請願第18号の審査(令和8年5月8日 生活文教委員会)
小平市立学校におけるいじめ対策委員会の会議記録等の公文書管理体制の整備等を求めることについて
令和8年5月8日の生活文教委員会で審査した請願第18号のまとめです。安竹が筆頭紹介議員を務めました。
本請願は、小平市立学校における学校いじめ対策委員会の会議記録等について、公文書管理体制の整備を求めるものです。背景には、平成29年度から令和6年度まで、小平市立小・中学校で学校いじめ対策委員会の記録がほぼ作成されていなかったという実態があります。この実態は、市民による情報公開請求で明らかになり、令和8年6月定例会の一般質問や報道でも大きく取り上げられました。いじめに関する記録の作成・保存を求める請願は令和6年9月定例会で全会一致により採択されており、本請願はその続きに当たります。
請願事項は3点です。第1に、学校いじめ対策委員会の記録について、約3年で廃棄が生じた経緯と詳細を徹底的に究明し、結果を速やかに公表すること。第2に、市内の公立小・中学校の全校的な実態調査として、全市立学校における学校いじめ対策委員会の開催時期と文書の有無を、これまでの答弁と差異がないか再調査すること。第3に、現場任せにせず、全市立学校で共通のルールの作成・保存・管理を明確に定め、運用を徹底することです。
市は、記録が公文書として保存・管理されていなかった点を重く受け止め、令和7年度から共通様式の使用や保管方法を各校長等に周知徹底していると説明しました。一方で、記録の保存期間はガイドラインに明示がなく、市立学校公文書管理規則では校長が定めるとし、個別の保存期間を定めた文書の有無は把握していないとしました。過去にさかのぼった再調査は考えていないとし、公表についても、多くの市民に重大な影響を与えるとまでは認識していないとして、広く結果を公表する考えはないと答えました。
安竹は紹介議員として、学校いじめ対策委員会の協議録の写しが、個人情報の開示請求と公文書の公開請求とで、内容が大きく異なる形で出てきたことを資料で示しました。回数表記や枚数、決裁印の有無などが異なり、どちらが原本か分からない状態でした。安竹は改ざんの疑いが生じるとして、公文書管理の徹底を求めました。委員会は休憩中に請願者から字句訂正の申出があり、これを承認したうえで採決に入りました。討論はなく、採決の結果、全員賛成で採択すべきものと決定しました。6月2日の本会議では、生活文教委員長の川里富美氏が審査報告をし、請願者からの字句訂正の申出を承認、質疑と討論を省略して、挙手全員で採択されました。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 午前9時00分 | 開会。日程第1、請願第18号を議題。請願者の趣旨説明(5分間) |
| 請願者への質疑(橋本孝二委員、福室英俊委員、外山まなみ副委員長、伊藤央委員) | |
| 午前9時33分 | 休憩。再開後、請願者から資料の提出があり、委員会の資料とする |
| 紹介議員(安竹洋平)の説明。質疑なし | |
| 理事者側の説明(教育指導担当部長 寺本英雄氏、学校支援担当課長 西本和幸氏) | |
| 理事者への質疑(橋本孝二委員、岩本誠委員、福室英俊委員) | |
| 引き続き理事者への質疑(伊藤央委員、外山まなみ副委員長) | |
| 午前10時28分 | 休憩(午前10時45分再開) |
| 午前11時55分 | 休憩(午後1時40分再開)。休憩中に請願者から字句訂正の申出 |
| 午後1時40分 | 再開。字句訂正の申出を承認。採決することに決定 |
| 討論なし | |
| 午後1時42分 | 採決。挙手全員で採択すべきものと決定 |
令和8年5月8日の生活文教委員会で、請願第18号を審査した。請願第18号は、小平市立学校における学校いじめ対策委員会の会議記録等について、公文書管理体制の整備等を求めるものである。
学校いじめ対策委員会は、いじめ防止対策推進法や小平市いじめ防止基本方針に基づき、各学校に設置されている組織である。その会議記録は、いじめへの組織的な対応を検証可能な状態にしておくために欠かせない公文書である。
請願は令和8年3月定例会の最終日に生活文教委員会へ付託された。5月8日の委員会で審査し、6月2日の本会議で報告された。
背景には、平成29年度から令和6年度まで、小平市立小・中学校で学校いじめ対策委員会の記録がほぼ作成されていなかったという実態がある。この実態は、市民による情報公開請求で明らかになり、令和8年6月定例会の一般質問や報道でも取り上げられた。いじめに関する記録の作成・保存を求める請願は、令和6年9月定例会で全会一致により採択されている。本請願はその続きに当たる。
請願事項は3点である。
- 学校いじめ対策委員会の記録について、約3年で廃棄が生じた経緯と詳細を徹底的に究明し、結果を速やかに公表すること。
- 市内の公立小・中学校の全校的な実態調査として、全市立学校における学校いじめ対策委員会の開催時期と文書の有無を、これまでの答弁と差異がないか再調査すること。
- 現場任せにせず、全市立学校で共通のルールの作成・保存・管理を明確に定め、運用を徹底すること。
請願者の趣旨説明
Section titled “請願者の趣旨説明”本日の請願の核心は、単なる書類の不備の指摘ではない。書類の中身が、いじめからこどもを守るための組織的な取組を正しく記録し、検証可能な状態にしているのかという、市の行政の誠実さと責任を問うものである。
今回明らかになった事態は、大きく分けて2つある。1つ目は、複数の文書の存在である。同一の案件で文書が2つ存在すれば、改ざんや隠蔽を疑う差異が生じ得る。2つ目は、組織的な記録の不在と早期の廃棄である。多くの学校で、いじめ対策の記録が作成されていない、あるいはすでに廃棄されたという実態が浮かび上がった。
不可解なのは、3年での廃棄である。国が定めるガイドラインよりかなり短い期間で捨てられ、廃棄の事実さえ確認できない事例も散見される。保存年限がそもそも存在していないという点も問題である。近隣7市の教育委員会にも話を聞いたが、小平市の実態は他市と比べて乖離していると感じた。
請願事項は3点である。1つ目は、徹底的な経緯の究明である。なぜ重要な記録がわずか3年で廃棄されたのか、詳細を速やかに調査して公表してほしい。2つ目は、市内の公立小・中学校の全校的な実態調査である。全市立学校における委員会の開催時期と文書の有無について、これまでの答弁と差異がないかを再調査してほしい。3つ目は、ルールの抜本的な適正化である。現場任せにせず、全市立学校で共通のルールの作成・保存・管理を明確に定め、運用を徹底してほしい。
公文書は民主主義の根幹である。まして、いじめで被害を受けたお子さんたちの人権に関わる記録が、ずさんに扱われていたことは看過できない。この請願は過去のミスを責めるものではない。今後二度と記録が消されない、書き換えられない形にするための前向きな一歩として捉えてほしい。
請願者への主な質疑
Section titled “請願者への主な質疑”請願文書の修正と調査の範囲
Section titled “請願文書の修正と調査の範囲”(1)請願文書の請願理由や請願事項について、審査の過程で修正の必要が生じることもあり得る。請願者は、可能な範囲で修正できるか。(2)請願事項1の記録とは何を指すのか。令和4年度に実施されたものか。(3)請願事項2の再調査について、対象となる期間はいつからいつまでか。
(1)修正することに異論はない。ただし、請願者だけが見える形になっても意味がない。十分に説明し、段階を定めたうえで、多くの人が確認できる形にする必要がある。内容が著しく変わるのであれば、請願を出した意味がなくなるので、改めて相談させてほしい。(2)調べた限りでは、平成29年から令和7年まで、小学校の会議録の存否を含めて調査した。(3)文書が特定できる範囲になる。保存年限の関係もあるので、さかのぼれる範囲を想定している。
請願事項2の「再」とは何を意味するのか。一度目の調査は、2月20日の一般質問で安竹議員が取り上げ、教育長が答弁した令和4年度の小学校の学校いじめ対策委員会の会議録を確認したことを指すのか。
その理解でよい。令和4年度のものも、情報公開請求があった以降のものも含めて、改めて調査してほしい。
改ざんの疑いと保存年限の認識
Section titled “改ざんの疑いと保存年限の認識”(1)今回の請願は、個別の学校の問題に焦点を当てるべきなのか、制度全体の課題として捉えるべきなのか。(2)請願理由には「改ざん」という言葉が2回使われている。今も改ざんという認識か。(3)国や東京都のガイドラインが定める保存年限について、請願者の理解を確認したい。
(1)いずれも必要である。どちらかが欠けても実際のところは分からない。すべての学校を対象としたい。(2)書類をつくっているのは私ではないので、実際のところは分からない。少なくとも、公文書が2種類存在するのは通常あり得ない。恣意的なものか不作為なのかを考えると、一般的には改ざんを疑われても仕方がない状況にある。断定はしていないが、疑念は持たれるという理解である。(3)保存年限について、3月5日付で情報公開請求をしたところ、4月28日に小平市には保存年限の定めがないという回答があった。文部科学省と東京都のガイドラインは5年と理解している。近隣7市で保存年限がないのは、小平市以外では東村山市だけだった。
(1)令和7年11月25日に2つの文書の存在を担当課に問い合わせたが、調査中という回答だった。それ以降、今日までに回答は得られたのか。(2)国のガイドラインは、重大事態の調査報告書などについて5年保存が望ましいとしているが、学校いじめ対策委員会の記録という文言での保存年限は明確に書かれていない。この点の捉え方を伺う。(3)2つの文書が存在したのは、電子データと紙媒体で公用に使った書類が違ったためという説明だった。改ざんの疑いはまだ持っているのか。
(1)その後も確認したが、回答は変わっていない。紙と電子で書類が2種類存在するという事実関係は示された。教育委員会は改ざんはしていないという認識も示している。(2)「学校いじめ対策委員会」という文言自体はガイドラインにない。地域によって名称も異なる。文部科学省、東京都、こども家庭庁に確認したところ、広く捉えてよいという回答だった。学校での調査の書類という言い方に落とせば、広義の意味での5年という理解で問題ない。(3)明らかに体裁も形式も違う公文書が2つ存在する以上、疑義が生じる状況にあるという認識である。
公表の方法と文書管理ルール
Section titled “公表の方法と文書管理ルール”(1)請願事項1の公表は、市ホームページで行うという認識でよいか。どのような形を望むのか。(2)請願事項3の公文書管理ルールについて、具体的にどのような仕組みをイメージしているか。
(1)市のホームページか、学校単位で保護者に伝える個別の形かは分からない。特に保護者に、安心してお子さんを学校に通わせられる状況になったと伝えてほしい。児童・生徒にも、学校に安心して通ってよいという環境づくりが必要である。(2)文書を作成し、ファイルに保存し、上長の判こを押したものを保存年限に沿って保存する。当たり前の作業を当たり前にやるだけである。文書管理の基本をもう一度、年数や経験にかかわらず丁寧にやり直してほしい。
請願理由の読み取り
Section titled “請願理由の読み取り”請願理由に改ざんという言葉が出てくる点について確認したい。請願理由をまっすぐ読む限り、3月定例会の安竹議員の一般質問で改ざんが疑われる点を問いただし、それに対する答弁があったという事実が書かれている。請願者が改ざんを疑っているとは読み取れないという理解でよいか。
書類自体が2種類存在し、なぜ存在しているのかというのが率直な疑問である。改ざんと断定はできないが、疑われる状態にはあるという認識を持っている。請願理由には、一般質問での指摘という事実が書かれているという理解でよい。
紹介議員の説明
Section titled “紹介議員の説明”それでは、お手元の資料を御覧いただきたい。1ページ目は、お二方の名前をAさん、Bさんと表示している。Aさんに個人情報の開示請求で開示された資料と、Bさんの公文書の公開請求で公開された、同じ学校いじめ対策委員会の協議録の写しである。Aさんの資料は個人情報を含むため、ぼやかした表記にしている。Bさんの資料は、公文書の公開として個人情報に係る部分が墨塗りされている。
墨塗り以外の部分を見ると、かなりの差異がある。Bさんの資料には校長、副校長等の決裁印が押されているが、Aさんの資料にはない。学校いじめ対策委員会の回数表記は、Bさんの資料には「第5回」とあるが、Aさんの資料にはない。スクールソーシャルワーカーの名前も、Bさんの資料では表記されていない。番号のタイトルや順番も異なっている。
2ページ目では、第2回分から第7回分までの会議録を、Aさんへの開示とBさんへの公開で比較している。開催日は令和4年11月2日から令和5年3月14日までである。Aさんへの開示は令和5年6月、Bさんへの公開は令和7年9月で、2年以上の差がある。
第2回分は、Aさんには1枚しか開示されていないが、Bさんには11枚公開されている。第3回分は、Bさんには19枚公開されているが、Aさんには2枚だけである。第4回分は、Bさんには2枚公開されているが、Aさんには一切開示されていない。存在しないことになっている。12月13日分は、Bさんへの公開が5枚だったのに対し、Aさんへは1枚だった。
Aさんへ開示された資料は、すべて回数表記がなく、Bさんへの公開資料と様式がまったく異なる。Bさんへの公開資料は、すべて回数表記がある。大半はマスキングされているが、マスキング漏れと思われる部分に「協議したい部分です」などのコメントがあった。Aさんの資料には一切ない。このことから、Bさんへ公開した資料のほうが原本ではないかと考えている。
教育長は、3月定例会の一般質問に対し、Aさんには電子データで保存していたものを出し、Bさんには紙媒体で保存していたものを出したと答弁した。教育委員会としては改ざんではないという認識も示した。しかし、紙媒体と電子データの違いでこれだけの差がつくとは考えにくい。19枚が2枚になった説明は一切ない。
第4回分が開示されていないことは、隠蔽のためではないかと考えてしまう。回数表記を消したのは、第4回分を省くためではないかと思える。AさんとBさんの資料を突き合わせないと、この差異は発見できない。改ざんの疑いが常習化しているのではないかという疑念も生じる。
この事案について、きちんと調査して文書で公表してほしいという請願事項にすることを当初は想定していた。請願者からはそのように書かれていた。3月定例会の一般質問で、差異について検証した結果を文書で出すかを質問したところ、部内で検討するという答弁があった。そこで請願事項にしないで待ったが、部内で検討したかどうかも不明のまま2か月が過ぎ、約束がほごにされている。
記録が作成されていなかった実態
Section titled “記録が作成されていなかった実態”次に、学校いじめ対策委員会の記録そのものについて説明する。3ページ目は、市民が公開請求した資料の一例である。記録がそもそも作成すらされていない事例が多数あった。令和6年度までは、過半数の学校がつくっていない状況だった。平成30年度の記録には、作成しておらず存在しないという表記がある。作成及び廃棄の事実を確認できないが、現に保有しておらず存在しないという表記もあった。
4ページ目には、学校において廃棄済みであり存在しないという表記がある。5ページ目は、令和4年度の記録を公開請求したもので、廃棄済みとされた。令和7年度の時点で、すでに令和4年度分が約3年で廃棄されたことになる。
6ページ目は、令和6年度分も同様に作成していない、確認できないという事例ばかりである。7ページ目は、市民が各学校に公開請求して集計した一覧表である。平成29年から令和7年までの学校いじめ対策委員会の会議記録の有無が一覧になっている。作成していないものには印が付いている。令和7年度からつくるようになったが、それまでは作成していない、確認できないという異常な取扱いがほぼすべてだった。
令和7年12月定例会の一般質問で、教育長は、市立学校1校において平成29年度から令和6年度までの記録を作成していなかったことを確認していると答弁した。しかし、実際にはほぼ全校で作成していない、もしくは保有していない状況だった。1校だけだったかのような印象を与える答弁だった。
8ページ目は、学校いじめ対策委員会の記録や協議録の保存期間を公開請求したものである。これらの協議録の保存期間を公文書として個別に定めていないため、作成しておらず存在しないという回答だった。各学校が何年と定めているかを聞いても、回答が返ってこない状況である。9ページ目と10ページ目は、学校の廃棄文書一覧である。ここにも、学校いじめ対策委員会の協議録の保存期間は定められていない。
最後に、小平市いじめ防止基本方針には、いじめの対応経過及び学校いじめ対策委員会の対応経過の記録を作成し保存すると書かれている。これが実際には守られていなかった。何年もの間、長く守られていなかったことを、こどもたちが聞けば、大人を信用できなくなる。学校や先生方への信頼を取り戻すためにも、きちんと点検して、改善を示していかなければならない。
理事者側の説明
Section titled “理事者側の説明”請願第18号の請願事項等に対する市の考えを説明する。学校いじめ対策委員会の記録等については、国と東京都教育委員会、市がそれぞれ定めた指針に基づき対応することが求められている。具体的には、国のいじめ重大事態の調査に関するガイドライン、東京都教育委員会のいじめ対策のための冊子、小平市いじめ防止基本方針である。
また、小平市立学校が保有する公文書の管理については、小平市立学校公文書管理規則に基づき対応するものであり、保存期間は校長が定めるものとされている。学校いじめ対策委員会の会議記録等の公文書管理については、いじめ問題に適切に対応するうえで極めて重要であり、記録が公文書として保存、管理されていなかった点は重く受け止めている。改善に努めている。
学校いじめ対策委員会に関する文書の保存年限についても触れる。国のガイドラインでは、重大事態発生時の初動対応における資料の収集、保存の項目で、アンケートの質問票や回答、調査報告書などは5年保存が望ましいとされている。一方、学校いじめ対策委員会の記録については、平時から記録の作成や保存は重要とされているが、保存期間は明示されていないと認識している。
請願事項について説明する。請願事項1の約3年で廃棄が生じた経緯について説明する。令和4年度の学校いじめ対策委員会の記録について、複数の情報公開請求への対応の中で、各学校からの回答を確認した。廃棄済みで存在しないものが1校、作成及び廃棄の事実を確認できないが現に保有しておらず存在しないものが2校あった。理由は、東京都教育委員会の冊子に記載されているとおり、共通の様式等で記録を残し、すべての教職員が確認できる方法で保管する対応ができていなかったためである。
令和7年度からは、各校長等に対し、公文書の定義などの基本的な内容を繰り返し周知徹底している。共通様式を使用して作成することや、公文書として教員全員が確認できる方法で保管することも伝えている。現在は対応が図られていると認識している。
請願事項2の再調査については、令和7年度から各校長等への周知徹底を行っている。各月の校長会議、副校長連絡会、年5回の生活指導主任会などで、記録の作成及び保存について説明した。9月と10月には、ガイドラインや冊子を使用して、共通様式による確実な記録と全教員が確認できる方法での保管を説明した。12月には、公文書として記録を作成し保管することについて再度説明した。そのため、過去にさかのぼって調査することは考えていない。引き続き、機会を捉えて周知徹底し、実施状況の把握を図っていく。
請願事項3の公文書の作成、保存、管理のルールの再点検と適正化については、校長等への周知徹底のほか、毎月、各学校が報告するいじめ調査の報告書も見直しを図った。令和7年度に学校いじめ対策委員会の開催日を記載する項目を設け、令和8年度には記録の保管及び全教職員への共有を確認する項目を追加した。今後も、確実な実施状況の把握に向けた改善を図っていく。
学校における公文書の管理は、各学校が校長の責任の下に行うものである。教育委員会事務局としても、学校と連携して取り組んでいく。
理事者への質疑
Section titled “理事者への質疑”情報公開請求の件数と公文書の定義
Section titled “情報公開請求の件数と公文書の定義”(1)本請願に関するものを含め、所管課にはどれぐらいの情報公開等の請求が届いているのか。(2)公文書とは何か。学校いじめ対策委員会における公文書とは何を指すのか。
(1)直近3か月の指導課への請求件数は、2月が13件、3月が32件、4月が12件である。小学校全校を対象にした請求もあれば、複数年度にまたがる請求もあり、各学校では通常業務と並行して資料の検索等の対応をしている。(2)公文書は、実施機関の職員が職務上作成しまたは取得したもの、職員が組織的に用いるもの、実施機関が保有しているものという3つの要件をすべて満たした文書である。学校いじめ対策委員会の公文書は、委員会の開催をした記録が保管、保存するものと認識している。
廃棄の経緯と保存期間
Section titled “廃棄の経緯と保存期間”(1)請願事項1について、廃棄が生じた経緯と詳細を実際に確認しているのか。確認できるのか。(2)学校いじめ対策委員会の記録の保存期間は、現在どのように定められているのか。国のガイドラインは5年が望ましいとしている。(3)結果を公表することについて、教育委員会の考えを伺う。
(1)廃棄済みと情報公開請求者に回答した経緯は、各小学校に調査し、学校からの回答を踏まえて回答したものである。当該学校からは廃棄済みとしか回答がないため、詳細は把握していない。今後、理由等について確認できると考えている。(2)学校内の文書の保存期間は、小平市立学校公文書管理規則により校長が定めるとされている。校長が保存年限を定めた資料については、現時点で把握していない。(3)学校いじめ対策委員会の開催等のいじめへの対応自体は実施しており、記録の作成、保存という部分のみを捉えて、多くの市民に重大な影響を与えるとまでは認識していない。広く結果を公表することは考えていない。
文書保存期間表はこの4月に更新し、現状に即した内容で見直した。各学校にも周知した。いじめに関わる文書は5年保存とすることを正式に示した。いじめに関しては、学校いじめ対策委員会にかかわらず、いじめに関するものは保存していくことを令和7年度から周知してきている。文書保存期間表は教育長が定めるものであり、これを受けて校長が定める形になる。
(4)請願理由には廃棄、不存在、未作成という言葉がある。それぞれ何を意味するのか。(5)学校いじめ対策委員会の記録の保存期間は、教育委員会では定めないのか。定めていないのはなぜか。(6)公文書の廃棄についての刑法上の扱いと、警察など捜査機関との関係を伺う。(7)各学校で学校いじめ対策委員会は適切に実施できているのか。
(4)廃棄は過去には存在したが現在は処分されている状態、不存在は理由は問わず現時点で存在していない状態、未作成は最初から作られていない状態である。(5)学校内の文書は、規則で校長が定めるとされている。その際は、教育長が定める文書保存期間表に従う。学校いじめ対策委員会の記録は、規則にのっとり校長が定めるものと認識している。
(6)公文書の廃棄により問われる可能性のある刑事責任は、刑法第258条の公用文書等毀棄罪であると認識している。保存期間内の公文書を必要な手続、決裁を経ずに故意に廃棄した場合や、隠蔽目的で廃棄した場合などが適用される可能性がある。公文書の廃棄の関係については、すでに小平警察署から捜査関係事項照会書が届いており、求められた書類は提出している。今後は小平警察署が判断するものと考えている。
(7)各学校が報告するいじめ調査の報告書に、令和7年度から学校いじめ対策委員会の開催日を記載する項目を設けた。令和7年度の開催回数は、学校ごとに差はあるが、12回から40回程度であることを把握している。
二種類の文書が生じた背景とチェック体制
Section titled “二種類の文書が生じた背景とチェック体制”(1)資料にあるAさんとBさんの2種類の文書について、改めて背景を確認したい。(2)今回の指摘の多さから、教育委員会として学校現場の公文書管理にどのような構造的な問題があったのか。ルールが明確でなかったことが問題だと思うが、令和7年度以降、どのように周知していくのか。(3)令和7年度から周知に努めているとの答弁だったが、具体的なチェック方法は。定期訪問は2年に一度だが、毎月のチェックと、ない学校への確認はどうするのか。(4)事務負担が増えている。文書作成や保存を簡略化するツールの導入や、他市の動きも含めた検討はされているのか。
(1)データとして保存していた文書と、紙媒体で保存していた文書の2種類が公文書として存在していた。公文書管理の対応ができておらず、会議の記録が一本化できていなかったことが大きな理由である。個人単位のメモとして個別に保管するのではなく、公文書として作成、保管することへの意識が高くなかった点が大きな要因である。(2)会議の開催後に、組織的に用いる公文書として記録し、適切に保管した後に廃棄するという一連の流れが、多くの学校でできていなかった。令和7年度から、公文書の定義や該当する要件といった基本から、ガイドラインに基づく対応を繰り返し周知している。
(3)月ごとのいじめ実態調査では、学校いじめ対策委員会の開催日や、記録の全教職員での共有、記録の保管を管理職が確認する。そのうえで教育委員会に提出する形にした。令和8年4月から新しい書式で運用している。開催の有無を含めて毎月把握していく。指導課の定期訪問は2年に一度だが、本来は諸帳簿の管理状況なども確認するものであり、記録の保管状況を新たに確認項目に加えた。
(4)学校への文書管理システムの導入は、システム更新や大規模な改修の機会を捉えて実現の可否を調整する大きな話である。東京都全体で校務支援システムの標準化の検討もされており、他市の動向の情報収集に努めていく。現在できる対応として、公文書管理規則にのっとった文書の管理や、会議録などのひな型を示しながら対応していく。
分量の差異と第4回の記録
Section titled “分量の差異と第4回の記録”(1)資料2ページ目の回数表記や分量の違いについて、ここまでの差異が生じる理由の説明はまだない。理由と今後の改善を伺う。(2)第4回の協議録が開示されていない理由も伺う。(3)最初からパソコンで所定のフォーマットに入力すれば、メモの廃棄や文言の取り違いもなくなると思う。そうした取組の検討は。(4)各学校の会議録を市のホームページで公表する考えはないのか。(5)複数の書類があったことについて、改ざんに当たらないという理由づけを伺う。
(1)(2)資料2ページ目の分量の違いは、Aさんへの開示が電子データで保存していたもの、Bさんへの公開が紙媒体で保管していたものであるためと考えている。改ざんの疑いについては、すでに小平警察署から捜査関係事項照会書が届いており、求められた資料は提出している。詳細は差し控えさせていただくが、今後は小平警察署で判断されるものと考えている。第4回の協議録は、学校から回答が来たものに入っていなかった。詳細は学校への聞き取りを行っておらず、警察の調査に入っているため差し控える。
(3)東京都教育委員会のいじめ総合対策(第3次)には、学校いじめ対策委員会の記録の保管について、対策委員会が定めた共通の様式等で記録を残し、ほかの教職員が確認できる方法で保管する形が示されている。所定のフォーマットの使用の仕方や入力方法は、各学校で工夫して実施するものと捉えている。
(4)現時点で、各学校の学校いじめ対策委員会の記録を公表することは考えていない。(5)公開した資料、公文書が同じ会議で2種類あったことについては、公文書管理がしっかり対応できていなかったと真摯に受け止めている。改ざんについての認識は、市としては持っていない。この点も警察で判断されるものと考えている。
どちらが正本かと回数表記の欠落
Section titled “どちらが正本かと回数表記の欠落”(1)Aさんに出したものとBさんに出したものの、どちらを正本として認識しているのか。(2)作成日や修正履歴、作成者を確認できる記録は残っているか。(3)Aさんへの開示資料に回数表記がなかった理由は何か。(4)教育委員会は当時、第4回の記録の存在を把握していなかったのか。後に発見されたのであれば、その経緯を伺う。(5)回数表記がないことで、特定の回の記録を恣意的に抜いても外部から分からなくなる。極めて重大な文書管理上の問題と考えるが、認識を伺う。(6)3月5日付の情報公開請求に対し、4月28日に保存期間を定めていないため作成しておらず存在しないとして非公開決定をしている。文書保存期間表を定めたという説明と矛盾しないか。
(1)教育委員会としては、Aさんに出したものもBさんに出したものも、両方とも正本として公文書として取り扱っている。請求者にもその旨を回答している。(2)作成日や作成者が分かる記録は、現時点で把握していない。(3)回数表記がないのは、対象となる学校が作成している様式によるもので、市教育委員会として理由は把握していない。(4)情報公開請求が多く、各学校に調査して回答したものを請求者に回答している。1件ごとに比較や確認をして対応しているわけではない。第4回の記録が令和7年9月の公開の際に出てきた経緯は、令和5年6月は電子データ、令和7年9月は紙媒体を開示したことは確認しているが、それ以上は把握していない。(5)回数表記がないことについては、市教育委員会としても重大な問題と受け止めている。今後、統一した様式で記録を残すよう周知している。(6)3月5日の情報公開請求に対しては、各校長が保存期間を定めた公文書が存在していなかったため、公文書として個別に定めていない、作成していないとして非公開決定をした。文書保存期間表はいじめ対策については5年としている。更新前は生活指導という項目が3年であり、それを参考に保存期間を運用していた学校もあると伺っている。
文書保存期間表は昨年度から内容の見直しをしており、4月末に決裁を終え、5月1日の校長会議で周知した。教育長が定める文書保存期間表であり、これを受けて校長が保存期間を定める形になる。
記録がない状態での検証可能性
Section titled “記録がない状態での検証可能性”(1)教育委員会は、各学校の学校いじめ対策委員会が適切に機能していたと確認できたのか。記録がないのに、どう確認したのか。(2)記録が存在しない状態で、どのように検証可能性を担保するのか。(3)自己申告ではなく、実物確認を前提とした悉皆調査をすべきではないか。(4)市民への説明責任をどう果たすのか。教育長自らが説明する場を設ける考えはないのか。
(1)学校いじめ対策委員会の記録について、廃棄済みや未作成等の回答をした学校があることは事実である。公文書としての保存の有無のみをもって、いじめ対策全体を否定するものではないと考えている。公文書としての正式な保存がなされていないという課題は重々承知している。(2)記録が不存在、未作成のものについては、確認できない。月ごとのいじめ実態調査で、認知した件数や解消した件数は報告を受けている。(3)実物確認については、指導課の定期訪問の際に、学校を訪問し、保管状況や作成状況を確認する予定である。(4)現時点で公表は考えていない。
(4)教育長が自ら説明することは考えていない。これまで適切に進めてこられなかった経緯を踏まえ、令和7年度から教育委員会として改善を図っている。
電子データと紙媒体の一本化
Section titled “電子データと紙媒体の一本化”統一的な書面やフォーマットを用意して各学校に周知することで、今後、電子データと紙媒体で内容が変わることはなくなるのか。電子データでも紙媒体でも違いはないという理解でよいか。紙媒体だと当日の配付資料も一緒にファイルされ、電子データには入らないといったことで、枚数が変わるおそれがある。両方を公文書とするのであれば、相違が出ないような策はあるのか。
各学校には、学校いじめ対策委員会では対策委員会が定めた共通の様式で記録を残し、すべての教職員が共有して最終確定版を残すことを周知している。令和7年度以降は、各学校で最終確定版として保管されていると認識している。電子データまたは紙媒体のどちらか一方が確実に最終確定版であることを、学校で統一するよう周知している。今後は、電子データでも紙媒体でも、異なるものがない状態にする。公文書として全員が共通して最終版を保管するという理解の下に進める。
委員会では、休憩中に請願者から字句訂正の申出があり、これを承認したうえで採決に入りました。字句訂正の内容は次のとおりです。
- 請願事項第1項について、「学校いじめ対策委員会の」の前に「令和3年度及び4年度に実施された」を追加する
- 「約3年で廃棄が生じた」を「非公開の理由を『当該公文書は学校において廃棄済み』とされた」に訂正する
- 「結果を速やかに公表」を「速やかに実態調査をし、議会に報告」に訂正する
- 請願事項第2項を削除し、第3項を第2項に繰り上げる
- 「全市立学校」を「全市立小学校」に訂正する
- 「ルールの」の前に「に係る統一的な」を追加する
- 「抜本的な再点検と適正化を」を「整備とその周知徹底、定期的な指導・監督を速やかに」に訂正する
討論はなく、討論なしと認められました。採決では、請願第18号に賛成の挙手を求めたところ挙手全員となり、この請願は採択すべきものと決定しました。
6月2日の本会議では、生活文教委員長の川里富美氏が審査報告をしました(本会議の会議録)。報告では、この請願は令和8年3月定例会最終日に生活文教委員会に付託され、5月8日の委員会で全委員出席の下に審査され、全員賛成により採択すべきものと決定されたことが述べられました。請願者への質疑は11点、理事者への質疑は10点として報告されました。
議長は、請願者からの字句訂正の申出を承認すること、質疑と討論を省略することを諮り、いずれも異議なしと決定しました。採決では挙手全員となり、この請願は採択することに決定しました。