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請願第8号の審査(令和3年9月14日 生活文教委員会)

自閉症・情緒障害特別支援学級を設置することについて

令和3年9月14日の生活文教委員会で審査した請願第8号のまとめです。安竹が筆頭紹介議員を務めました。

本請願は、市立小学校・中学校それぞれ少なくとも1校に、自閉症・情緒障害特別支援学級(以下、情緒固定級)を設置することを求めるものです。請願書には、特別支援教室による指導では学習上・生活上の困難の改善が難しい児童・生徒の受け皿がないこと、知的障害がないにもかかわらず知的障害特別支援学級への就学を勧められ、本来学べるはずの学びの機会が失われている子どもがいることが挙げられています。令和3年9月13日までに216人の追加署名があり、委員会時点で258人、同月30日の本会議では総署名者数359人となりました。

委員会では、安竹が趣旨説明を行い、石津委員・水口委員・川里富美委員から質疑がありました。市は、令和3年3月に策定した特別支援教育総合推進計画(第二期)前期計画を挙げ、情緒固定級の設置は有効と考え、他地区の取組について視察や聞き取りを行ってきたと説明しました。開設には教育課程の編成、就学相談、教員配置、教育環境の整備の4点を課題として、今後さらに研究し方向性を検討すると答弁しています。

委員会は討論なく、挙手全員で採択すべきものと決しました。9月30日の本会議では、生活者ネットワークの山崎とも子議員が反対、その他会派が賛成し、挙手多数で採択されました。

質問 答弁概要(クリックで詳細)
審査の背景 特別支援教室では改善が難しい子どもの受け皿がなく、知的障害がないのに知的固定級へ誘導される子どもがいる。
趣旨説明:インクルーシブ教育との関係 インクルーシブ教育を否定するものではなく、学びの選択肢を一つ増やすためのもの。
趣旨説明:固定級の意義と懸念 定員8人で継続して学べる意義が大きい。希望を無視して入る懸念には事前の周知で対応する。
質疑:固定級の教育的メリット 少人数で目が行き届き、知的固定級で学びの機会が減る問題も解消される。
質疑:特別支援教室の現状と不十分さ 週1、2回の通級では不足し、通級中は通常学級の授業が抜けてしまう。
質疑:知的障害のある子どもの保護者の願意 願意は含まれている。署名者の内訳は把握していない。
理事者側の説明 特別支援教室を全校に設置。情緒固定級は有効と考え、他地区の取組を視察し、開設の方向性を検討する。
理事者への質疑:分ける効果と共に学ぶ意義 分けて指導する効果も、同じ場で学ぶ教育的意義も高い。方向性は今後判断する。
理事者への質疑:設置までの4つの課題 教育課程の編成、就学相談、教員配置の東京都への申請、教育環境の整備。
理事者への質疑:特別支援教室の指導の実際 週1時間から最大8時間程度。小集団と個別で指導している。
理事者への質疑:設置の方向性と時期 設置するかしないかを検討中。判断の時期は明確にできないが、早急に検討する。
討論と採決 委員会は挙手全員で採択すべきものと決定。本会議は生活者ネットワークが反対、他会派が賛成し、挙手多数で採択。
時刻内容
午前10時20分再開。請願第8号を議題に。9月13日までの追加署名216人(合計258人)を報告
筆頭紹介議員(安竹洋平)の趣旨説明
筆頭紹介議員への質疑(石津委員、水口委員、川里富美委員)
理事者側の説明(教育指導担当部長 国冨尊氏、教育施策推進担当課長 中村和哉氏)
理事者への質疑(佐藤徹委員、石津委員、水口委員、川里富美委員)
午前11時11分休憩、再開。討論なしと認める
午前11時12分採決。挙手全員で採択すべきものと決定

令和3年9月14日の生活文教委員会で、請願第8号を審査した。請願第8号は、市立小学校・中学校それぞれ少なくとも1校に、自閉症・情緒障害特別支援学級を設置することを求めるものである。

請願書には、三つの問題が挙げられている。第一に、特別支援教室による指導では、学習上または生活上の困難の改善が難しい発達障害の児童・生徒の受け皿がないこと。第二に、知的障害がないにもかかわらず知的障害特別支援学級への就学を勧められ、本来学べるはずの学びの機会が失われている子どもがいること。第三に、発達障害の子どもが義務教育の9年間、学べる限りの学びを得られるようにすることである。

請願は、令和3年9月7日の9月定例会初日に生活文教委員会に付託された。9月13日までに216人の追加署名があり、合計258人となっている。


この請願には、政和会、市議会公明党、フォーラム小平、日本共産党小平市議団から紹介議員を出していただいている。各会派の方々に感謝を申し上げる。

請願事項は、様々な状況から設置を検討してほしいという表現にしているが、請願を出している趣旨は、情緒固定級を設置してほしいということである。

まず、この請願は、一つの理想形としてあるインクルーシブ教育を決して否定するものではないことを理解していただきたい。現状のインクルーシブ教育の下では、居場所のない子どもがたくさんおり、実際に不登校になる子どもが複数いる。また、知的障害がないにもかかわらず知的固定級に入るように勧められたり、やむを得ず自発的に知的固定級に入ることを選んで、本来学べるはずの学びの機会を失っている子どもが、今、現実に何人も存在している。特別支援教育に携わっている専門家の中には、そのような状況が何十年も続いてきたと話す方もいる。決して理想的なインクルーシブ教育を否定するものではなく、現実の状況に対応するための学びの選択肢を一つ増やすためのものである。

情緒固定級があれば学びの選択肢が増え、定員8人の少人数の学級なので、子どもは通いやすい状況になる。情緒固定級は知的固定級とは違ってカリキュラムも通常学級と同等になり、学びの機会が失われることもない。少人数学級を進めていく方向性とも合致している。また、固定級があることで継続して学べることも意義が大きい。ある小学校では、3年生までは支援員がついても、予算上の問題でそれ以降はつけられないという状況があるそうである。担任も途中で替わったりする。支援がなくなった後、どうやって授業に参加しているのか分からないという心配の声もあった。情緒固定級に通えることになれば、同じ場所で一人一人の状況を把握しながら学べることになる。

次に、懸念されることについても述べておきたい。一番の懸念は、現在、支援を受けながら通常学級に通っている子どもが、情緒固定級ができたために、本人の希望を無視してそこに入らなければならないような状況になったり、そういう空気ができてしまうことである。また、先生方が、発達障害がある子はみんなそちらに入ってもらおうということになってしまうことも懸念される。しかし、私が調べた限り、他市でそのようなことが問題になっている様子は見られなかった。1クラス8人しか入れず、予算上容易に学級数を増やせないことが、抑制効果として働いているのではないかと想像している。本当に必要としている子どもが優先的に通える状況になっているのではないか。もしそういった問題が起きるのであれば、それはその学校の教育の在り方がおかしいということになる。あってはならないことなので、事前にしっかり対策をしておく必要はあるかもしれない。教育関係者、保護者、当事者の子どもに周知を徹底するといったことを通じて、特別支援への理解も深まっていくと思う。

様々な課題があったとしても、その解決法を学べる先進市はいくらでもある。お配りした資料は多摩26市の状況で、19市で情緒固定級が設置されている。今後どうしていくかの予定がある市としては、三鷹市が議会で設置を前向きに検討する答弁がされている。小平市は知的固定級に対する満足度が非常に高いという話もあるので、課題があれば教育委員会がうまく対応していただけるものと考えている。


通級に代わって固定級ができることによる、子どもたちの教育的なメリットについて、具体的に教えていただきたい。

一つは、継続して学べることが大きなことだと思う。通常学級で支援を受けながら学ばれているお子さんも結構いるが、途中で担任が替わったり、支援員の方がいなくなったりして、その後どういうふうに補助されて学習が進んでいるのか分からないという心配の声があった。また、少人数学級で、8人未満になることも多いが、静かな、その子に適した環境で、教室を見てくださる先生の数も通常学級よりよく目が行き届くというメリットもある。

もう一つは、知的固定級のほうに結構行かれる方が多いようだが、知的固定級だと学ぶ機会が随分減ってしまう。そのデメリットが解消されるという意味で、メリットは大きいと思う。

安竹議員に申し上げます。請願者がおられ、紹介議員なので、安竹議員の個人的な見解はなるべく控えていただいて、請願者の意を酌んだものということでお願いします。

特別支援教室の現状と不十分さ

Section titled “特別支援教室の現状と不十分さ”

現在、自閉症・情緒障害のお子さんは、特別支援教室に週1、2回通うという形の方が多いと思うが、それでは不十分だという意見が請願者の中にあるのか。特別支援教室の現状に対する意見を、もし聞いていれば教えていただきたい。また、固定級は1クラス8人ぐらいが定員ということだが、それは国の基準で、どこの市でも8人以内なのか。26市のうち、まだ設置が検討されていない市がいくつぐらいになるのかも、分かれば教えていただきたい。

請願者の方の意見としては、週に1回とか2回ぐらいの通級だけでは不足なことが多いという声がある。また、通級に通っている間は通常の学級の授業が受けられなくなってしまい、結局そこが抜けてしまって追いつけなくなってしまうという状況もあるようである。

定員8人は全国的に決まっているはずである。設置状況は、お配りした資料では三鷹市だけが設置を前向きに検討という状況で、それ以外の市については今後の予定は分からない。

他市の状況については、スクールソーシャルワーカーの方から、西東京市と東久留米市の情緒固定級の状況は非常によく、そのあたりを調べてもらいたいという話があったようである。

知的障害のある子どもの保護者の願意

Section titled “知的障害のある子どもの保護者の願意”

私が話を聞いている知的障害のお子さんを持つ保護者の方は、本来、自宅の学区域に固定級があるのでそこに通いたかったが、情緒障害の子どもがそのクラスに増えてきて、おとなしく座っている自分の子どもは後回しになってしまい、落ち着かないので特別支援学校へ転校したが納得できないと話されていた。情緒固定級ができるならば、そうした子たちの解決策にもなると考える。今回の請願の中には、知的障害のお子さんを持つ保護者の願意も入っているのか。署名の中に、知的障害のお子さんを持つ保護者の署名も入っているということを、紹介議員は承知しているか。

知的障害は、WISCの点数だけで診断が出るものではないと考えている。情緒固定級に入る場合も、知的障害かどうかはIQの数字だけで決まるものではない。知的障害の定義は私のほうではつけられない部分もあり、プライベートなことに関わるところもあるので、お答えは控えさせていただいたほうがよいかもしれない。

願意は含まれていると聞いている。ボーダーといいますか、知的障害になるのかならないのかという状況のお子さん方の話も聞いている。署名してくださった方々の内訳は把握していない部分もあるので、含まれている可能性はあると思う。


市では、令和3年3月に策定した特別支援教育総合推進計画(第二期)前期計画において、全ての児童・生徒が一人一人に合った指導や必要な支援を受け、生きる力を身につけることを特別支援教育推進上の理念としております。そのための環境整備として、令和3年度までに全ての市立小・中学校において特別支援教室を設置し、一人一人の特性に応じた指導を自校で受けられる体制を整えました。今後、教育的ニーズを踏まえ、それぞれの自立と社会参画の力を育むことにつながる多様な学びの場を充実させることが必要であると考えております。

自閉症や情緒障害の児童・生徒を対象とした指導については、これまで通級指導学級による指導を行ってまいりましたが、平成29年度から小学校、令和2年度から中学校において、順次、特別支援教室による指導に移行し、令和3年度から全ての市立小・中学校で特別支援教室による指導を開始いたしました。

成果としましては、児童・生徒にとっては移動時間が必要ないため、より多くの時間を確保できること、また、巡回指導教員がふだんの学校生活の様子を見て、学級担任と相談しながら指導を充実できることなどがございます。課題としましては、入室を希望する児童・生徒が増加していることから、一人一人の困難さを改善するための指導時間の確保や、退室後の通常の学級における支援の充実などがございます。

請願事項の市立小学校、中学校それぞれ少なくとも1校への設置でございますが、通常の学級に加えて、特別支援教室における特別な指導では成果を上げることが困難な児童・生徒に対して、自閉症・情緒障害固定学級において特別な教育内容、方法により指導を行うことが有効であると考え、他地区等の取組について視察や聞き取りを行ってまいりました。

開設に当たっての課題としましては、施設設備、就学手続、指導の面など様々ございますが、解決の方策を含め、今後さらに研究を進め、開設についての方向性を検討してまいります。


小平市の特別支援教育総合推進計画(第二期)前期計画では、この内容は研究をしていくという立ち位置だと理解している。令和3年度からスタートした5年間の計画である。今日現在、市の教育委員会の中で、知的と自閉症・情緒障害を分ける効果と、分けるのではなくいろいろな子どもが同じ場で学ぶという二つの考え方について、方向性がまだ決まっていないのではないかと推察する。

平成29年から特別支援教室を、令和3年度で通級の設置をされたことは評価する。次のステップとして、26市の動きも出てきた中で、教育委員会として、分ける、分けない、分けるのであればどういう形で分けるのか。請願内容にある小・中学校1校と仮に決めたならば、どのような手続で進むのか。現状どういう意見がぶつかり合い、話し合いをされているのかを伺いたい。

子どもたちを分けて指導するということについては、一人一人の特性に応じた指導ができる効果は非常に高いと考えております。一方で、多様性を認め、多様性を受け入れるという観点から、同じ場で学ぶということについての教育的意義も非常に高いと認識しております。両方のよさがある中で、今後どのように進めていくかにつきましては、現在進めている他地区の研究をさらに進めることで、教育委員会としまして、この後、設置をするかどうかという方向性を判断していきたいと考えております。

一緒に学ぶことが困難な子どもの声を代弁して、保護者の方が声を上げておられる。早い段階で結論を出して、次のステップに進んでいかないといけないと考える。現実的には、特別支援学級が小学校で6校、中学校で5校あるので、ここをベースにしながら、小学校で1校、中学校で1校をつくっていくとしたならば、どういう手続をするのか。260人を超える署名も集まっている。乗り越えないといけない教育委員会の課題について教えていただきたい。

大きく4点課題がございます。

第1点は、自閉症・情緒障害固定学級の教育の内容だとか方法に関わる教育課程の編成でございます。固定級についての大きな違いは、基本的には通常の学級と学習内容等は同じで、準ずる教育課程と申しますが、同じなんですけれども、それに加えまして、社会性を育んでいく、自立に関する内容を盛り込んでいく必要があります。この教育課程を編成するということが第1の課題でございます。

第2点は、就学の相談を含めた在り方でございます。今の枠組みですと、巡回指導に係る特別支援教室への就学、知的固定級の就学ということがありますけれども、これに加えて、どういう教育ニーズを持っている子どもたちが情緒障害等の固定級に適するのかについての整理をしていくこと。また、そこの就学相談に関わる組織をより強化していくことが課題になります。

第3点は、設置に当たりまして教員の配置等がございますので、この配置に係る東京都への申請でございます。

第4点は、教育環境の整備についてで、これは二つございます。一つは、仮に小・中学校1校ずつつくりますと、市のどこに固定級を設置するのか。通学の通いやすさや学校の施設の状況等も踏まえて、どこの学校に設置するのかという教育環境の整備。もう一つは、実際に設置するに当たっての教室の整備、備品等の整備でございます。

4点の課題が示されたので、課題も明確になった。ハード的なものも、教員の配置も、東京都の教育委員会を含めた動きもある。一つ一つの課題を乗り越えていくとしたならば、教育委員会として、どこでどういう意思決定をされるのか。小学校、中学校で判断されて、具体的にやりますとなった場合の最大の課題は何になるのかを教えていただきたい。

今後、まず設置するかどうかの方向性を庁内で決定する必要があると考えております。その後、設置する方向で進めるとなった段階では、庁内や学校の代表者、また専門家等を含めまして、先ほど申し上げた様々な課題を解決するための方策を検討する組織を立ち上げ、複数年かけまして開設に向けた準備を進めていくことになると想定しております。

現在の特別支援教室には、週で1人当たり何日ぐらい、何時間ぐらい行くことができているのか、どのような授業を受けているのかを教えていただきたい。また、新たに情緒固定級をつくることになった場合、学校現場からはどのような意見が出ているのか、懸念点や、ぜひつくってほしいという意見などをお聞かせいただきたい。

日数ではなく、週に何時間指導するかを、子どもの特性に合わせて設定しております。およそ週に1時間から最大で8時間程度となっております。指導内容は、一人一人の生活や学習上の困難に合わせた内容で、生活習慣に関すること、身体の動きに関すること、相手とのコミュニケーションの取り方などについて指導しております。

学校からも、自閉症・情緒障害固定学級の設置についての要望がございます。実際に設置をするとなったときに、どこの学校に設置するかについては、今後、学校の意見も聞きながら調整が必要と考えております。

特別支援教室は小集団と個別の二通りのやり方だと聞いたが、小集団の場合は何人ぐらいが一度に学ぶのか。教員は8人に1人で、学級数が増えると1人加わるという計算でよいか。実際に入っている支援員の数が分かれば教えていただきたい。教員は普通免許ということで、現状では特別支援教育のために必要とされる免許を持っている方はそんなにいないということでよいか。また、知的固定級に入っていて十分な教育ができていないような現状はあるのかをお聞かせいただきたい。

小集団の人数は決まった取決めがございませんで、2人の場合も3人の場合もございます。子どものニーズだとか指導効果を考えて、人数等も計画していくことになります。

教員の配置は、8人までで1学級、9人になると2学級になります。2学級を超えると1人加配できるという考え方で、2学級から3学級になりますと、3学級で3人の教員に加えて1人、4学級になると4人の教員に加えて1人という形で、学級に1人加配というのが特別支援学級の配置の在り方となります。これは知的固定級も同様でございます。

特別支援教室の指導に補助員が入るということはございません。もともと個別的な学習を行っておりますので、新たに補助ということはございませんが、当該のお子さんが通常の学級で学んでいる際に、必要があれば補助員をつけるという形になります。

免許につきましては、今、手元に資料がございませんので、多いか少ないかということは申し上げられませんけれども、制度上は全科の免許でも指導できますし、もちろん特別支援教育に関わる免許を持っている方もいますので、そういった方も指導できます。

知的固定級におきましては、当該のお子さんの特性に応じた教育を進めておりますので、学習上の課題の改善が図れるように努めているところでございます。

今回の請願は、情緒固定級の設置を望んでいる発達障害の子どもやその家族の願意によって出されているが、教育委員会に直接そのような声が入っているかどうかを教えていただきたい。また、令和2年12月定例会の一般質問への答弁で、特別支援教室においても十分でないということであれば、固定制の自閉症・情緒障害学級の設置についても検討が必要だと捉えているという答弁があったが、現在の特別支援教室で十分だと判断しておられるのか。教育委員会としては、今、教室を設置する方向性で検討しているのか、それともするかしないかを含めて検討しているのかを教えていただきたい。

保護者の方からお子さんの就学の相談を受ける際に、情緒固定学級があれば非常にありがたいというお声はいただくことがございます。

子どもの特性に合わせた指導を行っておりますが、個々によって、その指導の成果が通常の学級で現れるには少し長い時間を要すると思われるケースもございます。

設置するかしないかということについての検討を現在進めているところでございます。実際、特別支援教室に通いながら、お子さん御本人の困難の改善状況によっては、週に数時間の指導を受けるのではなく、固定学級で常に本人の特性に合った指導を望む声はあると捉えております。

他市の研究としては、設置に向けての様々な課題をどのような形で解決していくか、また、設置をすると判断した場合に、実際に開設までのタイムスケジュール、どのような組織で検討するかについて、情報収集をして準備を進めているところでございます。

設置をするかしないかを含めて検討しているということだが、その結論を出すのはいつ頃になるのか。

その判断をいつするかということは、今この場で明確にお答えはできませんが、これについては非常に重要な課題と捉えておりますので、早急に検討してまいります。


委員会では討論なく、挙手全員により、本請願は採択すべきものと決しました。

9月30日の本会議では、生活文教委員長の伊藤央氏が審査報告を行いました(本会議の会議録)。報告では、9月14日の委員会を全委員出席で審査し、全会一致で採択すべきものと決したこと、追加署名は216人で委員会時点の合計は258人であること、その後さらに署名が追加され、総署名者数は359人となったことが報告されました。

討論は、生活者ネットワークの山崎とも子議員が反対、自民党小平政和会の石津はるか議員、市議会公明党の佐藤徹議員、フォーラム小平の川里富美議員、日本共産党小平市議団のきせ恵美子議員、一人会派の会の安竹洋平議員、まちづくり市民こだいらの水口かずえ議員が賛成の立場で行いました。

山崎議員は反対の理由として、発達障害や情緒障害がある子どもを分離、排除するような発言に違和感を覚えたこと、分離教育ではなく共に学び、共に育つインクルーシブ教育の実現を訴えていること、情緒固定級を設置すれば解決するものではなく、人員配置も含めて共に学べる教育環境を整備し、一人一人の子どもに寄り添った対応をしていくことが必要であることを述べました。また、就学に関する支援情報や障害児・発達障害児への理解が不足していること、支援シートや指導計画を必要とする保護者に漏れなく情報を伝え活用していくこと、全教員への障害理解に関する研修や通常学級の児童・生徒への障害理解に関する学習の充実を求めました。

安竹は賛成討論で、次のように述べました。この請願はインクルーシブ教育を否定するものではない。日本は障害者の権利に関する条約を批准しており、インクルーシブ教育システムを完成させることが目標の一つになっている。排除しないという本質は人として当たり前のことであり、それを教育の目標とすることもよいことである。しかし、理想的なインクルーシブ教育に到達するためには、日本の教育の在り方、障害者を取り巻く環境、社会の多様性を受容している状況など、日本の現状を前提に進めなければならない。日本では多くの公立校で1クラス当たりの児童・生徒数が多く、特別支援教育や合理的配慮についての先生方の理解や対応もほとんど追いついていない。予算も足りず、支援員や専門職も足りていない。通常学級に通う特別支援が必要な全ての子どもに目が行き届いているという状況ですらない。この状況は、保護者、先生方、支援員、専門家、教育委員会の方々の口から直接問題として提起されている現実の話であり、何十年も変わらずに続いてきたと話す教育関係者もいる。

どんな子も一つの教室でという形でのインクルーシブ教育は、環境がしっかり整ってくれば現実的になってくるのかもしれないが、どう環境を整えていくのか、どれだけ時間が必要なのかが見えてこない。環境が整うまでの間に、今、実際に困っている子どもはどうすればよいのか。今できる限りの最善のことをすることが、子どもたちを見捨てないということである。本来こうあるべきだから現状で困っている子どものことは考えないというのは、その子たちを頭の中から排除していることになり、排除しないというインクルーシブに逆行する。

障害者の権利に関する条約の第24条には、障害者がその人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること、障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないことが書かれている。教育制度一般には特別支援学校も含まれるという解釈がなされており、私もその解釈が正しいと思う。この条約が求めているのは、知的障害がないのに知的支援学校で学ばざるを得ないとか、本人の能力に合わない教育課程で学ぶしかない状況をつくったり、通常学級で居場所がなく不登校になる子どもがいるような状況をつくったりしてはいけないということである。インクルーシブ教育の考え方が出てきたのは、本人の意思にかかわらず家庭や地域から障害者を切り離して集団で教育することが差別だというところから始まっており、本人の希望を第一に、住んでいる場所で、家族から切り離されることなく生活や教育が受けられることが最も大切である。同じ教室で同一の授業を受けることがインクルーシブ教育であるというのは、狭い意味の解釈だと考える。

情緒固定級の設置に際して最も大きな懸念は、障害がありながら通常学級で学べるような子どもが、情緒固定級ができたからといって本人の意思とは関係なく情緒固定級のほうで学ばざるを得なくなるような状況が出てくることである。当会派でもそのことを最も懸念して反対する議員もおり、あってはならないことなので、そうならないよう手だてをしておかなければならない。しかし、そういった問題が起きても教育委員会が防波堤として機能できる構造になっており、1学級8人までという制限がフィードバックとして有効に作用すると予想している。また、子どもたちの間に、情緒固定級に行けといった空気が自然にできることはないと考えている。もしそういった空気ができるとしたら大人のほうであり、設置されることになった際には教育委員会もしっかり力を注いでいただきたい。委員会の答弁で誤解を招くような表現をしてしまったが、情緒固定級は、支援をもらっても通常学級や特別支援教室では困難の改善が難しく、さらに本人が通常学級には通わずに情緒固定級で学びたいという子どものためのクラスである。むしろ特に中学校では、自分の意思で情緒固定級で学びたいという子どもが多くいて、認識が広まれば1学級では足りなくなるという問題のほうが大きくなるのではないかと思う。

教育委員会は既に他市の調査もされているので、最短だと令和5年4月からの設置が可能ではないかと思う。ぜひ最短での設置に向けて検討を進めていただきたい。

採決は挙手多数により、本請願は採択されました。