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請願第12号の審査(令和6年9月11日 生活文教委員会)

小平市教育委員会いじめ問題対策委員会委員長は第三者性に疑義があるため、いじめ重大事態の調査と調査報告書の作成には関与しないこと等を求めることについて

令和6年9月11日の生活文教委員会で審査した請願第12号のまとめです。安竹が筆頭紹介議員を務めました。

本請願は、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の委員長の第三者性に疑義があるとして、いじめ重大事態の調査と調査報告書の作成に関与しないこと等を求めるものです。請願事項は3点あります。第1に、委員長は、市教育委員会が調査対象となる重大事態調査と調査報告書の作成に関与しないこと。第2に、いじめ重大事態を調査する第三者委員会の委員の選任について、文部科学省のガイドラインにのっとり、第三者を担保するために職能団体からの推薦を得ること。第3に、職能団体からの推薦を得ることが困難な場合は、こども家庭庁いじめ調査アドバイザーからの助言を得て、公文書にその結果を残すことです。

請願は令和6年9月3日の9月定例会初日に生活文教委員会へ付託されました。委員会には請願者が出席し、趣旨説明をしました。安竹が紹介議員として説明しました。理事者側の説明のあと質疑が行われ、討論はありませんでした。同じ趣旨の請願は、先に令和6年7月18日の市教育委員会定例会にも提出され、不採択となっています。教育長に提出された請願は、委員長に加えて副委員長についても関与しないことを求めており、本請願とは請願事項の一部が異なっていました。

市は、委員長の第三者性に疑義があるとは捉えておらず、引き続き調査及び調査報告書の作成に関わっていただく予定だと答えました。請願事項2については、令和4年度末の任期終了のタイミングで弁護士と心理職を職能団体の推薦を受けた方に変更したと説明しました。請願事項3については、こども家庭庁の助言は外部に公開することを前提としていないため、公開することは考えていないとしました。

審査の途中、請願者から取下げ願書が提出され、新たに請願を出し直すためとして取下げが承認されました。9月30日の本会議では、請願第12号の取下げが承認されるとともに、出し直された請願第14号が一括議題とされました。請願第14号は、委員会付託と討論を省略して挙手全員で採択されました。件名は、委員長が調査と調査報告書の作成に関与しないことを求めるものから、委員について第三者性を担保する人事を求めるものに変わっています。

質問 答弁概要(クリックで詳細)
審査の背景 委員長の第三者性に疑義があるとして、重大事態の調査と報告書の作成に関与しないこと等を求めた請願。9月3日に生活文教委員会へ付託された。
請願者の趣旨説明 お子さんの重大事態で、委員長が11年間にわたり点検及び評価報告書に意見を寄稿し報酬を得ていたことが分かった。是正を求めたが、改善されていない。
請願者への質疑:委員長の第三者性に疑義があるとする根拠 過去の教職員経験だけで疑義があるというわけではない。11年間の寄稿と報酬という継続的な関係が一番のポイントである。
請願者への質疑:実質的な辞任要求ではないこと 委員会の主な目的はいじめの知見を広めること。辞任要求ではなく、教育委員会を調査対象とする調査に関与しないでほしいというもの。
請願者への質疑:職能団体からの推薦といじめ調査アドバイザー 推薦はマストではないが、努力の跡を記録に残してほしい。いじめ調査アドバイザーの公開の扱いは認識不足だった。
請願者への質疑:第三者性の根拠の説明と委員の選任理由 第三者性の根拠の説明は受けていない。委員がなぜ選ばれたかの説明もなく、経歴の紹介だけだった。
紹介議員の趣旨説明 改正ガイドラインと3つの文献を示し、委員長が第三者とは言えない根拠を説明した。請願は常設の委員会での活動を問題にしていない。
紹介議員への質疑:同一都道府県の元教職員の第三者性 学校に詳しい方が有効な意見を出せる面もあるが、学校寄りの判断になり得る。請願はそこを主眼にしていない。
紹介議員への質疑:大学推薦の学識経験者の第三者性 紹介議員の意見は言えない立場。職能団体等の推薦があれば一定の客観的な第三者性は担保される。
理事者側の説明 第三者性に疑義はないと捉えており、引き続き調査に関わってもらう。7月の教育委員会への請願は審議の結果、不採択となっている。
理事者への質疑:点検及び評価の報酬と名簿の公開 第三者として点検評価をしてもらっているので疑義はない。名簿は事前公開による働きかけを懸念し、公開は考えていない。
理事者への質疑:委員長の調査への関与と説明 委員は公平性・中立性が担保されていると説明している。委員長は総括的な立場で関与しており、まったく関与しないのは考えにくい。
理事者への質疑:第三者性の確保に向けた今後の方針 任期後の学識経験者は大学や学会の推薦があり得る。関係行政機関は充て職。極力、第三者性の確保に努めていきたい。
討論と採決 委員会では討論なく、休憩中に取下げ願書が提出され承認。本会議で請願第14号として出し直され、委員会付託と討論を省略し挙手全員で採択。
時刻内容
午後1時37分開会。日程第2 請願第12号を議題。請願者から趣旨説明を行いたい旨の申出があり、許可。趣旨説明の時間は5分間
請願者の趣旨説明
請願者への質疑(水口委員、橋本孝二委員、外山委員、川里富美副委員長)
午後2時39分休憩(午後2時39分再開)。請願者から提出された資料を委員会の資料とすることに決定
紹介議員(安竹洋平)の趣旨説明
紹介議員への質疑(水口委員)
午後3時06分休憩(午後3時20分再開)。理事者側の説明(教育指導担当部長 岡崎奈緒子氏、学校支援担当課長 本橋義浩氏)
理事者への質疑(橋本孝二委員、水口委員、外山委員)
午後3時50分休憩(午後6時20分再開)
休憩中に請願者から取下げ願書が提出されたとの連絡。理由は新たに請願を出し直すため。取下げを承認
午後6時20分入替えのため休憩

令和6年9月11日の生活文教委員会で、請願第12号を審査した。請願第12号は、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の委員長の第三者性に疑義があるとして、いじめ重大事態の調査と調査報告書の作成に関与しないこと等を求めるものである。

請願は令和6年9月3日の9月定例会初日に生活文教委員会へ付託された。委員会には請願者が出席し、趣旨説明をした。

請願事項は3点である。

  1. 委員長は、市教育委員会が調査対象となる重大事態調査と調査報告書の作成に関与しないこと。
  2. いじめ重大事態を調査する第三者委員会の委員の選任について、文部科学省のガイドラインにのっとり、第三者を担保するために職能団体からの推薦を得ること。
  3. 職能団体からの推薦を得ることが困難な場合は、こども家庭庁いじめ調査アドバイザーからの助言を得て、公文書にその結果を残すこと。

なお、同じ趣旨の請願が、先に令和6年7月18日の市教育委員会定例会にも提出され、不採択となっている。


請願の背景から説明する。

私のお子さんは、3年前、小学6年生のときにクラスメイトからのいじめが原因で不登校となり、不登校重大事態となった。現在2年半がたつが、重大事態調査報告書はいまだまとまっていない。2022年3月に重大事態となり、第三者委員会による調査が始まった。

文部科学省のガイドラインでは、第三者委員会は公平性・中立性が確保された組織が客観的に事実を認定できるよう構成することとされている。委員となるのは、弁護士や精神科医、学識経験者、心理・福祉の専門家などの専門的知識及び経験を有する者である。そのうえで、当該いじめの事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない者が対象となる。こうした者について、職能団体や大学、学会からの推薦等により参加を図るように努めるものとされている。

重大事態調査が始まる際、第三者委員会の委員の第三者性について市教育委員会へ説明を求めた。しかし、第三者性を裏づける説明はなく、いじめに関する知見や経験をお持ちの方が委員をされているという説明で終わった。職能団体の推薦も受けていないとのことだった。

調査方針や調査対象について、私たち被害児童保護者の要望を織り込み合意を得ることになっている。私たちは、当時の教育長も調査対象に入れてほしいと要望した。しかし、第三者委員会の委員長から、第三者委員会は市教育委員会から委託された委員会だから、委託しているトップの教育長は調査できないと言われた。調査が必要なら議会へ依頼すべきだとまで言われた。第三者委員会が調査できない対象があるはずはないが、いまだに受け入れてもらえていない。

このようなやり取りの中で、委員長が平成25年度から令和5年度までの11年間にわたり、市教育委員会の事務の点検及び評価に対する学識経験者からの意見を寄稿し、報酬を得ていることを知った。これは、調査対象である市教育委員会と直接の人間関係があり、報酬を得るという利害関係を有することになり、ガイドラインの第三者に当たらない。調査対象から独立した、公平・中立な視点に立って調査をしていただけるとも思えない。

今年7月の教育委員会定例会へ、第三者性に疑義があると請願して訴えた。しかし、市教育委員会としては総合的に判断して第三者性は担保されているという説明で、具体的な判断基準の説明も根拠の提示もなく、棄却された。

請願の目的は、いじめ重大事態を公平・中立に調査することである。第三者性に疑義がある方が重大事態調査に関与することは、いじめ防止対策推進法の重大事態調査の精神に反する。公平で中立な調査のために、次の3点を請願する。

第1項は、委員長は市教育委員会と人間関係や利害関係があるため、市教育委員会が調査対象となる重大事態調査と調査報告書の作成には関与しないことである。長期間にわたり調査対象から報酬を得ていた人を、第三者と認めるだろうか。同じようなことが小平市で起こっている。

第2項と第3項は、いじめ重大事態を調査する第三者委員会の委員の選任について、ガイドラインにのっとり、第三者を担保するために職能団体からの推薦を得ること。職能団体からの推薦を得ることが困難な場合は、こども家庭庁いじめ調査アドバイザーからの助言を得て、公文書にその結果を残すことである。


委員長の第三者性に疑義があるとする根拠

Section titled “委員長の第三者性に疑義があるとする根拠”

請願理由には、委員長の第三者性に疑義がある理由が2点書かれている。1点は、小平市教育委員会事務の点検及び評価報告書に意見を寄稿し、市から報酬を得ていたこと。もう1点は、過去に都内公立校の教員や公立校の学校長をしていたため、東京都教育委員会と深い関係性をもつことである。

委員長以外の委員にも、東京都の教職員を経験した方など、東京都教育委員会と関係性をもつ方はいると思うが、その方々については第三者性の疑義を問わないのか。

いじめの重大事態の調査に関するガイドラインが改訂され、第三者の考え方が詳細に整理された。その中では、次のように整理されている。当該重大事態が発生した学校と同じ地方公共団体内で職務に従事していたとしても、これまで当該学校での職務実績がなければ第三者性は確保されていると考えられる。当該重大事態の関係者との関わりが認められず、直接の人間関係または特別の利害関係がなければよいというものである。このガイドラインの言葉によると、過去に都内公立校の教職員や学校長をしていたということだけで第三者性に疑義があるとは言えないのではないか。

請願事項1には、委員長に第三者性に疑義があるから作成に関与しないでほしいと書かれているが、その理由が書かれていないので、一方的な主張になってしまうのではないか。理由は明確にしたほうがよいと思うがどうか。

教育委員会での経験がある方だけが理由で第三者性に疑義があると言っているわけではない。教育委員会と関係があるということも第三者性に関わるのではないかと思って記載した。

今回指摘している委員長は、事務の点検と評価で11年にわたり学識経験者の意見を述べており、報酬を得ている。そのため第三者性に疑義があると述べた。その他の委員については、考え方や取りようによっては第三者性がまったくないとは言えないと思うので、今回の請願では指摘していない。

ガイドラインの改訂版は8月30日に出た。教育委員会を過去に経験していただけでは第三者性に問われないということについては、そのとおりだと思っている。今回、委員長の第三者性に疑義があると言っているのは、どちらかというと、事務の点検と評価に11年関わってこられたところである。教育委員会が11年続けて依頼しているということは、関係がないとは言えない。

請願事項1の理由に書いた期間には少し誤りがあった。委員長は平成25年度から令和5年度までの11年間、小平市教育委員会事務の点検及び評価報告書に学識経験者の意見を寄稿され、市から報酬を得ている。ここが一番のポイントだと思っている。中学校の校長会の副会長も務められ、教育委員会の主任指導主事や管理主事もされている。これもグレーではあるが、これだけで疑義があると言っているつもりはない。

実質的な辞任要求ではないこと

Section titled “実質的な辞任要求ではないこと”

請願事項1について。委員長を辞任しなさいと言っているわけではないが、実質的に今後は一切いじめ重大事態の調査や調査報告書の作成に関与しないでほしいと言っていることになる。これは実質的な辞任要求や解任要求に近い受け止めではないか。

また、ほかの地方自治体の教育委員会のいじめ問題対策委員会で、委員長が教育委員会事務の点検及び評価報告書の評価をして報酬を得ているような類似のケースがあるかどうか、御存じであれば教えてほしい。

小平市教育委員会いじめ問題対策委員会は、重大事態を調査することが主な目的ではない。条例にそう書いてあり、いじめの知見を学校や教育委員会に広めることが主な目的である。いじめ重大事態が起きた場合には、第三者として調査をしてもよいということになっているので、辞任要求ではない。

教育委員会と学校に対していじめの対処をどうすべきかという知見を広めていただければよい。どちらかというと、そちらに注力していただきたい。

ただ、やはり教育委員会との関係があるので、教育委員会を調査対象とする調査には入ってはいけないと思っている。委員長であればこそ、いじめ重大事態調査の精神を理解すれば、本当はできないと言わなければならないと思う。だから辞任要求ではなく、調査に入らないでほしいと思っている。

類似するケースがあるかというと、それは知らない。ほかの市の情報を細かく集められてはいない。

職能団体からの推薦といじめ調査アドバイザー

Section titled “職能団体からの推薦といじめ調査アドバイザー”

請願事項2について。第三者性を担保するために職能団体や大学、学会からの推薦を得た方を選任することが望ましいことは理解している。しかし、ガイドラインは「努めるものとする」という言いぶりであり、義務化までは導けない可能性がある。小平市いじめ問題対策連絡協議会等条例の第13条にも、推薦を受けなければならないとは書かれていない。場合によっては条例改正が必要になることも考えられる。ガイドラインと条例の整合性について、請願者の捉え方を教えてほしい。

請願事項3について。こども家庭庁が今年3月に公表した資料では、いじめ調査アドバイザーの助言は外部に公開することを前提としていないとされている。助言は具体の事実関係によって結論が異なる場合もあり、一般化できるものとは限らない。第三者に回答が示されるとさまざまな誤解を生むことにもなりかねないため、助言内容に関する情報の取扱いに留意するよう書かれている。請願事項3のように、助言を得てその結果を文書で公開するのは難しいのではないか。

請願事項2について。第三者委員会の委員は、第三者性を担保するために職能団体の推薦を得ることがマストではないことは理解している。ガイドラインには努めてくださいと書いてある。それを言っているのではなく、後から分かってきた第三者性に疑義があることを指摘している。条例にそれがうたわれていないという指摘に対しては、法律が上位で条例が下位だと考えて請願した。

具体的には、どの職能団体に推薦を求めたのか、ほかの市ではどこから推薦を得ているのかを調べたうえで、それを記録に残してほしい。ここにお願いしたが推薦してもらえなかったというところが残ればよい。

請願事項3について。いじめ調査アドバイザーについては、私の勉強不足だった。こども家庭庁が助言内容を公開しないと言っていることを認識しておらず、理解していなかった。3点目が必要かどうかは考えたい。

第三者性の根拠の説明と委員の選任理由

Section titled “第三者性の根拠の説明と委員の選任理由”

ガイドラインには、調査主体が被害者の児童・生徒、保護者に対して、調査組織の構成や、その公平性・中立性が担保されていることについて説明しなければならないとされている。請願者は、組織の構成や公平性・中立性について説明を受けたのか。

また、当該いじめの事案の関係者とは誰を対象と捉えているのか。

現在の委員長を含め、委員の皆さんがどうして委員になったのかという説明は受けていないのか。

調査が始まったときに、この方は第三者かと聞いた。しかし、いじめに対して知見のある方なので調査に最適な方だという説明で、第三者性の根拠となる説明はなかった。そのときは委員長にそのような関係があるとは知らなかったので、信用するしかなかった。

関係者は教育委員会である。私の事案では、教育委員会の当時の職員が調査対象になっている。委員長の意見の内容も読み、11年間の中でいじめに関してのコメントは1件だけだった。

委員がどうして委員になったのかという理由は聞いていない。こういう経歴のある方だという説明だった。職能団体の推薦を受けていなかったので推薦を受けてくれと言ったら、弁護士は途中で変わった。なぜその人なのかという説明はされていない。


こちらも配付資料に沿って説明する。まず、この件についても小平市の教育委員会の中で検討が進んでいることを期待している。横やりが入って実現しなかったということのないようにという意味も含めて請願している。

まず、先月末の令和6年8月30日に改訂された、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインについてである。ガイドラインなので、一番従わなければならないのは法律だが、ガイドラインがそのガイドになる。いじめ防止対策推進法自体は変わっていないので、中心的なところはこれまでと同じだが、調査組織のところが少し詳しくなっている。

第6章の調査組織の設置では、不登校重大事態については原則として学校主体で調査するという従前からの考え方が示されている。小平市の場合は、条例に書かれているように市教育委員会の中で調査組織を設けることになっており、それはよい判断だと思っている。

さらに、特段の事情がある場合を除いて、第三者を加えた調査組織となるよう努めることとされている。調査組織の構成について特に熟慮する必要性が高い重大事態も示されている。たとえば、これまでの経緯から学校の対応に課題があったことが明らかである重大事態である。学校と関係する児童・生徒の保護者等との間に不信感が生まれてしまっている場合もこれに当たる。これはまさに該当するところだと思う。ほかの市の重大事態調査報告書を読んでも、学校に責任があるとされる場合が多く、学校と保護者等との間に不信感が生まれている状況が多い。小平市でも扱ってきた重大事態のほとんどすべての件で、保護者と学校や教育委員会との間に不信感があると捉えている。調査組織の委員については熟慮する必要性が高いと読み取れる。

公平性・中立性を確保する必要性が高い事案については、専門家及び第三者の参画を積極的に検討することが望ましいとされている。第三者とは、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない者である。関係者とは、重大事態が発生した学校関係者や関係する児童・生徒、保護者を指す。重大事態が発生した学校を担当する弁護士や心理・福祉の専門家は、専門家の観点から加えることは適切だが、第三者と位置づけて加えることは適切とは言えない。

職能団体や大学、学会に対して、直接の人間関係または特別の利害関係がない公平・中立的な専門家の推薦を依頼し、任命することが考えられる。職能団体等からの推薦を経て調査組織に加わる者については第三者性が確保されていると考えられる。ただし、推薦のあった者が関係者と直接の人間関係や特別の利害関係を有していないか、調査主体でも確認が必要である。

常設の調査組織の委員の人選についても、職能団体等からの推薦によるなどにより公平性・中立性を確保することが望ましいとされている。小平市の常設のいじめ問題対策委員会の現在の委員長や副委員長は、職能団体等からの推薦によるなどの方法で選ばれた方ではない。

新しいガイドラインにも第三者について具体的な記載は少ない。そこで、いじめ防止対策推進法の研究者である関西大学の永田憲史教授の逐条解説、立案の実務責任者だった小西洋之議員の著書、日本弁護士連合会の指針から、第三者とは具体的にどのような人かを整理した。

Aとして、教育委員会と契約関係があった、またはある者は第三者とは言えない。顧問契約やこれに類する継続的契約関係を取り結んでいる場合も含む。教育委員会とかばい合いやもたれ合いなどの関係にあり得ると指摘されるおそれのある者は、委員としての適性を欠く。点検及び評価報告書への意見の寄稿が、この継続的な契約関係に当たる。

Bとして、常設の対策委員会の委員は第三者とは言えないと書かれている。日常的に教育委員会と密接な関係にあるいじめ問題対策委員会の委員は、厳密に言えば第三者とは言えない。

Cとして、過去に教職員であった者、同一都道府県や同一の教育委員会の所管の学校の元教員は、第三者と認めるのは困難である。

Dとして、当該都道府県の教育委員会で過去に職員であった者、または現在その職員である者は第三者とは言えない。Eとして、文部科学省の過去の職員や現在の職員は第三者とは言えない。

現在の委員長は、点検及び評価報告書への意見の寄稿と報酬がある。常設の委員会の委員でもある。過去に都内公立校の教員や学校長を務め、東京都教育委員会の指導主事や主任指導主事、管理主事もされていた。これらから、AからDまでのいずれにも該当する。文部科学省の学校業務改善アドバイザーを務められていたため、Eにも該当すると考えられる。

なお、市の教育委員会に聞くと、いつも委員長は当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有していないので問題ないと言うが、その根拠が示されたことはない。3つの文献で、委員長が第三者ではないことが示されている。それでも市が第三者だと言うのであれば、その根拠を聞いていただきたい。

点検及び評価の報酬は1件あたり4万円ぐらいと認識している。理事者には、全体の報酬の総額も確認していただきたい。

学識経験者の意見の履歴を見ると、いじめを扱ったのは10年間で1回だけであり、いじめ重大事態に関する言及は1件もなかった。委員長を長く務め、いじめ重大事態も何件も対応されてきたのに、対応の改善に向けた意見がひとつもないことには強い疑問を感じる。

この請願では、常設のいじめ問題対策委員会での活動は問題にしていない。教育委員会が調査対象となるいじめ重大事態の調査においては、外れていただきたいという請願である。


同一都道府県の元教職員の第三者性

Section titled “同一都道府県の元教職員の第三者性”

同じ都道府県の学校で過去に教職員であった者の第三者性について。文部科学省のガイドラインには、過去に同一県内で教職員であった者が第三者性に問題があるとは書かれていない。紹介された3つの文献には、同一都道府県の学校で過去に教職員であった者は第三者と言えないと書かれている。

しかし、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の委員として、同じ東京都の教職員を過去に経験した方は、学校にどのような事情があり得るかをよく分かっている。そういう立場から有効な意見をいただけることもあるのではないか。そういう方が入らないことが、むしろきちんとした調査に欠ける場合もあると思うが、どう考えるか。

そういう場合もあると思う。こちらで示した参考文献の「こういった方は第三者とは言えない」というのは、客観的に見て、保護者や被害者の方々から見て、第三者性が確保されていると判断できる状況はどのようなものかという話だと思う。

学校の状況に詳しい方が有効な意見をいただけるというところも理解できる。しかし、学校の事情を踏まえてなかなかそれは難しいといった意見をいただける一方で、学校寄りの判断になってしまうことがある。学校の組織を守るためのスタンスになってしまうところもある。そのあたりは難しい。

ただ、請願者も、そういったところはグレーなところだと述べていた。今回の請願ではそこが主眼ではなく、11年間にわたり報酬をもらっている継続的な契約関係にあることが問題だという視点である。そこは私だけの意見になってしまうので、請願とは別の判断だと思う。

大学推薦の学識経験者の第三者性

Section titled “大学推薦の学識経験者の第三者性”

今後、学識経験者であって、たとえば大学から推薦を受けた方で、都内の学校に勤務していた経験もある方だった場合はどうか。その方の第三者性について、紹介議員としてはどう考えるか。

紹介議員としての意見は言えない立場だと思う。先ほども述べたように、この請願としては、そのあたりはグレーなところである。主な趣旨に当たる部分ではない。

ガイドラインに書いてあるように、職能団体等による推薦があれば、一定の客観的な第三者性は担保される。まずはそういったことをしっかりやっていただかなければならないと思う。


請願第12号の請願事項等に対する市の考えを説明する。

初めに、小平市教育委員会の附属機関である小平市教育委員会いじめ問題対策委員会について説明する。この委員会は、学識経験者2人、福祉、医師、法律及び心理の専門知識を有する者が各1人、関係行政機関として警察と児童相談所の各1人、合計8人で構成されている。任期は原則として2年で、現在の委員の任期は令和7年3月31日までである。

令和4年度末の任期終了のタイミングで、弁護士及び心理職については、職能団体からの推薦を受けた方に変更した。医師は地域の医療機関として国立精神・神経医療研究センターから、福祉は東京学芸大学の講師の方を委員として委嘱している。児童相談所所長と小平警察署の課長については、人事異動等もあることから、その職に就かれた方に委員になっていただいている。学識経験者については、職能団体からの推薦ではなく、国立音楽大学の元教授と実践女子大学の教職アドバイザーの方に依頼している。医師である委員については、現在欠員となっているため、後任の方の人選を進めている。

請願事項1について。いじめの重大事態に関する調査組織における第三者とは、文部科学省のガイドライン等に示されているとおり、当該いじめの事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない者であると捉えている。関係者とは、新たなガイドラインにおいて、重大事態が発生した学校関係者や関係する児童・生徒、保護者を指すと示されている。

このことからも、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の委員長の第三者性に疑義があるとは捉えていない。委員は委員長を含めてすべての委員が公平・中立に職務を全うしていると捉えている。引き続き、いじめ重大事態の調査及び調査報告書の作成に関わっていただく予定である。

請願事項2については、令和4年度末の任期終了のタイミングで、弁護士及び心理職を職能団体からの推薦を受けた方に変更している。

請願事項3については、ガイドラインにはそのような記載がない。公開に当たっては相手方の意向等にも配慮を要することから、慎重な取扱いが必要だと捉えている。こども家庭庁のいじめ調査アドバイザーの助言は、外部に公開することを前提としていないことや、助言内容に関する情報の取扱いに留意することが示されている。今後、助言を求める機会があった場合でも、助言の結果を公開することは考えていない。教育委員会としては、引き続きガイドラインに沿った対応となるよう努めていく。

なお、今回の市議会への請願に先立ち、教育長に対して同趣旨の請願が提出されている。教育長に提出された請願は、委員長に加えて副委員長についても関与しないことを求めているほか、本請願の請願事項3が含まれていないなど、内容は一部異なっている。この請願は令和6年7月18日の教育委員会定例会に付議し、審議の結果、不採択となっている。


点検及び評価の報酬と名簿の公開

Section titled “点検及び評価の報酬と名簿の公開”

請願者は、現在の委員長が小平市教育委員会事務の点検及び評価報告書に11年にわたり意見を寄稿し、市から報酬も得ていることに第三者性の疑義を大きく感じている。これに対する市の見解を聞かせてほしい。

また、委員の名簿を見たいと思ったが、ホームページには直接は出ておらず、小平市立学校のいじめ申立てに関する調査報告書に調査をした方として名前が出ていた。どのような方が委員になっているのかをもう少し分かりやすく示せないか。

点検及び評価については、あくまでも第三者的な立場から教育委員会の事務を点検及び評価していただくものなので、これをもって第三者性に疑義があるとは捉えていない。

名簿については、調査報告書で調査主体として掲載しているが、事前に公開すると調査に何らかの影響がある可能性があることから、現時点では名簿の公開は考えていない。

報告書については第三者の立場なのでということだが、11年にわたって直接やり取りをしていると、どうしても人間関係としてなれ合い的になってしまうという問題もあるのではないか。また、報酬を得ているということも大きな関係性の問題になると思うが、その辺はどうか。

名簿を公開すると調査に影響がある可能性があるというのは、どのような影響が考えられるのか。

たしかに長い期間、11年にわたって点検及び評価に関する意見をいただいているが、それをもって第三者性に疑義があるとは捉えていない。謝礼を支払っているが、これは継続的に月1回行っているものではなく、年間2回の会議をもって謝礼を支払っている。そのため、継続的な人間関係ということでも第三者性に疑義があるとは捉えていない。

名簿については、事前に公開されていると、その委員に対して何らかの働きかけがあることが考えられるので、公開はなじまないと考えている。

働きかけというのは、いじめの関係者、当事者である加害者や被害者からの働きかけを懸念されるということか。

お見込みのとおりである。

調査主体が、被害者の児童・生徒、保護者に対して、調査組織の構成や構成メンバーの公平性・中立性について説明をしているのかを伺いたい。

また、当該いじめの事案の関係者とは誰を対象としているのか、委員長が第三者として該当していないという根拠は何か。委員長は現在、調査にどのように関わっているのか。現在調査中の事案があれば件数も示してほしい。請願事項1を実際に執行できるのか。関与しないことになった場合、進行中の事案にどのような影響が出ると考えているか。

調査主体の説明をする際に、調査組織について併せて説明している。委員については、小平市いじめ問題対策連絡協議会等条例第13条に基づき、教育委員会が公平性・中立性が担保されていると判断して委嘱している8人であると説明している。

現在調査中のいじめ重大事態は4件である。

関係者については、新たなガイドラインで示されているとおり、重大事態が発生した学校関係者や関係する児童・生徒、保護者を指すと捉えている。点検及び評価はあくまで第三者の立場から意見をいただいているものなので、それをもって第三者性に疑義があるとは捉えていない。

委員長は、実際に聞き取り調査に関わったり、調査報告書をまとめたりする役割があり、総括的な立場で委員会に関わっている。委員長という立場なので、調査や調査報告書の作成にまったく関与しないということは考えにくい。

委員長が関わらないということになると、総括的な立場を誰が担うのかという影響が出る。関与しない場合の方法としては、互選によって委員長を再選任することや、副委員長が職務を代理すること、重大事態の調査をほかの第三者組織が行う旨の条例改正などが考えられる。可能性としてはゼロではないものの、第三者性に疑義はないと捉えているので、現在の運用を引き続き継続していきたい。

第三者性の確保に向けた今後の方針

Section titled “第三者性の確保に向けた今後の方針”

請願事項1について。理事者においては、今回の請願者の指摘を受けて、今後改善していく方向でいるのか。また、現在の委員長に類似した経歴をもつ方が、ほかの小平市の附属機関の委員会で委員長をしているようなケースを把握しているか。

請願事項2について、推薦を受けることの困難性は現実的にどうなのか。

請願事項3について、こども家庭庁のいじめ調査アドバイザーの制度はまだ1年しかたっていないが、相談することで対応が改善したなど、よい実例を把握しているか。

委員の任期が令和7年3月31日まであるので、その後の人選については、学識経験者は職能団体からの推薦が考えにくいものの、大学や学会などは十分あり得ると考えている。ほかの自治体における類似のケースは把握していない。

関係行政機関である小平児童相談所と小平警察署は充て職としてお願いしているので、すべての委員を推薦という形にするのは難しい。

いじめ調査アドバイザーについて、改善した実例は把握していない。

最も大事な請願事項1について。これまでの指摘や本請願を受けて、改善を図っていく方向性、できる限り第三者性をより強めていく方向であることは間違いないか、改めて伺いたい。

これまでにさまざまな指摘をいただいているので、極力、第三者性の確保に努めるよう努力していきたい。


委員会では、請願者への質疑、紹介議員の趣旨説明と質疑、理事者側の説明と質疑が行われました。請願第12号については討論は行われませんでした。

審査の途中、午後3時50分から午後6時20分まで休憩となりました。その休憩中に、請願者から取下げ願書が提出されたとの連絡が議長からありました。理由は「新たに請願を出し直すため」というもので、申出のとおり承認されました。

令和6年9月30日の本会議(令和6年9月定例会)では、請願第12号は請願者から取下げ願が提出され、理由は「新たに請願を出し直すため」として、取下げが承認されました(本会議の会議録)。

同時に、出し直された請願第14号「小平市教育委員会いじめ問題対策委員会の委員について、第三者性を担保する人事を求めることについて」が、会議規則第34条の規定に基づき請願第12号と一括議題とされました。件名が、委員長が調査と調査報告書の作成に関与しないことを求めるものから、委員について第三者性を担保する人事を求めるものに変わっています。

議長の諮りにより、請願第14号は会議規則第36条第2項の規定に基づき委員会付託が省略され、討論も省略されました。そのうえで採決が行われ、挙手全員で採択されました。