請願第5号 旧佐川邸の土地を売らないことも含め、市民の意見を聞きながら公園整備を行うことについて

総務委員会付託

📄会議録(本会議|委員会最終日

ポイント

  • 上水南町の佐川道場跡地に公園をつくる計画についての請願
  • 安易に土地の3分の1を売却するのではなく、売らずに済む方法を模索すること
  • ふるさと納税制度を活用して整備費を捻出する方法についても提案
  • 市民の意見を聞いて、整備費が安く済むようなプランを作成すること
  • 公明党会派の議員以外が賛成し、無事に採択されました
  • この請願を受けて、5月に市が画期的な決断を下しました

⭕️ 私(安竹洋平)の判断:賛成

私は、旧佐川邸の公園化を考える会ができた当初から、さまざまお手伝いさせていただいています。

今回の請願は、私がたたき台(原案)を作成し、筆頭紹介議員も務めさせていただきましたので、当然のことながら賛成です。

その後、この請願が採択されたことが大きく影響し、市が画期的な決断を下しました👍

すべての経緯は、旧佐川邸の公園化を考える会のサイトにまとめています。

資料

請願者の説明

私は、上水南町二丁目に住んでおります岡江伸子と申します。職業は日本画家です。

30数年前に落ち着いて絵の描ける環境を探して、小平市をいろいろ見させていただいたところ、この佐川邸の南に位置する家を見つけました。佐川邸は木々に囲まれていまして、大変落ち着いた環境だったので、ここならば、と思って、住み着いたわけです。昨年、公園にするに当たって、その木々をほとんど切られてしまいまして、近隣の住民の方々も大変残念に思っていらっしゃいます。その木というのは、佐川先生が1本1本、風水に基づいて大切に育てていらっしゃった木なものですから、本当に残念で仕方がないところですけれども、寄附された以上は、公園になさるということで。近隣の住民に役立ててほしいということなんですけれども、何かしっくりこないところがありまして、話合いが持たれるということで、第1回目から話合いに参加させていただいて、今日に至ったわけでございます。

また、住み始めたころには、近所に広場というか、空き地、それから駐車場がたくさんありまして、空間がたくさんありました。ここ数年でどんどん家が建ちまして、若いご夫婦や小さなお子さんも増えているように思われますけれども、長年住まわれているお年寄りがたくさんいらっしゃいまして、そういう方々のご意見を伺いますと、とにかく住宅街の中ですので、防犯・防災も兼ねて、もし災害が起きたときに、皆さんが一時避難できるような場所が欲しい方が多いので、散歩ができるような、落ち着けるような場所が欲しい、自然の公園にしてほしいということです。

先日、実は自治会長さんにもお手伝いいただいて、アンケートを取らせていただいたんですけれども、近隣の方々からそういったご意見がたくさん出ました。その中には、井戸を掘ってほしい、いざというときにやはり一番大切なのは水ではないかとか、いろんなご意見をいただくことができて、大変参考になったわけです。そこで市民がどのような公園を望むのかということをまとめて、意見を出し合って、この1年間、話し合ってまいりました。とにかく去年からコロナ禍でいろいろな右往左往することがありまして、今、遊具を撤去しているような公園も多いですし、いろいろ見てまいりましたけれども、雑草が生えて、手のつけられないような状態になってしまった公園も多々ありますので、近隣住民が憩えるような公園づくりができたらと私たちは思っております。

それと、もうひとつ付け加えれば、小平市には文化、芸術、スポーツなどに功績を残してらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますので、もう少し小平市ではそういったものを大切にしていただきたいという気持ちもありまして、この場で発言させていただきました。よろしくお願いいたします。

筆頭紹介議員の説明

筆頭紹介議員の私(安竹洋平)による説明です。

請願事項の1と2について

請願事項1は、端的に次の2つ。

  1. 「土地を売らない」というこれまでになかった選択肢を、客観的に認識できる状態で、検討してほしい
  2. 市民とともに、公園整備の具体的な方法を考えてほしい

一方、現実問題として、整備にお金💰がかかる。寄附金で賄い切れない部分もある。

請願事項2は、市が資金を出す道があることが一番だが、それ以外にもふるさと納税の活用で市の支出を減らすといった具体的な方法論を探ってほしいということ。

ふるさと納税を活用してほしい

かつて、津嶋企画政策部長は、ふるさと納税に関し、この公園とはまったく関係ない話の中で、次のように発言している。それ以外の場面でも何度か同じ趣旨で話している。

ふるさと納税の大きな課題として、返礼品競争というようなことが過熱し始めているというのがございます。あまりそれをやり過ぎると、地方どうしが何か財源を奪い合うみたいな形になるので、これは好ましくない方法だと考えてございます。

平成30年12月定例会・津嶋企画政策部長の答弁

つまり、この公園とは関係ないところで、「返礼品競争をやり過ぎると、他市の財源を奪うことになる」と言っている。

私の一般質問では「そんなことは言っていない」と否定する答弁もあったが、ちゃんと会議録に残っている。市がふるさと納税制度の活用に消極的に見える理由は、それぐらいしか合理的な説明が見当たらない。

私はここで「否定する答弁もあった」と述べましたが、該当の一般質問を再度見ると、正確には次の答弁でした。

ふるさと納税で他市の財源を奪うから市としてやっていかないということは申し上げておりません。

令和3年3月定例会・津嶋企画政策部長の答弁

完全に否定しているわけではなかったですね。失礼しました。

しかし、今回の件は返礼品競争に関係する話ではない。ならば、ふるさと納税を活用する方法を掘り下げて検討してもらいたい。

そこに課題があるなら、その課題を市民に分かりやすく説明し、市民とともに課題解決に向けて進んでいく在り方が理想的。

「税控除がなくとも単純に寄附すればよい」という筋違いな主張

「ふるさと納税のような控除がなくとも、単純に寄附してくれればよい」と言う人もいるが、ふるさと納税の趣旨が理解されておらず、次の点からも筋違い。

  • 多くの人が、そこまで経済的に余裕があるわけではない
  • 日本で寄附文化が育っていないので、控除があるだけで寄附のハードルは大きく下がる

そもそも、市のために寄附を考えてくださる方々に対し、市や市議会議員がそんなことを言うのはおかしい。

どちらの市長候補も、現状では、前向きに取り組む姿勢

2月7日に、考える会の方々と、今度の市長選挙の立候補予定者2名とで、意見交換会が開かれた。

どちらの候補予定者も、会の趣旨に賛同し、ふるさと納税の活用に前向き。2人のどちらが市長になっても、前向きに取り組んでもらえる印象。

省くことになった第3項も検討してほしい

もともと、請願事項は、次も含んだ3つになる予定だった。

3 平櫛田中氏や齋藤素巖氏と同様に、佐川幸義氏も、市の歴史的な人物の一人としてスポットを当てることを検討してください。

しかし、事前の調整で、公明党から、この内容では紹介議員は出せないと聞いた。すると全会一致にならない。全会一致でないと、この3つめだけが生活文教委員会の付託になる。単独では訴える力が弱く、否決される可能性があったので省いた。

この省いた事項も、市には検討してほしい。

小平市内には、先ほど岡江さんがおっしゃったように、魅力的な方々が暮らしていたストーリーが埋もれている。そういったストーリーをひとつずつ発掘し、後世に残していくことは、土地への愛着という意味や、精神的な意味において、非常に重要。その重要性を市に認識してもらいたい。

井戸の設置に関する請願も検討した

もうひとつ、次のような請願事項も検討した。

防犯・防災機能を持ち、安心・安全に利用できる公園にしてください。具体的には、公園内に小平市で初めての災害用井戸を設置してください。

今回は請願には載せていないが、考える会では、こういったことも今後の検討事項になっている。

公園のコンセプト案「ここちよく、しなやかさのある公園」

公園化を考える会が作成した 「ここちよく、しなやかさのある公園」 という公園のコンセプト案がある。

岡江さんがおっしゃったように、旧佐川邸の公園化を考える会は、毎回15人から20人ぐらいの方々が参加し、その中に、ランドスケープデザイナー、公園設計の専門家の方々も参加している。そういった方々がアドバイス等をくださり、次のような視点が含まれた公園のコンセプト案もまとめてくださった。

  • 佐川先生や、ご子息の思いを残すこと
  • コロナ禍もあり、高齢化も進んでいく状況に対応する
  • 一方、小さな子どもたちもいて、自分たちから考えて遊びをつくり出せる公園にしたい
  • 防犯・防災を考え、安心・安全に利用できる

多くの人が受け入れられる内容と思う。市にとっても理想的な方向性なのでは。

アンケート調査結果

近隣周辺住民の方々にアンケート調査も行った。2月20日までの調査期間で、配布資料は速報版。

小平市は、配布160枚、回収113枚で、約70%の非常に高い回収率。それぞれのお宅に回収に回ったことで回収率が高く出ているところも。

国分寺市は、それぞれのお宅に回収に回ったわけではなく、自主的に提出していただいた方の分。それでも22%と非常に高い。

こういう任意のアンケート調査の結果としては非常に高い回答率で、近隣に住まわれている方々の関心の高さが表れているかと。

こういったアンケート結果や、先ほどのコンセプト案をもとに、次期市長が決まってから、市と市民の方々と一緒に公園整備の方向性を定めていければ理想的と思う。

工事費6,300万円の内訳

実際にかかるお金は、資料に詳細がある。市の当初計画では、次の合計として、工事費に6,300万円かかるとしている。

  • 道路工事:600万円
  • 公園整備工事:5,700万円

土地の売却益想定が、同額の6,300万円

この6,300万円を、市の計画では土地の売却でまかなう。全体の1,200㎡のうち350㎡分を売却し、その売却益が約6,300万円ぐらいという見積り。

資料13ページの、市の当初計画にある公園の図で、上のほうにある白抜き部分が、350㎡の販売する予定地。この土地を売ると公園がかなり狭くなり、「よくある小さい公園」のひとつになってしまう懸念がある。

「不明点が多いので、多めに計上した概算」

6,300万円の算出根拠は資料10ページの表中にある。この費用は多めに見積もった概算で、計算の担当者が「不明点が多いので多めに計上した概算」と述べている。

にこにこ公園に使った単価を使えばもっと安くなる

ほぼ状況が似通った、鈴木町にこにこ公園の、整備時の算出単価で計算し直すと、もっと工事費全体は安くなる。ミーテイングメモにも書いてあるが、今回、にこにこ公園の単価でなく、新しい単価を使っている理由は特にないとのこと。

フェンス、土留め、日本庭園、パーゴラ等、見直しで安くなる

工事費の内訳で、金額が高いところを順に見ていくと、たとえば目隠しフェンスの設置費用が525万円になっているが、土留めの費用が含まれている。土地と土地の境界で高低差があるので、それを維持するために必要な工事費で、実際どれぐらいの費用がかかるかは設計してみないと分からない。

「その他」のところで500万円計上されている日本庭園の整備費用も、よく分からないけれども、概算で出している状況。

ミーティングメモ11ページの、1-4の日本庭園についてというところに、日本庭園の500万円という金額をどう計上しているのか書いてある。

また、たとえばパーゴラの設置費用350万円になっているが、これもメモの12ページの1-8に書いてあるが、比較的高価なものを計上している。

小舗石についてもそう。10ページの概算は見直しの余地がたっぷりある。

見直しで1,000万円削減すると、全体で1,910万円安くなる

10ページ表の下のほうの工事費合計の上に「経費」と書いてあるが、これは直接工事費の91%で計算することになっている。

直接工事費の内訳を、たとえば、これは要らない、これはもうちょっと安くできる、といったことで見直していき、直接工事費の部分で、もし1,000万円削減できることになると、経費はその91%なので、910万円削減できる。すると合計で1,910万円削減できることになる。

素人考えで、ざっくりと削減できそうなところを表に入れて計算してみたが、工事費の合計は3,000万円近く圧縮できる可能性もある。

ざっくりした見積りで土地を3分の1も売ってしまう進め方はおかしい

とにかく、「ざっくり見積もった6,300万円という金額を固定値にして、それが決まったような金額だとみなして、その分を捻出するために3分の1近くの土地を売らなくてはならない」という段取りはおかしい。

時間がかかってもよいから、近隣住民と市が協働で、どういう公園にするか、費用をどう抑えていくか、資金をどう捻出するかといったことを積み重ねていき、プランを作成していくのが理想。

有効なプランとなるよう、専門家の方に参加していただいている

ただ、多くの場合、次のような問題がある。

  • 市民の側から有効なプランが出せない
  • 市側として、人的、時間的なリソースを割けない

幸いなことに、考える会では、専門家のプランナー(ランドスケープデザイナー)の方々も参加してくださっているし、すでにコンセプト案の作成や、周辺へのアンケート調査などが進んでいる。

この後、資金的なことや、近隣住民を交えたパブリックワークショップなど、もっと具体的なステージに進んでいけたらよいと考えている。

皆様からいただいている公園整備のアイデア

最後に、14ページから16ページまでに掲載したのは、最初の情報が少ない中、まだコンセプトも決まっていなかったり、プランナーの方々もまだ入っていない状態で、最初に近隣住民の方々、もしくは道場関係者の方々から提案いただいた公園のアイデアをいくつか紹介している。

コンセプトや、資金的なことを背景として、もう少しシンプルなアイデアになってくると思うが、こういったアイデアが近隣住民の方々から出てくるということは、公園ができた後も、公園に愛着をもてるという意味でも、非常に重要なプロセスだと考えている。

たとえば、自動販売機が置けるのではないかというアイデアが出たり、そういったところも、一つ一つどういう課題があるのか、どうしたらよいのか、深掘りしていくプロセスだけでも、すごく意味がある。

公園化を考える会のサイトについて

会のサイトをつくっており、情報はそこにどんどん集約していく予定。

https://sagawa-aiki-park.com

ご興味をお持ちの方はご覧ください。

主な質疑

これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。

主な質疑の目次

1. 本会議での主な質疑

  • なし

2. 付託委員会での主な質疑

* は『一人会派の会』議員の質問です。

なし

この請願は総務委員会に付託されました。主な質疑を記します。
総務委員会には、一人会派の会から、橋本久雄議員が総務委員として参加しました。私の質問も託しています。

寄附者ではない父親の名前を出し、大東流合気術を取り上げる意図は何か

請願者の中で寄附者ではない父親の名前を出し、大東流合気武術を取り上げる意図は何か。寄附者である佐川敬行(よしゆき)氏自身も、父親のように合気武術に打ち込んだ人であったか。

佐川先生は、目立つことを好まない方で、武術に打ち込まれていた。寄附された息子さんは、ずっと車椅子で生活されていた。

(敬行氏は)ご生前、道場はそのままで、たくさんの門弟の方がいらっしゃり、いつも声が聞こえていた。その道場をずっと皆さんで守られていた。

作家の津本陽氏が佐川先生のところにいらして、「深淵の色は」というご本を出された。大東流の合気術は、この近辺だけでなく、日本中、また世界にも広められており、私もどちらかというと、資料館をつくりたいぐらいの、いろいろな、大変な功績を残されているので、息子さんがお父様の功績を後の世にも残したいという気持ちは大変深くいらっしゃったと思う。

「深淵の色は」の内容は真実か

「深淵の色は」に引用されている次のことから、請願には「これがご遺族の思いであり、その意を酌んで、土地を売らないよう模索している」と書かれている。

自宅の跡地を笑顔で過ごせる公園にし、合気公園の名称で将来合気の聖地として親しまれる場所になってほしい

深淵の色は 佐川幸義伝

この著書の内容は事実であるという確認はできているか。

去年1年間に何度となく集まりがあり、その中でも実際にご生前のビデオなども拝見した。佐川幸義先生の一番のお弟子さんで、筑波大の名誉教授をされている木村達雄先生とじかに会ってお話をしたり、ご近所の方で交流があった方々からもお話を伺うことができた。

私も生前、佐川先生とお会いし、いろいろお話を伺ったこともある。現在も門弟の方々が(考える会に)出席され、小平市民の方もいらっしゃるので、お話を伺うこともできますし、何しろ私の家の窓から佐川先生のお宅が見える。様子もずいぶん伺っており、それは事実として確認できていると思う。

その内容は遺言書に記載されているか

市の方で、佐川敬行氏の遺志を明確に示している遺言である公正証書において、今の内容が記載されているか。

私は、このご本を拝見したのと、公正証書は決まった書き方をしますので、「希望する」と言っても、「願わくば」という言葉は入っていませんし、受け取り方、解釈の仕方でずいぶん違ってくるという感覚は持った。実際には、津本陽さんの書かれたご本のほうが近いのではないかという気はしている。

閑静な住宅地に多くの人が集まるのではないか

請願理由に「佐川氏のファンは世界中に多くいます。道場跡地は、小平市の観光地のひとつになるはずです」とある。

当該地は閑静な住宅地で、地域外から多くの人や車が入ってくるような場所ではない。

閑静な住宅地の中で、静かな場所を求めて移り住んで来た方々の中で、公園ができるのはよいことだと思うが、道場の跡地を請願書の内容のような形にすることを求めているか。多くの人が集まってくることには合意が取れているか。

観光地という受け止め方ですけれども、大型バスで大勢来るということではないと思う。

近隣の方々との話合いの中では、長く業績、功績を残されているという意味で、観光地という表現が的確ではないかもしれないが、お名前を残したいということ、それからお弟子さんなりファンの方が世界中にいらっしゃるとのことなので、そういう方たちが訪ねてきても、「ただの公園じゃないか」というものではなく、この石の上で四股を踏んだり、修行されていたんだなということが分かるようなものも残し、石碑も残し、そうやって偲んでいただけるような、歴史として残せるような公園。

近隣住民の方々が静かにそれを誇れるような、要するに、ボール遊び、遊具遊び、スケートボードが行き交うような公園ではなく、ここが佐川先生の残された足跡のある公園なんだという意味で、観光という言葉は正しくないかもしれないが、そういう公園にしたいというご意見が多い。

市の説明会は何度行われたか

市からの説明会は何度行われたか。

2度。

道場があったときの、地元の方々との交流の状況は

道場が開かれていた当時も、地元の人たちはわりと出入り自由で、花が咲いていれば、花を摘んでいくという交流があったと聞いている。そのあたりのことを少し伺えれば。

最初の説明会のときに私は参加させていただいたが、普通の公園にするということで、最初びっくりした。コウヤマキやビワの木、梅の木、たくさんの木が植えられていた。

それも、毎年庭師さんを入れて、いつも夏前ぐらいでしょうか、きちんと整備されていた。私も中を見せていただいたことがありますが、それをほとんど切るということで。建物も壊しましたし、あまりにも普通の公園を目指していらっしゃるので、びっくりしたわけです。

私は南側に住んでいますけれども、西側に接して住んでいらっしゃる方が、ご両親の代からの佐川先生との交流がありました。いつもお庭を通り抜けさせていただいていた方ですけれども、木を切らないでほしいということを一生懸命市のほうに願い出ました。なかなか受け付けてもらえなくて、私も一生懸命お願いして、うちの前の一列だけ残していただいたんですけれども、工事をしているときに、横で一生懸命お願いしたわけですけれども、何とか一列残していただいた。

紅葉の木だけ5本残っただけで、あとは全部切ってしまわれて、起伏もあったんですけれども、起伏も全部平らにしてしまったものですから、ブロック塀の下がむき出しになってしまって、今、そのブロック塀が、先日も大きな地震がありましたけれども、倒れるのではないかと近くの方々は心配しているわけです。

ちょっと待ってくださいということで、1年近くなりますけれども、工事をストップしていただいている状態ですが、それというのも、セットバックの部分がありまして、道を2メートル広げることになりまして。北側の土地も全部、今は家がたくさん建っていますけれども、佐川先生の土地だったものを、佐川先生が亡くなられたときに、息子さんが相続する関係で、お売りになったんですけれども、道の部分も寄附されたとかで。それと同じように、佐川先生の土地だけではなくて、請願書にあるように3,000万円弱のお金も添えて寄附された。

そのお金が足りないということですが、足りないような公園ではなく、木を切ったりではなく、自然のままの公園にしてほしかったんです、近隣の方々は。

ところが、最初の説明会のときにはもう決まっていて、整地するような形になってしまったので、残りのお金はどうしたかお尋ねしたら、一般会計に入れてしまったから出せないということなんです。それで、3分の1ぐらいの北側の土地を売って、道路をセットバックする費用に充てるとおっしゃったものですから、それは用途が違うのではないでしょうかと。

会計がどういうふうになっているのか、市の経理のことはよく分かりませんが、それは違うのではないでしょうかということです。道路を広げる分というのは、また別の会計になるのではないかという気もしまして、実は私、都庁にも電話して聞いてみたんですけれども、お金を添えて寄附される方は、そんなにいらっしゃらないそうで、それはおかしいのではないでしょうかというお返事はいただいているんですけれども、やはり変なのではないかと思う。

実は、道を広げてほしくないという方も近隣に何人かいらっしゃいますし、広げてほしいという方もいらっしゃる。

ですから、ここは北のほうの方から、道は真っすぐに広げてほしいということがあるんですけれども、道を広げたら広げたで、車の通りが多くなるものですから、ミラーをつけたりとかで、お金もかかってくることだと思うのですが、できるだけお金をかけず、立派なものでなくてよい。

周りの方が望んでいるのは、静かな公園が望みなので、できればふるさと納税を利用して、何とかならないかと思っているんですけれども。

一応請願書にも書いてありますけれども、お弟子さんの方々がクラウドファンデイングなんか(ふるさと納税の活用)で何とか年間800万円から1,000万円ぐらいは集めることができるので、寄附金が集まれば、それで何とかできないか、それからふるさと納税で何とかならないかということを、いま一生懸命考えている。

私たち近隣住民は、それほどの財力もございませんので、それよりは、きれいに保つこと、アダプト制度を教えていただきましたので、そういうものがあるということなので、少しずつでも元に戻せるように苗木を植えたり、そういう努力をしてまいりたいと思っています。そういう形の、近隣住民で自主的に活用できるし、育てていけるような公園を考えています。

木の伐採がされたのは説明会の前か、後か

木の伐採は、説明会の前にされたか、後にされたか。

1回目の説明会が終わった後、すぐに工事が始まってしまって、本当にあれよあれよという間にどんどんブルドーザーみたいなのも入りまして、それがぶつかって、木が折れてしまったりということもありました。結構周りの方からも不満の声が上がりました。2度目の説明会のときには、すでに木は切り倒されていた。

どの木を切るか、事前に周辺住民には知らせがあったか

どの木を切るかは、事前に周辺の住民の方にはお知らせされていたか。

説明会の1回目と2回目の間のときに、たぶん中を見せていただいたのは私だけだと思うんですけれども、1本ずつ、「この木は病気ではないから残してほしい」、「ここにはこの木が必要だと思う」と。

手入れしてあって、とても枝ぶりのよい梅がありまして、梅の木はずいぶん大事にされているようなので、「これは残してほしい」と、1本ずついろいろお話をした。

「これは道を造るのに邪魔になる」、「私は木の医者なので分かるけれども、中が腐っているからこれは倒さなければならない」と、いろいろな理由をつけられていた。

木のお医者さんというのは、木を助けるのが仕事なのではないかと思いながら聞いていたんですけれども。

実際木というのは、中が空洞になってしまっても、外側だけでも生きてられますので、それはどうかなという気持ちもたくさんありました。ところが、それからすぐに工事が始まって、木を切られてしまったので、多分説明されたのは、私だけなのではないかと思っている。

木の伐採について、現地説明会もなかったということか

普通は、この木とこの木は残しますという現地説明会をやるのですが、それはなかったということか。

木の伐採についての説明会は行われなかったということと、現地説明会も行われなかったという理解でよいか。

おっしゃるとおり。

請願者の居住地域では避難する場所が遠いという問題もあるのか

災害が起きたとき一時避難する場所が欲しいということだが、現在、請願者の居住地域では、避難する場所が遠いという問題もあるということか。

避難場所と指定されたところは、佐川邸はほとんど国分寺市との境目なんですけれども、すぐ東側は小金井市になってしまって、どちらにもそういった広い場所がなくて、実は国分寺市の接している方々からも、いざというときはここがあるとお話を伺っている。

ただ、指定区域にするには狭いので、指定するわけではなくても、この間のような地震があったり、いつ起こるか分からない火災や大雨、いろんな災害がありますけれども、そのときに上から降ってくるもの、瓦やガラスがあります。そういうものを避けて、一時逃げ込む場所として、とにかく周りに空き地がなくなってしまったものですから、こちらにどんな公園ができるのかというのは、国分寺の方々からも、どんな形になるのか、早くしてほしいという意見は伺っている。

近隣のどれくらいの方々が賛同しているか

この件に関して、近隣の方々は何人ぐらいが賛同しているか。

最初は30人ぐらい集まられたんですけれども。一番初めにおやっと思ったのが、市の説明会に、佐川先生の門弟の方たちがいらっしゃらない。伺ったら、門弟の方たちは出席してもらったら困る(と市から言われていたと)。小平市在住の人、2、3人だけなら出席してもよいけれども、発言してはならないということを言われていたようだ。

それでは片手落ちではないかと思い、何とか市の説明会ではなく、皆さんと集まって、佐川先生側からの門弟の方たちからの意見も伺いたく、考える会を設立していただいた。

ですから、今はコロナのことがありまして、集まる方も少ないですけれども、先日は15人から16人集まっておりましたけれども、最近では国分寺の方も顔を出してくださるようになりまして、コンスタントに15人から20人ぐらいは集まってくださっている。

これがよい前例になると請願者は考えているか

よくここまで請願者の皆さんがまとめた。本来は市がやるべきこと。

現地説明会もなく、1回目の説明会の後に工事が始まるという手法が、今までの公園づくりだけでなく、まちづくりにおいても、市では行われてきた、ということを改めて強く思った。

この取組がひとつの前例になれば、市のまちづくりはドラスチックに変わると思う。いろいろなやり取りの中で、請願者はどう思っていると紹介議員は聞いているか。

請願を出された方は、旧佐川邸公園のことを中心に考えられていらっしゃるが、市をよくしていきたいという思いを皆さんお持ち。

将来の子どもたちのことと、今の大人たちも、安心して安全に、快適に暮らせるといったところも重要に捉えられている。

愛着が持てたり、普段から自分たちの公園という意識で大切にしていける存在が近くにあることは、すごくよいことと考えていらっしゃると思う。

もし、ほかの公園に佐川邸公園の動きが広がっていくのであれば、それはすごくうれしいと感じているのではないか。直接伺ったわけではないので分からないが、そう思われているのではないかと思う。

大変だった点は

大変なことはどういうことがあったか。

ひとつは、市がどうやって動いているのか、市の内部事情、人的なリソースが足りてないとか、お金のリソースが足りてないといったところは、なかなか情報としてない部分もある。

そこに、私たち議員が参加し、情報を提供していたことは、市の考えていることと市民の考えていることのすり合わせをしていく上では、とても有効なことだったと思う。

最初は、近隣の住民の方々にチラシを配っても反応があるのかないのか分からないといったところだったが、最近は徐々に、国分寺市の方も参加されたり。活動が進み、具体化していく中では、参加してみようかなという方も増えていくのではないかと思う。

大変なところは何にでもあるので、継続してやっていきたいという意思は、皆さん参加されている方々は持っている。

これからの課題は

これからの課題は。

今後、市とともに考えていかなければならない部分が出てくる。そこは、新しい市長になってから、市と会の間で会合が持てたり、その中の話合いで、たとえばもっと近隣住民の人たちも含めて、パブリックワークショップのような形で、皆さんの意見を集約するような会合等が持たれたらよいのではないかと。前回の会議等で、そういう方向性が決まっている。

市民団体が行ったアンケートとしては、かなり精度の高いすばらしいものだと思う。このアンケート調査は今後どういうふうに活用していくか。アンケートに応じてくれた人や地域にはフィードバックすると思うが、どう考えているか。

市内では10地区の自治会の地区長に頼んで、アンケート調査をしている。コンセプト案とアンケート調査結果を合わせて公園の具体的なプランをつくり、たとえば市との話合いの中でパブリックワークショップをやると言ったときに、その一番のたたき台として、プランを使うといったことが考えられる。

会合の前に周辺にニュースを出しているのか

集まりをやる前にニュースを何回か出したと聞いているが。

毎回、会をやる前にはチラシを周辺の250戸ぐらいに配布し、お知らせしているということ。

担当課との関係性は

市がここまで粘り強く対応してくれたというのも、今までにない。担当課の皆さんの努力にはすごく感謝している。議員も何人か参加し、意見交換などしているが、その辺の感触は。

市の担当もよくここまで対応してくれているなと。協力的に意見を受け入れてくれる方向性がある。

公園開発整備は、市としても課題。お金がかかり、使われない公園では意味がなく、小さい公園が増えるとメンテナンス費用もかかってくる。どうしたらよいか悩んでいるところがあると思う。

そこに、こういう市民の側からいろいろな提案をつくったり、本当は市がやるようなことを肩代わりして市民ができるところまで進めていくことは、市にとってもひとつありがたいことなのではないかと思う。

今の担当課は協力的で、先ほど積算の資料も添付したが、こういうデータも積極的にくれる。会としてもありがたいと思っている。

全会一致での採択が望ましいか

全会一致で採択されることが望ましいと思っているか。

もちろん、会としては望ましいと考えている方が多いと思う。

近隣に住まわれている方々の中には、特定の会派の支持者の方もいらっしゃる。うちの会派は反対したという話になると、住民の方も困ってしまうところがあると思うので、全会一致が望ましいと思う。

コロナ禍の影響は

コロナ禍の影響は。

ひとつは、近隣住民の方に、会に御興味があれば参加してくださいというところで、高齢の方などは、人が集まる場所に出向くということで壁があったと思う。

もうひとつは、公園のコンセプトを考える際、コロナ禍を経て、今後生活様式が変わっていく中で、人々のストレスを開放していかなければいけないところもあってのコンセプト案になっている。

今後の新しい社会状況に対応できるようなコンセプト案になっている。そういったところが、よい影響だったのかもしれないが、コロナ禍が影響したところ。

会合は、人数が15人から20人ぐらいの方が参加されていて、密になりつつある状況もあるので、気を付けながら開催している。

市の今の考えを申し述べたい。

弁護士とも協議し、遺言公正証書に基づいて事業を進めている

市としては、今までこの遺言執行者である弁護士とも協議し、遺言公正証書に基づいて事業を進めてきている。

遺言書の内容が周辺住民に正しく理解されず請願になっているのは大変残念

寄附された今回の土地の一部を公園として整備する件については、事前に住民の方にも丁寧に説明を進めてきたと認識しているが、周辺住民の皆さんにおかれては、遺言書の内容が正しく理解されず、結果としてこのような請願という形になってしまっていることは大変残念に思っている。

請願者の発言などをいろいろ聞いていると、佐川先生ということが中心になっているようだが、今回のこの寄附は、佐川先生ではなく、あくまでもこの息子さんの敬行さんから市に寄附をしたいということで、それに基づいて市が寄附受けをしたもの。まずはそこの事実をしっかり御理解いただきたい。

道路整備について東京都が市のやり方に誤りがあると言っていたという発言は問題

また、請願者の発言の中で、道路を整備するに当たって東京都に確認したら、東京都も市のやり方はおかしいというような発言があったが、私どもとしてはそういったことは納得できない部分がある。

一体どのような話を東京都とされたかというのも我々はまったく不明で、東京都がどのような回答をその請願者に対して行ったか分からないが、市の行いに誤りがあるような発言があったということは問題視すべき点もあろうかなと思っている。

土地は一般寄附で、使途の限定はない

また、請願文書にある、合気は争う事を致さずということで、これもまた父親のほうの話を持ち出してきている。

これに関して一言言わせてもらえば、もともとこの土地については一般寄附ということで、特に使途の限定はされていない。

現金も、公園として整備するために寄附するというものではない

現金についても、公園として整備するために寄附するというようなものではない。しかし、どこかで誰かが違うような情報を周辺の方にも流し、だんだんそれが誤解を生んで市に対する不信感につながっているのではないかということは、大変残念なことと思っている。

門下の関係者がかなり厳しい主張をすることがある

門下の関係の方とも何度か調整してきているが、話をしている中では、自身の考え、言い分、主張が通らないときは、徐々にかなり厳しい口調になってきたりすることもある。

中には、自分は裁判をいろいろやっている。これについても、このままやっていくようだったら裁判になる、何年かかるか分からないというようなことを発言されたり、あるいは先ほどあった「深淵の色は」という文書についても、今原稿をつくっているところだ。市のやり方によっては、市を批判するような文章になるかもしれないので、そういったことも考えてくださいということも言ってきた方々。我々としては、合気は争う事を致さずというような文章が示されているが、違和感を感じるところもある。

いずれにしても、今回いろいろな誤解もある。我々としては、あくまでもこちらの遺言公正証書、これが事実のすべてだと思っているので、これをゆがめるようなことがあってはならない。

それは逆に寄附者の遺志をゆがめることにもなりかねないということがあるので、そこはしっかり押さえた上でこの事業に当たっていきたい。

遺言公正証書の概要と、それがもつ効力は

遺言公正証書の概要と、それがもつ効力は。

寄附には一般寄附と負担つき寄附というのがあり、寄附する方、遺贈される方が自由に選択できる。今回はそのうちの一般寄附。

負担つき寄附は、「これをやるためにこれは寄附する」「それをやらないのであれば、寄附しない」といった意思に基づいて寄附するもの。

今回の件は、たとえば現金について「公園を整備するために使ってもらうものであり、この土地は公園を整備するために全部使うものである」というしっかりとした思いがあれば、負担つき寄附を選択できる。

今回はそれをしていないので、いろいろな合気の話が広がっているが、あくまでも高齢の方が、ご自身の身の回りの整理をしたうえで、余った財産があったということで、これをよかったら市に使ってほしいということで寄附された「一般の寄附」というふうに市としては受け止めている。

先ほど紹介議員が、費用の計算をしている中で、市が多めにお金を見積もっているという指摘もあった。それは当然。負担つき寄附でない以上、万が一、市がこれを公園整備するに当たって、この寄附以外のお金をどこかで負担をしなければいけないということになると、そもそもこの寄附の前提が崩れてくる。負担つきでないにもかかわらず市が負担したとなると、場合によっては逆に住民監査請求の対象となり得る危険性もある。市としては、ある程度の余裕を見ながら整備するというのは、当然のことと考えている。

一般寄附なので、その差により、余剰が出たとしても、逆に特に何ら問題はない。

門下の方々と話合いをしている中では、この土地の扱いについては、市が勝手に決めることではない、あくまでも自分たちと協議して決定しなければいけないんだ、というような発言もされていたが、これはまったく事実と反している。

話し合いの場で、その方たちは「これは遺言執行者の弁護人が言っていたことだ」と言っていたが、これはうそ。そういったことは一切ない。弁護士のほうにも確認して、そんなことは言っていないという確認を取っている。我々としては、そういった誤解が周辺の方にも伝わってしまったのではないかということを大変懸念に感じている。

「深淵の色は」に書かれている内容に対する市の見解は

請願書に引用されている著書「深淵の色は」に書かれている内容に対する市の見解は。

請願者への質疑の中で「深淵の色は」に書かれていることが事実かといった質問があった。これについては、明確な答弁がなかった。

我々が門下の方からいただいたメールによると、「この本は、当方から津本氏にお渡しした情報をもとに書かれております」ということ。これを読む限り、この作者が直接寄附者にインタビューをして書いたものではなく、あくまでも門下生からの情報に基づいて書かれたものと捉えている。

また、合気公園とするということもあるが、遺言書には合気という言葉は一言も出てきていない。この寄附者御本人が、それほど合気に対して強い思い入れがあったというふうには我々は読み取っていない。それは事実。

これも間違いです。賛成討論で指摘しました。

「寄附者であるご子息は合気に対して強い思い入れがなかった」は間違い

公園の一部を売却して公園整備費用に充てることは遺言者の意向に沿ったものと理解しているのか

公園北側の一部を売却して公園の整備費用に充てることは、遺言者の意向に沿ったものであるという理解でいるということか。

本のことは、本当のところはたしかに分からない。ただひとつ言えることは、少なくともこの著者は、直接この寄附者からお話を聞いたのではないということ。あくまでも今回は、この門下の方が著者に出した情報に基づいてこの本が書かれたというのは事実だと思っている。

市は、さも寄附者本人の言葉ではないと言いたげですが、その認識が間違いであることは、最後の賛成討論で指摘しました。

「本人の言葉ではない」は間違い

請願内容は、寄附者の意向と合致すると考えているか

今回の請願内容は、寄附者の遺志と合致すると考えているか。

請願の内容は2点。

1点目の「土地を売らないことを含めて」は、もともと一般寄附という形で受けているので、市が公園として整備するに当たり、財政負担を生じるということは起こってはならないことと思っている。

これも間違いです。賛成討論で指摘しました。

「一般寄附だから付随して市の財政的負担はできない」は間違い

これは、寄附者自身がかなり控え目な方だったと考えている。要するに、「できれば公園にしてください。無理のない範囲で。市に財政負担もかけたくない、誰かに迷惑をかけたくない。ただ、うまく使っていただけるんだったら使ってください」という思いだったというふうに我々はこの遺言書からは捉えている。

今回、土地を売ること自体は認められている。遺言執行者の弁護士の方も、それで構いませんと。市としては、財源を確保するために土地を売り、その代わり、寄附者の思いを少しでもかなえたいということで、公園として整備する選択をしてここまで進めてきた。

土地を売らずに市に負担が出る、またはふるさと納税を使ってというのも、結果として他市の財源をある意味持ってきてしまう。それが果たしてこの寄附者の意向に沿うものかどうか。もともとは、できるだけそういう負担をどこかにかけたくないという思いであれば、そういったことも避けるべきと考えている。

これも間違いです。賛成討論で指摘しました。

「市への財政負担は寄附者の遺志に反する」は間違い

後段の「市民の意見を聞きながら公園整備を行う」というところは、当然周辺住民の方へのいろいろなお付き合いもあったようなので、そういった方の声を聞いてよりよい公園にするということは、市の考えとも合致する。

2点目の「ふるさと納税制度の活用」は、ふるさと納税を使うことで土地を売らないという選択をするということで考えると、市の財政上は結局何もプラスにはなっていない。

ふるさと納税を使うケースは考えないのかというと、これはたとえば今回はちょっと特殊な例だが、普通に小平市がもともと計画している公園があり、それがなかなか財政的な負担があって進まないといったときに、その際に寄附を集めるということはあり得る。

ただ、今回のこの公園は、もともと市として公園として整備する予定はなかったもの。なので、ここに対して何か新たな財源を入れてやるということは考えていない。そのため、ふるさと納税を使うのは、この件に関しては適当ではないと考えている。

先ほど紹介議員が、ふるさと納税の寄附は控除があるのが当然ではないかと言っていたと思うが、ふるさと納税の控除がなくてもいろいろ寄附をする方はいる。

市に寄附する方もいるので、もし本当にこの公園を純粋な思いで公園として整備していきたいという道場の方がいるなら、それはふるさと納税を使わず、皆さんから自由に資金を集め、その資金を活用して自分たちの思う公園をしっかり整備していく、住民の方と自主管理していくということは可能な選択肢だと思っている。

採択された場合、市として請願内容を実施する考えはあるか

請願が採択された場合、市としては請願内容を実施する考えはあるか。

今回の寄附者の遺言書に載っている寄附者の意向を最大限生かしながら、今回の請願をどう達成するかを考えると、まずは負担をどこかに押しつけずにやるということでは、本当に整備をしていきたい、自分たちで資金を集めてやっていきたいという方から、直接その方たちが寄附を集めるという手法がある。

市が行わなくても自由にクラウドファンディングを個人でやっている方もいるので、そういったことで全国門下の方に声かけをして少しずつでも集めて、その資金の中でゆっくりこの公園を整備していくということは可能と思う。

我々も前提が崩れるということであれば、いったん、市としては、この公園整備は手を引くというか、中断させてもらい、あとは市民の方と門下の方、整備していきたいという方が、独自に資金を集めて進めるという選択肢はあると思っている。

それに併せて、市としては、安全性を確保するために、一定の安全配慮のための協議を行ったりしていくといった側面的な支援をしながら、自主的な、新しいタイプの公園として地域の中で生かされていくということは可能性としてあると考えている。

市の土地に、市民が寄附を集めて建物を建てたり遊具をつくることが可能ということか

自分たちで寄附を集めて造れというのは、市の財産の土地に市民が寄附を集めていろいろな建物を建てるとか、遊具をつくることをしてもよい、そういうことができるという意味で言ったのか。

ケース・バイ・ケースと思っている。今回は、まさに新しいタイプの公園ということで、そういったことも可能性として述べた。

当然それを整備するに当たっては、遊具なりつくり込みの危険性があってはならない。周辺の住民に対して不安を与えるようなものであったり、周辺の安全性の確保は必要。整備するに当たっては、当然担当課と十分協議しながら進めていただくということを前提として述べている。

そういう前例のないやり方も、市として選択肢のひとつと考えているという認識でよいのか。

完全に約束ではないが、そういったことも考えられる。選択肢としてあり得る。

付託委員会での取り扱い

採決

  • 公明党会派のみ反対❌
  • その他会派の議員は賛成⭕️

賛成多数で、採択すべきものとなりました。

本会議での主なやり取り

討論

一人会派の会の賛成討論

私(安竹洋平)が賛成討論を行いました。

まず、総務委員会もしくは先ほどの反対討論において、主に3つの論点が話題になっております。先ほど佐藤徹議員は4点ということをおっしゃったんですけれども、今回用意した3つの論点のうちひとつに含まれていますので、後ほど述べます。主に3つの論点が話題になっていますので、それぞれについて我が会派の主張を述べさせていただきます。

なお、これらの論点は請願の趣旨とは関係がないため、本来は我が会派の主張を述べる必要もなく、時間をかけることも本意ではないのですが、反対されている方々や企画政策部長がこれらの点を特に気にされていることから、あえて述べさせていただくものであることを御承知おきください。

私も、この背景の情報を持っていなければ、先ほど佐藤徹議員がおっしゃったように、反対の立場での考え方も成り立つのかなというところなんですけれども、実際は背景の情報を多く持っていますので、それらに対して我が会派の主張を述べるものです。

「本人の言葉ではない」は間違い

まず1つ目の論点として、遺言者である佐川敬行氏が述べたとされる、自宅の跡地を笑顔で過ごせる公園にし、合気公園の名称で、将来、合気の聖地として親しまれる場所になってほしいという言葉を、本人は言っていないのではないかという点についてです。これを調べてもらったところ、これは敬行氏のお世話をいつもされていたヘルパーの方が、直接、敬行氏の口から聞いたものだそうです。先日の総務委員会の後、この方に電話をかけて、該当部分を読み上げて確認したところ、そのとおり間違いなく敬行さんがおっしゃっていたと言われたそうです。また、その方は、必要であればいつでも証言に来てくださるそうです。なお、この方は道場関係者ではありませんし、また、書籍があること自体も、電話を受けるまでは全く御存じなかったそうです。

私は、書籍の信憑性が疑わしいというふうに、明確な根拠もない、証拠もない状況で声高に主張するということは、書籍の売上げに響くことでもありますから、それこそ名誉毀損で訴えられる可能性もあるのではないかと思います。

いずれにしろ、今述べたように第三者の証言があることですから、もし今後もこの論点を問題にし続けるのであれば、ヘルパーさんに小平市まで証言に来ていただくことになるなど、それこそ小平市は何をやっているんだということにもなりかねないと思います。

「市への財政負担は寄附者の遺志に反する」は間違い

次に、2つ目の論点として、企画政策部長は、市に財政的負担を生じさせたり、ふるさと納税を活用したりすることが、敬行氏の遺志に反するという説明をされました。しかし、これも間違いです。なぜなら、市が財政負担をするか否か、ふるさと納税を活用するか否かについて、遺言書には一切記載がありません。市の判断に委ねられています。したがって、市が財政的負担をしたり活用したりすることは、敬行氏の遺志に反するという主張は明らかな間違いです。

なお、公正証書には次のように書かれています。先ほど竹井議員が少しおっしゃったんですけれども、『遺言者は、小平市が前項により遺贈を受けた土地を公園として活用することを希望する。そして願わくは、その公園に遺言者の父、佐川幸義氏の顕彰碑を建ててほしい。顕彰碑のデザイン、碑文等については小平市と木村達雄が協議の上決定してほしい。』これを素直に読めば、むしろ3,000万円別途寄附していただいているお金も公園づくりに使って、土地全体を公園にすることが遺志にかなうものだと、そういうふうに捉えることもできるのではないでしょうか。

「一般寄附だから付随して市の財政的負担はできない」は間違い

次に、さらにつけ加えれば、これが先ほど佐藤徹議員がおっしゃっていたもう1点の論点になるわけなんですけれども、企画政策部長は、一般寄附だから市が財政的負担をするのは遺言者の遺志に反しますという趣旨のこともおっしゃいました。しかしこれも間違いです。たとえ一般寄附の場合であっても、財政的負担をするか否かは市の裁量です。つまり、財政的負担をして公園を造ってもよいし、財政的負担をしない範囲で公園を造ってもよいのです。一般寄附だから財政負担をしてはいけないということはありません。

「寄附者であるご子息は合気に対して強い思い入れがなかった」は間違い

もうひとつ、遺言に関連して、亡くなった方の名誉のために触れておきたいのですが、総務委員会での質問で「遺言者にお父様の功績を残したいという御遺志はあったか」という質問がありました。また、企画政策部長が御答弁で「高齢の方が御自身の身の回りの整理をした上で、余った財産があったということで、これをよかったら市に使ってほしいということで寄附をされた一般の寄附だ」とおっしゃったり、「遺言書には合気という言葉は一言も出てきておりません、ですから、この寄附者御本人が、それほど合気に対して強い思い入れがあったというふうには、我々は読み取っていません」とおっしゃったりしています。

しかし、先ほど述べたように、遺言書には、『願わくは、その公園に遺言者の父、佐川幸義の顕彰碑を建ててほしい』とちゃんと書いてあるんです。これを読めば、遺言者である御子息には、合気の達人であった父の功績を残してほしいという気持ちがあったと考えるのが自然ではないでしょうか。むしろ逆に聞きたいです。遺言書に顕彰碑を建ててほしいと書いておきながら、父のやってきたことや合気には特に何の思い入れもなかったという、そんな判断になる何か根拠があるのでしょうか。私は、これは亡くなった方々の、親子の情に対する侮辱にもなりかねないことなのではないかと感じます。

「売らないことも含めて」は地域の方々の願い

次に、3つ目の論点として、総務委員会で企画政策部長は、門下の方は、この土地は絶対売ってはならないという立場ですと答弁されました。これを聞くと、話の流れからして、さも道場関係者が裏で糸を引いて住民をけしかけて、この請願を含めて土地を絶対に売らない活動をやらせていると言わんばかりですけれども、これも間違えています。道場関係者は2年にわたる市との協議の結果、土地の3分の1を売却することはやむを得ないと考えて、合意に達しているという事実があります。当然ながらこの事実は企画政策部長も御存じのはずです。旧佐川邸の公園化を考える会でも、事前にそのことはしっかり説明されています。つまり、売らないことも含めてというのは、地域の皆さんの願いに基づいているんです。もしこれ以上、道場関係者が裏で糸を引いているといったことを疑われるのでしたら、地域の方々に直接聞いていただきたいと思います。私は、企画政策部長の言葉を聞くと、どうも道場関係者だけではなく、市民も信頼していないと言っているような、そんな印象を受けてしまいます。

以上、長くなりましたが、結局、3つの論点、佐藤徹議員がおっしゃったように4つというふうにも言い換えられるんですけれども、その論点は全て間違えており、それが間違いであることを証明するしっかりしたエビデンスもあるということになります。

市と争う意図をもって提出しているわけではない

しかし、重ねて申し上げたいのは、この請願は市と争う意図をもって提出しているわけではないということです。今述べた主張は、建設的な方向に進むために、誤解や偏見を解くことを目的として仕方なく申し上げているものです。請願書をよく読んでいただければ分かりますが、今回の請願は、最初から、市民と市が信頼し合い、共に理想的な地域の公園を造っていこう、これから公園整備の在り方を考えていこう、そういう純粋な願いに基づいているものです。市と対峙するようなことは全く含まれていません。

この請願は、本に書かれていることが真実かどうかや、遺言の解釈がどうのといった限られた領域の話ではなく、地域の方々の願いに基づき、市民と市が信頼し合って、本当の協働に至る道を進むための一歩となるものです。市内に多く存在する公園が抱えている課題や、これから新設される公園が抱える課題の解決に向けた前向きな提案でもあります。

以上の理由から、一人会派の会としてこの請願に賛成するものです。

市民のために何が本当によいことなのか

なお、最後に触れておきたいことがあります。この請願に反対されている会派の皆さんも、賛成している会派の皆さんと同様に、市民のために何が本当によいことなのかをよく考えた上で反対されていることと思います。しかし、ぜひもう一度次のことを考えていただきたいです。

地域の方々にとっての理想の公園像としてのコンセプトもプランも何もできていない状態で、市が予算計上のために大ざっぱな案をつくって、大ざっぱに見積もってみたらお金が足りない計算になった、だから土地の3分の1をぽんと売ってしまおう、そんなやり方で本当にいいんでしょうか。長い歴史とか、たくさんの人々の思いが残る土地を寄附してくださったのに、そんな理由でぽんと3分の1も売られてしまう。面積がとても小さくなります。そうすると、ほかの公園と代わり映えのない、地域の方々が愛着を持たないような、ほとんど使われないような、そんな公園がまたひとつできてしまうのではないでしょうか。それが本当に市民の福祉にかなうことなのでしょうか。

この請願に反対の方も、理想の公園づくりに向けてお力添えを

今回、私が冒頭に述べた主張の部分で、反対されている方々の懸念が解消されて、御納得いただければよいのですけれども、もしそうでなくとも、何が本当の市民の福祉になるかということについては、お互い考えを持ち合わせているわけですから、それをすり合わせていけばよいように思います。理想の公園づくりに向けて、ぜひ今後ともお力をお貸しいただきたいと思います。

以上です。この請願の採択を受け、地域の方々と市が対等の立場で検討を積み重ね、地域の方々に喜ばれる公園が造られることを願い、一人会派の会の賛成討論といたします。

採決

賛成多数で採択されました!!

そして、私が賛成討論で述べたような理想的な方向で進んでいます。

すべての経緯は次のページにまとめていますので、ぜひ一度ご覧ください。

旧佐川邸の公園化を考える会・これまでの経緯(2)

賛否一覧

賛否一覧はこちらをご覧ください。