議員提出議案第43号 放課後等デイサービスの報酬設定見直しを求める意見書提出について

厚生委員会付託

📄会議録(初日委員会最終日

ポイント

放課後等デイサービス事業所の専門的支援加算について、5年以上経験のある保育士・児童指導員を対象に含めるよう、国に求める意見書です。背景は議員提出議案第41号のまとめをご覧ください。

  • 文言を修正して出し直された議員提出議案第45号が、全会一致で可決しました
  • 可決した意見書は、宛先へ送られます(特に拘束力があるわけではありません)

⭕️ 私(安竹洋平)の判断:賛成

次のような問題はありましたが、意見書を出さないよりは出した方がよく、議員提出議案第41号を提出した理由にもとづき、賛成しました。

事業者の方々は、当初、小平市への請願を出したいという意向でした。しかし、途中から、意見書のみで訴えるということになり、疑問を感じました。どうやら、ほかの会派の議員が、請願を出さないよう説得したようです。

意見書は実効性が不明であり、請願よりもはるかに効果が薄いものです。一方、請願は署名活動もできますし、窮状にある事業者にとっては、早急な支援が必要であることを考えれば、請願を出すことが最もよい方法です。私も橋本久雄議員も、請願を出した方がよいと提案させていただきましたが、事業者からは意見書でいくということになりました。

早急な支援が必要ということで、私たちは議員の立場で議員提出議案第41号を提出しました。全会一致で採択され、令和4年9月定例会で、補正予算第4号に補助金が計上され、支援につながっています。

提案理由の説明

(川里富美議員)

本議案は、放課後等デイサービスの報酬設定見直しを国に対し求める意見書であり、きせ恵美子議員、さとう悦子議員、水口かずえ議員と連名で提出するものです。

令和3年4月から、障害福祉サービスの報酬改定が実施され、障害のある子どもの放課後などの活動を支える放課後等デイサービスの場合は、多くの事業所が大幅に減収となって、これまでの支援の質を保つことが難しくなりました。

そのため、障害児放課後グループ連絡会・東京、都内の放課後等デイサービス事業所70事業所で構成しているものですが、東京都議会に放課後等デイサービスへの緊急的な支援に関する陳情を行ったところ、令和3年第2回定例会において、全会一致で意見つき採択されました。

この陳情をもとに、小平市の事業所から何かアクションを起こせないかと御相談を受け、何度も話合いを重ねた結果、先ほど採択いただきました東京都に対しては陳情内容を実行することを求める意見書を提出することとし、国に対しては報酬設定の見直しを求める意見書を提出するものであります。

詳細に関しては、お手元に配付しました資料のとおりです。

御審議のほどよろしくお願いいたします。

厚生委員会での提出者代表議員の説明

令和3年4月から障害福祉サービスの報酬改定が実施されました。

資料1を御覧ください。こちらは2月4日に厚生労働省が発表した今年度からの報酬体系等の見直しの資料になります。下段左側にある現行とあるのが令和2年度までのものです。質の低い事業所があるとのことで考えられた前回の報酬体系では、区分1と区分2という子どもたちの障害の判定を行い、区分けしていました。この指標該当児判定は、子どもの表面的な特徴を聞くものに限り市区町村が判定をするということで、全国的に統一された方法になり得ないなどの問題がありました。

そのため、3年ごとの報酬体系等の見直しの際に改定がされ、図右側の報酬体系に令和3年度からなったもの、見直し後と書いてあるものになります。新しい報酬体系では、専門的支援加算や個別加算の体系ができて、従来子どもたちのサポートをしてきた保育士や児童指導員への加算が少なくなっていることになっています。

そのため、資料2、3を御覧いただきますと分かるんですが、2のほうは、どれくらい減収になるのかを計算する東京都からいただいたシートになりますが、そこに各事業所が計算式を入れたものになります。一番下を見ていただきますと、報酬改定の影響が大幅な減ですとか、減というふうになっており、小平市の多くの事業所では大幅減収、もしくは減収となって、人員削減をせざるを得ない状況になります。

市内の9事業所は平均年間300万円程度の減収が見込まれています。そうすると、個々の子どもたちに対応した、これまでの支援の質を保つことが難しくなります。放課後等デイサービスは就学児以降の子どもたちが通うもので、就学児前の児童発達支援事業とは違うという意見もありますが、障害の重さ、必要なことは個々により、保育士や児童指導員が必要とされている現実の現場があります。

また、専門的支援を行う理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を必要としている事業所もありますが、この新しい報酬改定の資料1の右側の図、見直し後の3になる専門的支援加算のところになる人たち、この報酬加算による給与形態では、なかなか来ていただけない現状があるということも述べさせていただきます。

こうした大幅な減収によりサービスの質を保つことができないため、障害児放課後グループ連絡会・東京、都内の放課後等デイサービス事業所70事業所で構成がされていますが、東京都議会に放課後等デイサービスへの緊急的な支援に関する陳情を行ったところ、令和3年第2回定例会において全会一致で意見付きで採択されました。

この陳情をもとに、小平市の事業所から何かアクションを起こせないかと御相談を受けまして、何度も話合いを重ねた結果、先ほど採択いただきました東京都に対しては、陳情内容を実行することを求める意見書を提出することとし、報酬設定を行っている国に対しては、設定の見直しを求める意見書を提出するものであります。

放課後等デイサービスに通うお子さんの保護者からは、現在のサービスを持続し、事業所の存続を切に願う声も届いております。御審査のほどよろしくお願いいたします。

資料

主な質疑

これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。

なし。

この議案は厚生委員会に付託されました。主な質疑を記します。一人会派の会からは、橋本久雄議員が委員として参加しました。私の質問も託しています。

9団体は市に請願を出したいということだったのに、なぜ実効性が不明な、国と都への意見書になったのか

この事業は国と都と小平市が財源を担っている。国が4分の2、東京都と小平市が4分の1ずつ。

国がこの意見書を採択して、全体の事業費が復活してほしいと思っているので、この意見書にはもちろん賛成する。

この意見書は、ゆうやけ子どもクラブほか9つの団体が請願を出したいと各会派に打診をした結果、請願ではなく、「小平市は難しいから」、国と東京都に意見書を、というやり取りがあったのだろう。

9団体は国と東京都と小平市に出したいということだった。(小平市に)請願を出したい人たちは請願を出したかった。それがなぜ(国と都への)意見書に変わってしまったのかが非常に分からない。

請願と意見書であれば、インパクトも含めて、当然、請願のほうが重みがある。請願は、請願者が自分たちの意見を言うことができる(意見書はできない)。なぜそういうことになってしまったのか。

事業者の方と話合いを重ねた結果、一番望んでいることが「東京都の採択を後押ししてほしい」ということだった。

それにとって一番よいことというのを何度も話合いを重ね、事業者が市への意見書を望まないということだったので、私たちとしては東京都と国に対して出すことにした。

問題そのものが報酬体系の問題だったので、国に対して出すべきということで、国に出すことになった。

よく分からなかった。なぜ請願ではなく、意見書に変えたのか。請願を出したいという人が、そう言ったからということでよいか。

よい。

私の理解ではよく分からない。請願を出したいといった団体が、請願ではなく、意見書にしてほしいと言ったということ。それ以上は聞きようがないので、それ以上は結構。

報酬改定の前提である「質の確保」について記載がない理由は

そもそも報酬改定の見直しは、質の確保をしなければいけないという前提があっての改定。ここにはその辺のことがまったく触れられていない。そういう認識でよいか。

質の確保をしていく中で、項目に挙げられているものは非常に限定的。こういう限定的なものでよいのか。

この4月から始まったことを、今すぐ細かい具体的なことで見直してくださいと言うのは、違うのではないかと思っている。

この改定自体が質の確保のために行われているということは承知している。より手厚い支援が必要な子に対する加算があり、新しい区分が必要だということも理解している。

ただ、この1年間だけでも300万円以上の赤字になり、そこだけを直せばどうにかやっていける。全体のことを広く見ようとすると、3年ごとの改定になる。すぐに手を打ってもらいたいということで、この1点になっていると。

すぐに手を打つためなら、3年ごとにしか動かない国に、しかも意見書という非常に弱い手段で要望するよりも、市に対して請願するなど、強い手段で要望すべきです。

そのため、議員提出議案第41号で決議を出しています。本当は、請願を出すことが理想的です。

どうしてもこの1に限定しなければいけないか。文章についても「質の確保をしていきましょうという報酬改定」という大前提がないと、単に攻撃をしているだけになる。

おっしゃったことは理解はできる。

「予定している改定を速やかに検討してほしい」といった方向性ではどうか

春の国会の答弁で、厚生労働省大臣が、まだ始まったばかりで少し様子を見てほしいということで、事業者のいろいろな意見を聞きながら、改定も視野に入れたような答弁があった。

しっかり、そういった改定も見据えたようなものを速やかに検討する場を持ってくださいとか、検討する方向性の意見書がよいと思うが、どうか。

ある事業者は、この4月から8月で、すでに580万円の減収になっている。なるべく早く手を打つためには、ここに限定した話になってしまうのではないかと思う。

何度も書きますが、意見書では早く手を打てない、というのが私の認識です。

議員提出議案第41号・理事者側の説明をご覧ください。

議員提出議案第41号・理事者側に対する質疑をご覧ください。

付託委員会での取り扱い

表現の修正等を行うため、一度議案を撤回し議員提出議案第45号として、再度提出されることとなりました。

本会議での主なやり取り

議員提出議案第45号として、再度提出することとなりました。

賛否一覧

賛否一覧はこちらをご覧ください。