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議案第59号 令和2年度小平市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
*議案第57号、第58号、第59号、第60号、は同種のものなので一括議題
特別会計・下水道事業会計決算特別委員会付託
提案理由の説明
(小林洋子市長)
介護保険事業の概要でございますが、第1号被保険者数は4万5,679人で、前年度に比べ1.0%の増となり、要介護、要支援の認定者数は9,467人で1.0%の増となっており、高齢化の進展に伴い、第1号被保険者数及び要介護等認定者数ともに増加しております。
また、昨年9月に発生いたしました高額介護サービス費の支給誤りにつきましては、対象となった方に対し、返還及び追加支給の手続を進め、丁寧な対応に努めるとともに、事務処理マニュアルの見直しや、複数職員による確認体制を整えるなど、再発防止を図っております。今回の件を重く受け止め、引き続き適正な事務処理に努めてまいります。
決算の概況でございますが、歳入総額は143億4,479万5,000円、歳出総額は139億892万6,000円で、実質収支は4億3,587万円となりました。
歳入につきましては、前年度に比べ4.8%の増となっております。主な増の理由は、法定負担割合に応じた国庫支出金、支払基金交付金及び一般会計繰入金の増によるものでございます。
歳出につきましては、前年度に比べ3.3%の増となっております。主な増の理由は、歳出の9割以上を占める保険給付費が、要介護等認定者数の増や介護報酬の増額改定のほか、特別養護老人ホーム等の整備に伴い入所者数が増加したことにより、増となったものでございます。
そのほか、地域支援事業では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた高齢者への支援に取り組みました。
以上が決算の概要でございます。
資料
主な質疑
これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。
主な質疑の目次
- なし
- 必要な人が介護保険サービスを受けられているか
- コロナ禍での利用控えにより家族負担が増えていると聞くが、市として何か行ったか
- 通所系サービスの利用実績が計画値よりかなり低くなったことについて、詳しく
- 高額介護サービス費の支給誤りについてはどうなったか
- 保険給付費が前年度と比べて約4.9億円増の理由は
- 市の介護保険制度について、今後の見通しは
- 介護給付費等準備基金の積立についての方針は
- 高齢者の生活状況の実態調査はどう行っているか
- アンケート調査はどう行い、結果はどうで、それを受けて何をしたか
- 介護認定について
- 認定結果に不服ありで相談や東京都に不服申し立てはあったか
- 市内の特別養護老人ホームについて
- 障害者の介護サービスについてはどう考えているか
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの整備予定は
- 市内で在宅医療をしている医療機関数は
- 生活援助についてはどうなっているか
* は『一人会派の会』議員の質問です。
なし
この議案は特別会計・下水道事業会計決算特別委員会に付託されました。主な質疑を記します。
一人会派の会からは、橋本久雄議員が委員として参加しました。
必要な人が介護保険サービスを受けられているか
必要な人が介護保険サービスを受けられているか。
介護サービスは大きく分けて3つある。
- 在宅で訪問介護やデイサービスを利用する居宅サービス
- 市で整備を決める地域密着型サービス
- 入所系の施設
それぞれ利用率を出している。認定者数が、令和2年度末9,467人に対し、介護保険サービス利用者の合計は7,186人。
率にすると、要介護認定・要支援認定を受けている方のうちの76%程度が利用している。若干重複して利用している数があるが、約7割。
コロナ禍での利用控えにより家族負担が増えていると聞くが、市として何か行ったか
令和2年度、コロナ禍の影響で介護サービス利用控えにより家族の負担が増しているという話を聞いているが、それを受けて何か行ったか。
通所サービスの事業が相当少なくなっている。金額では約3,400万円の減。緊急事態宣言発出中の利用控えが相当あった。件数では例年より200件ぐらい減っている状況が約3ヵ月間続いた。
通所施設を閉めることはなく、介護事業所は相当苦労して開所し、希望する方は通所を受け入れた。
家庭内での介護が相当厳しかった時期があるのも認識しているが、コロナ禍では一定のリスクとしてはやむを得ないと認識している。
施設によっては、職員が家庭訪問して様子を聞いていた時期もあった。その範囲内で負担の軽減になったと思う。
特にその時期に新しい事業を行ったことはない。
通所系サービスの利用実績が計画値よりかなり低くなったことについて、詳しく
通所系サービスの利用実績が計画値よりかなり低くなったことについて、詳しく。
地域包括ケア推進計画の進捗状況に掲載しているとおり、通所系サービスは、計画値よりはかなり下がっている。
この結果は決算の数字にも現れており、昨年度と比べて、保険給付費においても令和2年度は通所介護、通所リハビリテーションにおいてマイナス。短期入所生活介護や短期入所療養介護についても、約14%の減。短期入所療養介護などについても約40%減。
こうしたことは今までにはなかった。要介護認定者数が増えたり、報酬改定もあるので、給付費が上がると見込んでいたが、コロナ禍による利用控えがあったものと受け止めている。
利用控えと同時に、ショートステイ(短期入所生活介護)については、特別養護老人ホームや介護老人保健施設で受入れをしていることから、事業者側が一時的に受入れを中止していたり、人数制限をしていた。それは施設側のクラスターの防止という観点からの対応をしたという報告は受けている。
こうしたことで、介護事業所は収入の多くを報酬が占めているので、事業者の収入は減っていると受け止めている。
市としての支援としては、一般会計の内容になるが、事業所に対して、かかり増し経費の衛生用品やマスク等の備品の補助、PCR検査費用の補助などを行っている。
介護サービス事業所におけるコロナ禍の影響は大変多いものと受け止めているので、今年度も介護事業所に対しては補助金等も行いながら、介護サービスの継続に努めてもらいたいと考えているので、引き続き支援をしていく。
高額介護サービス費の支給誤りについてはどうなったか
高額介護サービス費の支給誤りについてはどうなったか。
昨年のこの事務処理ミスの発覚の時点で、総務部から、9月29日に、全庁向けに適正な事務執行を行うよう、改めて所属職員に対する指導および監督の徹底ということで通知を発出した。
加えて、その直後の庁議において、私、副市長から、通知の観点で、各職場で再度事務の再点検をということで指示している。
今後このような事務処理ミスが通常の業務の中で基本的に起こらないように、マニュアルの整備等々、あるいは各職場が持っているヒヤリ・ハット、そういった事例を全庁的に共有するとか、そうした事務処理におけるリスクへの対応ということで、これは小平市経営方針推進プログラムの中でも検討していこうということで取り上げているので、すでに各職場においては、そういったマニュアルやチェックリスト等々は基本的にはあるが、いま一度この事故防止、リスク防止という観点で、全庁的にどういう形が取れるか、徹底できるか、そうしたことを今後検討して、より強い体制をつくっていきたい。
これは、自治体の内部統制に関する事柄。地方自治法が改正をされ、すでに都道府県や指定都市ではもうその内部統制の方針という形で決め、そういった、基本は財務処理に関するところが主たるところになってくるが、この辺のところの事務処理に関する事前のチェック、日常の仕事の中でのチェック、こういったものを内部統制体制ということで方針をつくって進めているという動きがある。
小平市は、まだその法律が予定をしている対象には入っていないが、経営方針推進プログラムの中ではそういうことで事前のリスク対応ということで検討し、これをやることにより、現在行っている日常のもろもろの仕事のチェック、事故やミス、こういったことを起こさない、さらになくしていくというようなところにつながってくるものであると考えているので、そういう意味で、このプログラムで検討を進め、さらにそういったところをしっかりやっていきたい。
今回は、PCのデスクトップに、ダブルクリックしてはいけないファイルが残っていて、それをダブルクリックしてしまったことが原因でした。間違えてダブルクリックなどをしてしまうことはあるので、そうならないよう、事業者に依頼し、ソフトウェアの側でひとつ対応してもらうべきものではないかと思います。ヒューマンエラーが起きにくいソフトウェア設計にするよう事業者に依頼することも含めてマニュアルに含めていただきたいですね。
また、内部統制の話がここでありました。内部統制については、令和4年3月の一般質問で問いました。
保険給付費が前年度と比べて約4.9億円増の理由は
保険給付費が、前年度に比べて4.1%(約4.9億円)の増となった理由は。
消費税改定に伴う報酬改定の増で、改定率は2.13%の増と国から示されている。それぞれの報酬改定の影響を決算から出すことは非常に難しいが、国の資料をもとに市で算出した数値だと、予算の段階では報酬改定の増は約2億8,600万円と見込んだ。
また、令和2年度に介護施設が1施設、鈴木町1丁目に開設した。それにより、施設介護サービス給付費が相当伸び、6.2%(約2億2,200万円)の増。
市の介護保険制度について、今後の見通しは
市の介護保険制度について今後の見通しは。
近年、要介護認定者数は4%程度の伸びで、昨年度は75歳以上の後期高齢者数が前年度に比べて伸びなかったことなどもあり、1%にとどまったが、内訳としては、要支援より要介護者の方が増えてきていることからも、今後も要介護認定者数は増えていくものと捉えている。
令和2年度末で9,467人のところが、令和7年度には推計で1万775人、約13%は伸びるとしている。要介護認定者数が増えると、当然、介護サービスを利用する方が増える。介護保険制度は、介護サービスの利用が増えると、それに応じて介護保険料も上げざるを得ない仕組みなので、ここは保険者として、どういった形で給付費を適正に見込んでいくのか、我々に課せられている課題と受け止めている。
介護予防や健康づくりの取組などは、コロナ禍の時代において、改めて認識されたと考える。今後、フレイル予防や認知症施策などさまざまな事業を進めながら、令和7年の地域包括ケア構築に向けて取り組んでいきたい。
介護給付費等準備基金の積立についての方針は
介護給付費等準備基金の積立についての方針は。
令和元年度末の残高が11億3,600万円に対し、令和2年度末で約9億9,400万円。約1億4,200万円の減。
これは、保険給付費が伸びたことで保険料が不足し、介護給付費等準備基金の取崩しを行った。基金の取崩しを行うことで、保険料の上昇を抑える効果がある。
第8期介護保険事業計画においては、介護保険料を500円増額したが、今後も基金から適切に取崩しを行って運営をしていきたい。
高齢者の生活状況の実態調査はどう行っているか
高齢者の生活状況の実態調査はどう行っているか。
毎年、生活状況アンケートを行い、令和2年度は件数を増やして1万5,000世帯、高齢者の3分の1程度の方に対してアンケートを行った。将来的には、もっと多くの方に対してアンケートを実施し、実態把握しながら必要なサービスの提供ができればと思っている。
アンケート調査はどう行い、結果はどうで、それを受けて何をしたか
アンケート調査はどう行い、結果はどうで、それを受けて何をしたか。
調査対象は、要介護認定の要介護1以上を受けていない方で、病院等に入院していない方。
3歳刻みで、69歳から81歳までと、84歳以上の全員の調査を行っている。今回は1万5,048人だったと思うが、調査票を送った。
アンケートの回収率は、毎年70%から、80%ぐらいの高い回収率。
今回は調査項目を増やし、特に新型コロナウイルス感染症の影響という項目をつくった。結果は、
- 約40%:特に変化なし:
- 約34%:足腰が弱くなった方
- 約27%:生活のリズムが乱れた
また、前回約40%だった、「外出の回数が減っている」が今回は70%という相当悪い結果になったので、回答してもらった方の中から、イベントの情報、たとえば元気アップ講座の案内を、市報以外にも直接ダイレクトメールを送って参加を促すようなことをしている。
介護認定について
介護申請から認定まではどれくらいの期間かかっているか
介護申請から認定まではどれくらいの期間かかっているか。
令和2年度は32.6日。令和元年度が33.1日だったので、0.5日、少し縮まった。東京都は38.3日、全国が39.0日なので、総体的に見れば、小平市は比較的早く認定結果が出ているのではないかと考えている。
小平市は介護認定の基準が厳しいのではないか
小平市は介護認定の基準が厳しいのではないかという市民の声があるが、どうか。
全国共通の介護認定調査項目が74あり、それを一個一個、できる、できないということで判断していく。
この認定調査と医師の意見書もそれほど偏ったことはないので、、私どもとしては、小平市が厳しいというのが、正直なところよく分からない。
認定調査員それぞれの技能が均一になるよう研修を年6回行うとか、認定審査会のメンバーを2ヵ月で入れ替えるという平準化に努めているので、今のところ、認定結果については、どこかと比べてどうというようなことは考えにくいのではないかと考えている。
認定結果に不服ありで相談や東京都に不服申し立てはあったか
介護認定について、認定結果に不服ありで相談や東京都に不服申し立てはあったか。
令和2年度は、個人情報の開示請求を行ったケースが11件。そのうち、介護度が下がって開示請求をしたケースは1件。東京都への申立ての例はない。
個人情報の開示請求のそれ以外は、死亡による相続手続のために必要とされたり、介護施設に申し込むために介護度が必要だったりするところで。
市内の特別養護老人ホームについて
市内の、介護度別の、特別養護老人ホーム待機者数は
市内の、介護度別の、特別養護老人ホーム待機者数は。
全体の待機者数は、令和2年7月末は329人で、令和元年度と比べて54人増。直近の令和3年6月末現在では、335人で、前年度と比べると6人増。
令和3年6月末現在、335人の内訳は次のとおり。要介護3以上で特別養護老人ホームに入れる。
- 要介護1:19人
- 要介護2:21人
- 要介護3:123人
- 要介護4:97人
- 要介護5:75人
特別養護老人ホームをつくっても、市内の待機者数が減らないことをどう見ているか
特別養護老人ホームをつくっても、つくっても、市内の待機者が減らないことをどう見ているか。
待機者数は、地域包括ケア推進計画にも、正確には入所申込者数と書いている。各施設では入所希望者の方のリストを持っており、重複等はなく、市で名寄せをしているので、実人数として335人。
ただ、施設に聞くと、ベッドが空いたのでと声をかけると「在宅でまだ少し見たい」とか、そういった形で、声をかけても入所を希望しない方もいるので、その辺で数字が減らない理由のひとつもあると捉えている。
令和2年度に鈴木町1丁目に特別養護老人ホームを開設し、市外の方も入所するが、小平市の方も多く入所するので、そういった観点では入所希望者の減少につながっていると受け止めている。
待機者の解消に向けて、特別養護老人ホームの増設は考えているか
昨年度、地域包括ケア推進計画を策定時に、介護保険運営協議会などにも諮り、この特別養護老人ホームをどこまで整備するかについても議論した。
その中で、事業所からは、今は特別養護老人ホームだけではなく、在宅で最期まで生活するという方もいるし、認知症の方などは認知症に特化した認知症高齢者グループホームなども整備を進めており、多様な介護サービスができていて、利用者のニーズも多様になってきている、という意見もあった。
一方で、特別養護老人ホームについての必要性もあるとの意見もあった。
そうしたときに、一度建てると、都の補助金も入れて建設することになるので、50年やそれ以上は運営していかなくてはいけないということになると、将来を見越したうえで整備計画を立てていく必要もある。
特別養護老人ホームには、市内の施設だけではなく、市外の施設へ入所も可能で、そういったさまざまな状況を勘案し、新たに特別養護老人ホームをつくるる考えは持っていない。
障害者の介護サービスについてはどう考えているか
障害者の介護サービスについてはどう考えているか。
原則的に65歳以上になると介護保険制度が優先される。どうしても、制度上、介護保険のサービスを受けてもらうことになる。
そうしたとき、訪問系事業所は、ほぼ介護保険のサービスを設けているので特段問題はないと思うが、デイサービスだとなかなかそこは受けていないということで、介護のほうにうまく利用ができていない方もいると受け止めている。
国においては、共生型サービスもでき、市内でも障害の通所系の事業所が介護のサービスの指定を受けているような状況もある。
その制度のはざまというような問題もあるので、障がい者支援課とも検討しながら、制度のことなので、市としてどこまでできるか分からないが、少し研究などしていきたい。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの整備予定は
定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの整備予定は。
市内には現在、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを行っている事業所はないが、第8期の介護保険事業計画において、2ヵ所整備を予定している。
現在、鈴木町に整備した特別養護老人ホームに併設してこのサービスを開始していくため、事業者側と協議をしている。引き続き協議を進め、開設につなげたい。
市内で在宅医療をしている医療機関数は
市内で在宅医療をしている医療機関の数は。
- 令和3年4月に把握:45機関(訪問診療27、往診のみ18で、合わせて45機関)
- 令和2年度:39機関(訪問診療21、往診のみ18)
- 令和元年度:手持ち数字なし
- 平成30年度:30機関(訪問診療23、往診のみ7)
在宅医療・介護連携推進窓口で調査している数字。徐々に増えている。
小平市では、安心して生きていくという標語の下にここ数年活動を行っている。まだまだ病院で亡くなる方も多い中、在宅で最期を迎えることを願っている方も多いことを認識している。
在宅医療機関は他市に比べて少なめだが、不足しているという状況ではないので、引き続きこの事業の目的に沿って進めていきたい。
生活援助についてはどうなっているか
同居家族がいる場合は、生活援助の掃除や洗濯は保険の対象にならないそうだが、小平市ではどうなっているか。
生活援助は、当該家族などの障害、疾病、その他やむを得ない事情により家事を行うことが困難な場合に行われることとされている。
小平市では、厚生労働省から情報提供のあった川崎市版のケアマネジメントツールを活用し、適切なアセスメントを行うようにしている。
付託委員会での取り扱い
採決
全委員が賛成⭕️
可決すべきものと決しました。
本会議での主なやり取り
討論
なし
採決
全議員が賛成⭕️
全会一致で可決しました。