り入れた新計画案が事業者から提示されるようになった | 令和4年12月 |
| 開発条例の不備(分割による大規模開発逃れ、協議の強制力欠如等)を議会で明らかにした | 令和4年 |
| 開発ガイドブックの内容・扱いの改善提案を行い、市の検討を促した | 令和4年12月 |
- 開発条例の実効性強化 — 「市民とともにまちづくりを行う」という理念を実効あるものにするため、自主的協議を事業主の責務として明記し、違反時のペナルティを強化すること
- 大規模開発逃れの防止 — 土地の分割売却による大規模開発プロセス回避を防ぐ仕組みの構築
- 市職員の現場対応の改善 — 自主的説明会への傍聴参加など、現場での情報収集を徹底すること
- 市長のリーダーシップ — 条例の不備を運用でカバーする最後の砦として、市長が主体的に行動すること
- 都市計画マスタープランの実効性確保 — 個別の開発事業に都市計画マスタープランの理念が確実に反映される仕組みづくり