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議員提出議案第32号 水道水源井戸に有機フッ素化合物が流入した原因究明と汚染物質除去を求める意見書提出について
環境建設委員会付託
提出者代表議員の説明
山浦まゆみ(生活者ネット)
令和2年(2020年)の1月、多摩地区で水道水源の井戸から有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が高濃度で検出されたとの新聞報道がありました。この報道を受け、多摩地域では不安が広がっています。有機フッ素化合物は、熱にも油にも水にも強く、泡消火剤やフライパンの表面加工、はっ水剤などに幅広く使われていますが、自然界で分解されにくく、体内にも蓄積されることから、アメリカの疫学調査によってがんや甲状腺疾患など6種類の病気への関連が指摘されており、水道水として汚染水を飲用し続けてきた人たちへの体内への蓄積や健康被害なども懸念されています。 平成28年(2016年)沖縄県の米軍基地周辺で水道水源の高濃度汚染が発覚したことを発端に、日本でも少しずつこの問題が認識されるようになり、厚生労働省もようやく令和2年(2020年)4月から水道水へのPFOSとPFOAの含有について、合計で水1リットル当たり50ナノグラムという暫定目標値を適用しています。東京都水道局は、令和元年(2019年)6月から濃度の高い国分寺市と府中市の水源井戸からの取水をやめ、河川水を増やして配水しており、その後、取水停止井戸は国立市、立川市、調布市、小平市と、他自治体へも広がっています。しかし、地下水の取水を止めることによる水質汚染の拡大も心配されるところであり、揚水の継続が必要です。この意見書案は、東京都に対し、多摩地域の地下水をこれからも貴重な飲用水源として活用し続けるために、有機フッ素化合物の拡散している原因究明と情報開示、撤去方法の確立を進め、また揚水を行うことにより、地下水のPFOS、PFOAの拡散防止を図ることなどを求めるものです。詳しくは、お手元に配付してあります議員提出議案のとおりです。御審査の上、御賛同いただきますようお願いいたします。
意見書
主な質疑
これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。
高濃度検出があってから後の状況は
東京都から、高い濃度が検出されたという情報提供を議員も受けているが、その後どうなったか書いてもらうとよかったと思うが、分かれば。
また、東京都は原因を明らかにしていない、情報も開示していないという理解でよいか。
東京都水道局でも原因については明らかにされている。情報についても、適宜、どのぐらいの基準のものが検出されているかは、情報を開示している。
ただ、今、取水井戸を止めている状況があるので、それについてはその後の状況が分からない。なので、こういったところも含め、どうしていくのか、揚水を行ったほうがよいのではというところの、原因究明も含めた情報開示をしてほしいというのがこの意見書の趣旨。
取水停止井戸の数値については公表されていないので、この部分については情報はない。私たちには分からない。
取水停止している井戸を調査する目的は
取水停止で、使わなくしている井戸を調査する、これを求める目的は。
止めて蓋をして終わりになると、この後の汚染の流れが分からなくなってしまう。一度無関心になると、汚染については分からなくなる。関心がなくなり、その後調べられず使われなくなってしまう。地下水の汚染の実態についても分からなくなってしまう。飲用として使っていきたいという思いで、ずっと調査を続けていくこと、関心を持ち続けていくということが大切だと考えている。
揚水はいつまで続けることを想定しているか
暫定目標値未満であっても、揚水して拡散防止を図るということか。それとも何か基準を設け、「1リットル当たりどれぐらいまで下がってくれば揚水しなくてよい」などとするものか。
今の時点では50ナノグラム/リットル以上の値が出た場合には、取水井戸を止めるとか、そういった措置を取っている。
答弁がかみあいませんでした
津本議長から大綱ではないというような発言があり遮られたので、結局よく分からないままでしたが、実施する際は基準を設けることになるでしょうから、よいと思います。
本会議での主なやり取り
継続審査となりました。