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議案第24号 専決処分(小平市税条例の一部を改正する条例)の承認を求めることについて
即決
📄会議録(本会議)
提案理由の説明
(小林洋子市長)
本案は、本年度の地方税制の改正に伴うもので、条例改正の根拠となる地方税法等の一部を改正する法律が、本年3月31日に公布され、同年4月1日から施行されることに伴い、本年度の課税事務を進める必要から、同年3月31日付けで小平市税条例の一部改正の専決処分をさせていただいたものです。
改正の主な内容ですが、第1点目は、固定資産税につきまして、本年度から令和5年度までの間、現行の土地にかかる負担調整措置の仕組みを継続し、その上で、本年度に限り、負担調整措置等により課税標準額が増加する土地について、昨年度の課税標準額に据え置く特別な措置 を講ずるものです。
また、都市計画税につきましても、固定資産税の改正に伴う所要の改正を行うものです。
第2点目は、軽自動車税につきまして、新たな令和12年度燃費基準の下で、地方税法において、環境性能割の税率区分の見直しが行われることに伴い、小平市税条例の関係規定の整備を行うものです。
また、自家用乗用車にかかる環境性能割の税率を軽減する特例措置の適用期限を9か月延長するものです。
解説
地方税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第7号)の交付に伴い、小平市の関連条例を改正したものについて、専決処分の同意を求める議案です。
固定資産税・都市計画税について
負担軽減措置とは
負担軽減措置とは、土地の評価額が上昇した場合等に、そのまま税額が上がると負担感が大きくなることから、毎年徐々に価格(本則課税標準額)に基づく税負担へ近付けていく措置のことです。
これまでの負担軽減措置の変遷は小平市のサイトにまとまっています。
負担水準とは
次の式で求められる数値です。土地の昨年度の課税標準額が今年度の固定資産税評価額に対してどの程度なのかを示す指標です。
負担水準の計算式 |
---|
住宅用地と市街化区域農地の場合 |
\[ \frac{前年度の固定資産税課税標準額}{今年度の固定資産税評価額 \times 課税標準の特例率} \times 100 \] |
非住宅用地(商業地等)の場合 |
\[ \frac{前年度の固定資産税課税標準額}{今年度の固定資産税評価額} \times 100 \] |
負担水準に応じて、課税額の急激な上昇を緩和する効果があります。
負担水準 | 地価上昇中 | 地価下落中 |
---|---|---|
高い | (負担水準は低くなる) | 課税標準額の引下げ/据え置き |
低い | 課税標準額をなだらかに上げる ただし令和3年度はコロナ禍の特例で据え置く |
主な質疑
これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。
それぞれの住宅区分の数は
固定資産税が7,200万円の減収見込みだが、これは小規模住宅用地と非住宅用地でどういう内訳か。
住宅用地、小規模住宅用地、その他の数について、詳細な数字は今持ち合わせていない。
規模感が知りたい。小規模住宅用地や非住宅用地の数は把握していないのか。
手元に筆数の資料は持ち合わせがない。
🕵 住宅用地区分ごとの数は不明
私は基本的な数値だと思ったのですが、市は、区分ごとの筆数のデータを持っていないようです。金額ベースでしか分からないのだとか。区分ごとの数値を元に金額を計算しているのだと思いましたが、仕組みがよく分かりませんが、もともと金額の方で把握しているようです。
後からもらったデータでは、金額ベースだと次のようになるそうです。
*今回の軽減措置による影響額
区分 | 万円 | 割合 | |
住宅用地 | 小規模住宅用地 | 6,100万円 | 84.7% |
一般住宅用地 | 900万円 | 12.5% | |
住宅用地以外の土地 | 200万円 | 2.8% | |
合計 | 7,200万円 |
区分 | 万円 | 割合 | |
住宅用地 | 小規模住宅用地 | 2,100万円 | 84% |
一般住宅用地 | 300万円 | 12% | |
住宅用地以外の土地 | 100万円 | 4% | |
合計 | 2,500万円 |
このデータでは、市内にある宅地の規模感がわかりませんね。
専決処分ということについて
市長はどう認識しているか
毎年のように、年度をまたがるような法改正があり、税制に限らず、国民健康保険などでも出てくるが、国会議員にこういうことをやめろと言っている。
市長は専決処分を行うことについてどういう認識を持っているか。
条例改正の根拠となる地方税法等の一部を改正する法律が公布されたのが3月31日で、それをもって条例改正の公布、施行ということになっているので、どうしても市長の専決処分という手続きは外せない。
国に申し入れをしているか
このような地方自治をないがしろにするようなやり方がまかり通っていることについて、今後、市長会などを通じて、国会に改めてもらうような、そういった申し入れをしているか。
なかなか難しいと考えている。そういう機会があれば考えてみたい。
事情は分かっている。そもそも専決処分というのは特別なことをしている、その認識が市長にあるかと聞いている。
私はこれは国がけしからないと思っている。地方自治、地方議会をないがしろにしている。国会議員に会った時に改めろと言っている。
市長会を通して言うのは市民部長が答えることか。越権行為ではないか。
私もこの議案の説明を受けたときに、通年議会だったらどうなるかと聞いたが、「3月31日に示される以上は通年議会であっても専決処分になる」と説明を受けた。
市長会という形かどうかは判断しかねるが、機会を捉えて国に申し入れしていきたい。
🕵 市税条例の改正が専決処分になってしまう理由
国の地方税法の法律の改正は、例年、1月末から2月初めに国会に改正案が提出され、その後衆参両院で審議され、3月下旬に決定という流れです。その後、地方公共団体は、3月31日までに条例を改正して公布しなければならなくなることが多いです。4月1日に公布して即日施行となることもあるようです。
これは、租税法には「原則として遡及適用してはいけない」という解釈があるためです(異論もあります)。そうすると、自治体としては、「年度の始まる4月1日から1日も遅れてはならない」という考えになります。そうすると、議会を招集している時間的余裕がないため、専決処分になります。
問題の原因は、国会での決定が遅いことです。国会でもっと早く審議すれば、地方公共団体は、専決によらず、議会を招集して審議できるわけです。
税金という重要な事項を、地方の議会を通さず、強制的に適用するようなもので、民主主義のプロセスが一段省かれることになります。
なお、平成24年の改正のための政府における議論で総務省が調査した次の資料によれば、岩手県、秋田県、新潟県、大阪府、兵庫県、鳥取県、佐賀県の7団体は、「その地方税法が改正されるという仮定」のもとで、3月中に条例を提案し議決しているとのことです。また、石川県、静岡県、三重県、長崎県の4団体は、「地方税条例の改正が4月1日を少しぐらい越えても仕方がないと考え、議会に提案し、改正条例を提案して議決している」ということになります。
私は、これらの団体のやり方が、まっとうな民主主義のプロセスだと思います。
本会議での主なやり取り
討論
なし
採決
全議員が賛成⭕️
承認されました。