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議案第4号 令和3年度小平市一般会計予算
一般会計予算特別委員会付託
提案理由の説明
(小林正則市長)
まず、提案説明に際しまして、令和3年度予算編成に当たっての私の施政方針を述べさせていただきたいと存じます。
(施政方針)
令和3年度は、小平市の今後の12年間を計画期間とした小平市第四次長期総合計画のスタートの年となります。この計画は、市民、事業者、行政など、全てのまちづくりの主体が共有する羅針盤に当たるものとして、平成30年度から3年にわたり、市民の皆様や市議会のご意見を踏まえながら検討を進め、さきの令和2年12月定例会において、基本構想の議決をいただきました。
令和3年度からは、基本構想において、12年後に目指す小平市の姿として掲げている将来像、「つながり、共に創るまちこだいら」を目指し、さまざまな取組が進められていくこととなります。
さて、令和2年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい、市民生活においても、1回目の緊急事態宣言のもとでは外出自粛、店舗等の休業、学校の臨時休業や公共施設の休止など、これまでにない経験をすることとなり、国を挙げての一大イベントとして準備がされてきた東京2020オリンピック・パラリンピックも延期となりました。
その後、一時は感染者数がやや落ち着く時期もあったものの、収束には至らず、冬の季節に入ると各地で感染者数が大きく増加しはじめ、年明けには首都圏の一都三県を対象に、2回目の緊急事態宣言が出される事態となりました。その後も、全国的な感染者数の増加に歯止めがかからず、緊急事態宣言の対象地域の拡大、医療現場のひっ迫の状況など、連日厳しい情勢が伝えられ、小平市内の感染者数も増加を続けております。
これから私たちは、ウィズコロナ、ポストコロナと言われる時代において、市民生活の持続的な安定化を図る上で、これまでの予測よりも速いスピードで進むと考えられる、様々な社会の変化にも、しなやかに適応していくことが求められます。
国におきましては、令和3年度予算を、令和2年度の3次補正予算と合わせて、感染拡大防止に万全を期しつつ、中長期的な課題であるデジタル社会・グリーン社会、活力ある地方、少子化対策など全世代型社会保障制度等にも対応する予算としております。一般会計総額は過去最高となる106兆6千97億円となり、これに先立ち編成された令和2年度第3号補正予算は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、防災・減災、国士強靭化の推進など安全・安心の確保を掲げて、19兆1千761億円の規模となっております。
東京都におきましては、令和3年度予算を、厳しい財政環境の中にあっても、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えて、都政と課された使命を確実に果たしていく予算と位置付け、将来にわたって成長し続ける都市・東京の実現に向けて戦略的な取組を果敢に進め、加えて、新型コロナウイルス感染症対策にしっかりと取り組むとともに、浮き彫りとなった課題に的確に対処していくこと、社会変革に適応したデジタル化による都民サービスの向上など、都政の構造改革を進めるとともに、無駄を一層無くし、持続可能な財政運営に努めること、東京2020大会を都民・国民の理解を得られる安全、かつ持続可能な大会として実施し、次世代へレガシーを継承していくこと、との編成方針を掲げ、一般会計の総額で、前年度を71O億円上回る、7兆4千250億円の予算を編成しております。
小平市を取り巻く状況でございますが、新型コロナウイルス感染症の脅威が続く中で、地域経済や市民生活にも様々な困難や課題が生じているほか、コロナ禍を契機とする新しい日常へ」の対応、社会のデジタル化の加速験ど、大きな転換期のただなかにあるものと認識しております。このような状況の中、市民の皆様のくらしを守ることを第一とし、さらに、この転換期を前向きにとらえ、全世代がよりくらしやすく、安全・安心で魅力的なまちづくりに取り組んでいくことも重要であると考えております。
これまでの市長の取り組みを見ていた身としては、美辞麗句が頭に入ってこないところがあります😇
しかし職員の方々には期待しています。
(一般会計予算案)
令和3年度一般会計予算案でございますが、年度当初に市長選挙が予定されておりますことから、4月以降の市長が新たな施策を実現する財源的な余地を残す、いわゆる骨格予算として編成しております。
新市長へ円滑にバトンを渡すべく、新市長の方針に基づき実施の可否や、実施内容を検討すべき施策につきましては、選挙後の補正予算で対応を行うものとし、一方で、コロナ禍への対応など迅速な取組力が要なものや、市民生活を支える行政の安定性の面から、継続的・計画的な取組については、着手の遅れなどによる影響ができるだけ生じないよう、所要の経費を計上しております。
喫緊の課題であるコロナ禍への対応といたしましては、ワクチン接種体制の整備等、本年度予算の繰越による対応を予定しております各事業を着実に進めるとともに、令和3年度当初予算においては、本年度に引き続き、小平市医師会によるPCR検査センターへの支援や、在宅の高齢者・障がい者の介護者が感染した場合の受入体制の確保を行ってまいります。
また、市民のくらしを支えるため、生活困窮者の支援体制の充実や、高齢者の見守りや支え合いの充実を図るほか、まちのにぎわいを支えるため、店舗改修の支援の充実、市内の消費促進の取組などを行います。
新しい日常やデジタル化への対応といたしましては、GIGAスクール構想の着実な推進や、市役所のICT化などに取り組んでまいります。
このように、令和3年度におきましても、新型コロナウイルス感染症黍の対応を着実に図ってまいりますことを大前提として、当初予算の主な取組につきまして、令和3年度からスタートする小平市第四次長期総合計画の体系に沿って、ご説明申し上げます。
① ひとづくり 人が育ち、学び、新たな価値を創造するまちの分野
引き続き、子育て支援の積極的な推進を図ってまいります。喫緊の課題である保育園の待機児童対策として、花小金井南町に定員72人の私立認可保育園1園を開設するとともに、令和4年度の3園の新規開設に向けて、園舎建築費の補助を行います。
学童クラブにつきましては、4クラブを新たに開設いたします。また、本年度開始した民設民営の学童クラブに対する補助制度により、2クラブに運営費の補助を実施するほか、子ども広場事業の拡充など、子どもの多様な居場所の確保を図ってまいります。
小・中学校では、より安全で良好な教育環境の整備を図るため、計画的に増築工事や大規模改造等の施設整備を行ってまいります。これまで準備を進めてまいりました、PFI方式による学校給食センターの更新と、建替えの間の代替給食の提供につきましても、着実な実施を図ります。
コロナ禍を受けて前倒しされた、GIGAスクール構想の着実な推進として、機器やネットワークの適切な保守・維持管理を行うとともに、ICT支援員を学校に派遣し、教員への研修や運用支援等を行います。
また、児童・生徒の学校生活における支援や学習指導の補助に携わる職種を、整理・統合する再構築を図り、特別な支援を必要とする児童・生徒に対する支援の充実を図ります。
ディスレクシアについて訴えてきたことが、組み入れてもらえています👍
具体的な内容については、引き続きチェックしていきます。
ひとり親家庭、及び生活困窮者家庭の子どもを対象に実施する学習支援事業では、本年度開始しているデジタル教材の活用箇所を拡充し、困難を抱える子どもへの支援を充実いたします。健康づくりの分野では、小平市医師会によるPCR検査センターへの支援を継続するとともに、こだいら健康ポイント事業の継続実施に際しての、アプリ化の導入等に向けたシステム構築やがん検診の受診率向上を目指す取組を行います。
厚生委員会で提案しているように、まずは、ひとり親家庭の実態調査が必要と考えます。
市の貴重な歴史遺産である鈴木遺跡につきましては、このたび国指定史跡となることを受け、保存活用計画の策定に着手いたします。
② くらしづくり多様性を認めあい、つながり、共生するまちの分野
本年度に引き続き、第四次男女共同参画推進計画小平アクティブプラン21の策定を進め、計画素案に関する地域懇談会の実施にあわせて、男女共同参画について考える連続講座を、いきいき協働事業により実施いたします。
また、令和4年度の児童発達支援センター開設に向けて、たいよう福祉センターめ改修、及ぴ増築工事を実施するとともに、障がい者の就労支援体制の充実や、グループホームの増設により、隙がい者の自立した地域生活と社会参加を推進いたします。
児童発達支援センターは能力が不足している可能性がありますので、これも注視していきます。
高齢者への支援といたしましてほ、コロナ禍への対応も踏まえ、より身近な地域で、住民が主体的にフレイル予防に取り組めるよう、介護予防・フレイル予防推進員を配置し、地域におけるグループの立ち上げなどへの支援を行うとともに、高齢者に対する機器による見守りのメニューの追加や、地域包括支援センターによる認知症の支援体制の充実を図ります。
さらに、コロナ禍により、生活に困窮する方や、解雇や雇い止めとなる方、今後の生活に不安を持つ方などからの相談が増えていることを踏まえ、小平市社会福祉協議会に委託し設置しているこだいら生活相談支援センターの体制の充実を図り、迅速かつ適切な相談体制を確保して、包括的な支援を行ってまいります。
また、安全・安心なくらしづくりに向けて、本年度着手している小平市地域防災計画の修正を図るとともに、防災行政無線のデジタル化改修を、引き続き、計画的に進めます。
③ まちづくり 自然と調和した、美しく快適で、魅力あるまちの分野
引き続き、公園アダプト制度など、市民とともに身近な緑を育む取組を推進するとともに、ESCO事業を活用した公共施設の照明のLED化として、小・中学校では供用を開始し、市民総合体育館、及び中央公園グラウンドでは、工事を実施いたします。
また、令和4年度の供用開始に向けて、リサイクルセンターの地域還元エリアとして、憩いの場となる多目的広場を整備いたします。
重要な社会インフラである公共下水道につきましては、引き続き、老朽化対策や雨水整備を計画的に推進いたします。
小川駅西口、及び小平駅北口地区につきましては、駅前の利便性・安全性の向上や、にぎわいの創出など、将来的な人口減少時代の到来を見据え、まちの魅力の向上を図る取組として、再開発組合等に対する補助等により、事業の着実な実施に向けた支援を行います。
また、引き続き、沿道建築物の耐震化の促進に向けた補助を実施するとともに、小平都市計画道路3・4・10号線、及び3・4・19号線の整備、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業を推進してまいります。
コミュニティバス・コミュニティタクシーの運行については、市民の皆様や事業者などとの協働により、引き続き取り組んでまいります。
コロナ禍を受けての市内事業者への支援といたしましては、小平商工会への補助により、中小事業者が行う、新型コロナウイルス感染症予防対策ガイドライン等に基づく、店舗改修工事等の補助を行うほか、感染状況も踏まえながら、小平産農産物の収穫体験や、農産物を使った飲食店、農産物直売所等をめぐるスタンプラリーの実施と、こだいら観光まちづくり協会への補助による、市内消費促進事業の同時開催を予定いたします。
①から③の基本目標を着実に実行するための「自治体経営方針」のもと取り組む事業
将来的な人口減少や、公共施設の老朽化等の課題への対応として、引き続き公共施設マネジメントを推進し、公共施設の機能の再配置や、複合化を計画的に推進いたします。中央公民館・健康福祉事務センター・福祉会館の複合化による更新については、基本設計・実施設計を進め、小川駅西口地区の再開発ビルにおける公共施設については、実施設計を進めてまいります。
また、デジタル化への対応の取組として、東村山市・東久留米市と共同で取り組んでまいりました住民情報システムの再構築について、令和4年1月の稼働開始を予定いたします。
コロナ禍への対応を踏まえた市役所のICT化といたしましては、会議や打合わせ等をWebで実施できる環境を整えるとともに、職員を対象としたテレ・ワーク導入の実証実験を行います。また、これまで、閲覧するには市役所への来庁が必要だった、都市計画等に関する図面の一部をインターネット上で公開するなど、利便性の向上と業務の効率化、あわせて感染予防を図る取組を推進いたします。
このほか、マイナンバーカード交付の推進として、交付専用窓口の設置やコールセンターの拡充を行うとともに、公共施設等への出張によるカード申請のサポートなどを実施いたします。
以上、令和3年度当初予算に盛り込みました主な事業について、述べさせていただきました。これらの事業を包含した令和3年度一般会計予算の歳入歳出総額は、686億7千万円で、前年度の当初予算に比べ、4億1千600万円、0.6%の減となっております。
歳入では、一般財源におきましては、新型コロナウイルス感染症による経済状況の悪化の影響などを見込み、市税は前年度と比較して、13億4千300万円の減額となることから、財源の確保策といたしまして、基金の活用のほか、臨時財政対策債の発行を、前年度と比較して10億7千900万円増額いたします。
特定財源におきましては、民生費等の伸びなどにより、国、及び都支出金が増額となりますが、普通建設事業の減に伴い、市債を大きく減額いたしました。一方、歳出では、障害者自立支援給付費や、民間保育園運営費の増などにより扶助費が引き続き増額しておりますが、骨格予算であることから、市民生活に影響が生じない範囲で、新たな施策の経費や、投資的経費を抑えております。
このように編成いたしました令和3年度一般会計予算でございますが、新型コロナウイルス感染症への対応など、様々な社会情勢の大きな変化が予想される中、小平市第四次長期総合計画において12年後に目指す小平市の姿として掲げている将来像、「つながり、共に創るまちこだいら」を目指し、限られた財源を真に必要な事業に振り向けて、持続可能な財政運営を実現するとともに、次世代に対し責任を持って事業に取り組むための予算といたしております。
以上が、本案の内容でございますが、議員各位のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げまして、説明とさせていただきます。
よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
資料
主な質疑
これは要約ですので、正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお、質問の意図を分かりやすく簡潔にするため、議員の質問に関しては、ほとんどの部分で大幅に手を加えています。また、簡略化のため、市民、議員、理事者側(市役所側)の発言から、敬語表現の多くを省いています。実際は、特に理事者側のすべての答弁は、市民に対する敬語表現でなされています。
主な質疑の目次
* は『一人会派の会』議員の質問です。
骨格ではなく本予算を編成すべきだったのでは
市長選があるため骨格予算ということだったが、予算編成時点で市長なので、責任をもって本予算を編成すべき。本予算を編成して上程することは検討しなかったか。
- どのような予算編成をするかは庁内で毎回議論している。
- 本予算を示せば市民には分かりやすいが、次期市長の財源を奪うわけにはいかない。
- 法令上、「骨格予算」というものはないが、本予算をアレンジし、政策的な経費を一部除いた形で編成するものが骨格予算。
- 暫定予算は無理がある。清掃の業務なども2ヵ月単位で業者に請け負ってもらわないとならない。業者は次も仕事が取れるか分からない。いくらで人を集められるか、事務的な経費も追加でかかる可能性もある。
- 例年なら新しい事業は避けるところがあるが、コロナに対し4月早々から対応するため、1.3億円ほどしっかり組んでいる。
🕵 暫定予算と骨格予算
津嶋部長が述べたように、地方公共団体の「暫定予算」は地方自治法で定められており、「骨格予算」は法で定められたものではありません。
2 普通地方公共団体の長は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。
3 前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基づく支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを当該会計年度の予算に基づく支出又は債務の負担とみなす。
📄 暫定予算の調製について(masse大阪・平成19年5月号相談室)によれば、通常、市長の改選があるときには骨格予算を立てるとのことです。
暫定予算が必要となる一般的な理由として次も示されています。
- 議会の解散、予算審議の延長等によって年度開始前に予算議決を得ることができないとき。
- 災害の発生等による議会招集の遅れ等によって予算の議決に至らないとき。
- 予算が否決され、修正案等の作成に時間を要し、年度開始に間に合わないとき。
- 廃置分合により、一定期間に限った予算とせざるを得ないとき。
私は、骨格予算を立てることは合理性があると思います。
肉付けの予算額は
肉付けの予算額と、それをどうやって捻出するか。
過去の例として、事業費ベースで約10億円程度。
肉付けの財源をどう捻出するか
肉付けの財源をどう捻出するか。
工事関係は起債、それ以外は国費、都費など。不足分は、ある程度回復した財政調整基金の繰入。
地方創生臨時交付金も活用する。
見直したのはどういう事業か
すべての事業を見直すとのことだが、見直したのはどういう事業か。
経常収支比率が95%前後で高止まりしている。財源確保は、経常経費を精査していくということで、-6%のシーリングをかけている。市民サービスに影響が出ないところで削減を図っている。それで一般財源として7.6億円ほど確保できた。
小川西グラウンドの人工芝化も、主要事業として取り組んできたが、一般財源の負担が2億円前後かかる。事業計画を足踏みさせてもらっている。国分寺市との連携で、グラウンドの相互利用を、同じ市民どうしの料金でできるというところで、活用をはかっていきたい。
事務事業の見直しでは4千8百万円ほど捻出してきた。
経常経費を削減した手法は、修繕の回数を減らす、清掃の回数を減らす、再リースで古い機械を使い続ける等。大きな見直しは、当初予算、税収なども見ながら。
この議案は一般会計予算特別委員会に付託されました。一人会派の会からは伊藤央雄議員と中江美和議員が委員として参加しました。
内容が多岐にわたるため主な質疑のまとめは省略します。次の会議録をご参照ください。
会議録
- 議会事務局の審査
- 企画政策部、会計課、監査事務局の審査
- 総務部の審査
- 選挙管理委員会事務局の審査
- 市民部の審査
- 地域振興部及び農業委員会事務局の審査
- 子ども家庭部の審査
- 健康福祉部の審査
- 環境部の審査
- 都市開発部の審査
- 教育部の審査
付託委員会での取り扱い
採決
議員名(会派名) | ⭕️賛成/❌反対 |
---|---|
安竹洋平(一人会派の会) | ❌ |
伊藤央(一人会派の会) | ❌ |
橋本久雄(一人会派の会) | ❌ |
中江美和(一人会派の会) | ⭕️ |
(政和会) | ❌ |
(公明党) | ⭕️ |
(フォーラム小平) | ⭕️ |
(共産党小平市議団) | ⭕️ |
(生活者ネットワーク) | ⭕️ |
(まちづくり市民こだいら) | ⭕️ |
賛成多数で可決しました。
本会議での主なやり取り
討論
会派名 | ⭕️賛成討論/❌反対討論 |
---|---|
一人会派の会 | ❌ |
政和会 | ❌ |
公明党 | ⭕️ |
フォーラム小平 | ⭕️ |
共産党小平市議団 | ⭕️ |
生活者ネットワーク | ⭕️ |
まちづくり市民こだいら | ⭕️ |
一人会派の会の反対討論(伊藤央議員)
代表して伊藤央議員が反対賛成討論を行いました。私の主張も託しました。
議案第4号、令和3年度小平市一般会計予算について、一人会派の会を代表いたしまして、反対の立場から討論をいたします。
第1に、骨格予算という予算編成の在り方についてです。今回の予算案は、今月から始まります市長選挙があることから、通年予算、また本格予算というものではなく、たちまち市民生活に影響を与えるものに限って計上し、政策的予算は抑えた骨格予算として上程をされました。
しかしながら、審査の中では、本予算案の中に、市の独自施策、独自の予算など、政策判断を基に計上されたものが多く含まれる。これは4年前も一緒だったんですけれども、これが明らかになりました。骨格予算の看板を掲げながら、その中に政策的予算を紛れ込ませるといったやり方は、正当とは思えません。
中でもひどいと感じるのは、花小金井武道館の解体費用が含まれていることです。これは到底容認できるものではありません。同施設の廃止については、市民の中にも少なくない反対意見があります。議員からも再三にわたり反対意見が述べられてきております。花小金井武道館は市内唯一の武道館です。代替施設はありません。さらには、どこの自治体にもあるという施設でもありません。小平市の独自の施設とも言えるわけです。
花小金井武道館の廃止については、できる限り継続して使用できるようにすることを求める請願書が市民から提出され、議会はこれを全会一致で採択しております。にもかかわらず、請願の趣旨をねじ曲げた折衝を利用者の間で行い、これをやったことは、やはり議会軽視と言わざるを得ませんし、請願書に付された署名、この署名を行った市民の中には利用者以外の方も多く含まれる、これは容易に想像できます。それらの方々の思いは全く受け止めていません。強引とも言えるやり方で廃止への工程が推し進められてきました。市は、これを公共施設マネジメントの第1弾と位置づけてきましたけれども、このような強権的な手法で今後の公共施設マネジメントが進められるということは、到底看過できるものではございません。
さらには、花小金井武道館を廃止するために、今定例会に上程されました小平市立体育施設条例の一部を改正する条例、これは生活文教委員会での審査を経た結果、継続して審査する必要があるとの結論に至っております。本来であれば、この結果を受け、本予算案を一旦取り下げた上、花小金井武道館の解体費用を削除し、また、施設を残すために生ずる費用があるならば、それを追加した予算案を再上程すべきと考えます。花小金井武道館を廃止するために必要な法的根拠を失ったと言える今、この予算案が成立すれば法的に瑕疵のある予算となってしまうと考えますし、またそれを執行することは行政として許されない、このように考えております。
第2に、骨格予算とはいえども、97.3%という非常に高い経常収支比率が示すとおり、非常に弾力性に乏しい予算であること。これは将来の見通しが立たないという財政状況を打開する姿勢が見えない、このことを指摘します。
肉づけの予算を加えたとしても、経常収支比率は高止まりの状況、これは変わりありません。その大きな原因の一つは、無計画な保育施設の増設にあることは明らかであります。これまで待機児童対策は、保育施設の増設のみの場当たり的な対応ではなく、一定年齢まで御自宅で子育てをされる御家庭への支援、こういったものの必要性も訴えてきましたが、待機児童減少にずっと失敗してきたという反省もなく、ただただ保育施設の増設のみを野放図に繰り返す、その姿勢はまさに行政の硬直化の象徴と言えます。
第3に、補助金改革の姿勢が見えないということです。御承知のとおり、補助金は、地方自治法第232条の2において、普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができると定められており、特に市民の多様化する行政ニーズに応えるためにも、市民の力を生かし、行政だけでは行き届かない部分をカバーしていただくためにも必要なものであると認識しております。しかし、時にこれが既得権益となり、また政治家とのしがらみをつくり、また、市民団体等の自立を妨げる要因となることは、これまでも指摘されてきたとおりであります。自治体の裁量により行うことのできる寄附や補助、これは言い換えれば、小平市の覚悟一つで改革できる部分である。にもかかわらず、ここにメスを入れるという姿勢が全く見えません。これでは、行財政の再構築など絵に描いた餅であり、これを進められるとは到底考えられません。
第4に、これまで何度も廃止すべきと複数議員が指摘してきた小平市東京オリンピック・パラリンピック子ども夢・未来基金が維持し続けられていることです。事業の実施が不透明である以上、この基金を廃止し、貴重な財源を基金に固定することなく、柔軟にコロナ対策などに活用すべきです。
市長によれば、この観戦事業は、小林市長が最初に発案し、東京都が後から乗ってきたものということであります。そして、何が何でも実施するんだと息巻いてこられました。しかし、その発言とは裏腹に、実施に向けての十分な準備は全く進められておりません。東京都の観戦事業が中止された場合、また観客数を制限しての開催、こうなった場合、どのような対策を取るのかは、全くと言っていいほど検討されておらず、独自でどうやってチケットを確保するのか、市単独事業として実施する場合の予算確保はどうするのか、これらについても何も考えられていないということが審査の中で明らかになりました。
この基金については、法的な瑕疵について指摘されるなど、特定目的基金であるにもかかわらず、使途を明確にされないまま設置が行われ、都合よく使途を拡大していくなど、基金運営上、また行政運営上、大きな問題を引き起こしていることは、これまでも指摘してきたとおりであります。
本議会では、我々は3度目となるこの基金を廃止するための条例案を提案しました。過去2回は否決となりました。しかし、今回は委員会では継続審査となりました。つまり、即否決するという状況ではなくなったと、多くの議員が、委員会の委員が考えたということだと解釈します。
第5に、今回の予算編成を行う上でマイナス6%シーリングがかけられたことについて、これを教育委員会にも適用したことです。将来の我が国、小平市を担う人材のために投じる予算について、他分野と同様の6%シーリングをかける、これは将来の小平市に対する裏切りである、このように考えます。
また、審査の中では、学校図書館図書購入費、これは交付税を算定する上で必要な基準財政需要額を積み上げる上での一つの要素になっています。この図書購入費、標準のものほど今回の予算でも割り当てられていないわけです。これは結局、例えば子どもが学校に入学する、参考書でも買いなさいよとおばあちゃんからお金をもらった、それを親が洋服を買うのに使う、そういう話です。泥棒じゃないかもしれないが、それは道義的に許されるんだろうかということです。ましてや、今、コロナ禍です。これまでよりも多く図書購入費を充ててもおかしくないという状況の中で、学校図書館の図書購入費を十分充てられていないということは大きな問題であります。
結局、本予算に見られるのは、目先のこと、ここしか見ておらず、将来のことを見据えていない小平市政の現状、これを本予算案は如実に現しているものだと考えます。また、小平市政の大きな問題点である二元代表制の機能不全、法を曲解もしくは無視をするという強権的で独裁的な行政運営、これを象徴する予算であるということを指摘し、議案第4号、令和3年度小平市一般会計予算について、一人会派の会として反対の立場を表明いたします。
なお、我が会派の中には、前述の指摘を共有しながらも、市民生活への影響を考え、賛成する議員もおりますことをつけ加えます。
それ以外の会派の討論はこちらをご参照ください。
採決
一人会派の会(安竹、伊藤、橋本)と政和会が反対。それ以外の議員は賛成でした。